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2皿目 シーフードカレーで海中探索。鮫の魔物との遭遇

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 勇者パーティから離脱したイエローは路銀稼ぎのため宿泊していたホテルからだいぶ離れた海の中を探索していた。

「おぉ!! 沈没船発見!!」

 沈没船を発見して中に入るイエロー。イエローを勇者パーティーに入れて評価上げを狙っていたギルド長や勇者達は知らないことがあった。
 それは、イエローがこのファンタジー世界とは別の世界の人間で特別な力を持った正義の戦隊の一人であった。

 悪の組織との戦いの最中、時空の歪みによりこちらの世界に来てしまった。
 身体能力が強くギルドで評判となり勇者達への生贄としてギルドから送りだされてしまった。

 「新鮮なシーフードカレーのおかげで一日中海にいても平気だよ…あぁ、くそ…あのバカ共、よくも私のカレーを落としやがったな…」

 勇者達の愚痴をつぶやきながら一切光のない沈没船の中を進む。
 ここで説明だが。イエローはカレーを食べることで特殊な能力を得ることができる。
 今みたいに海の中を探索したい時は海鮮物を具材にした「シーフードカレー」を食し、海の中でも呼吸ができ暗い海の中でも視界がはっきり見える。

「おぉ! 宝箱はっけん~~!! お宝ざっくざっくかな~~って、ありゃ? これ、ランプ?」

 古びた宝箱をこじ開けると中には古びたランプがあった。
 金銀財宝ではなく少しがっかりするイエロー。 

「まぁ、カレーのルー入れになるからいいか…うぉ!!」

 沈没船が揺れた。イエローはランプを持ち慌てて逃げると、船に巨大な鮫の魔物が体当たりをしていた。

「うぉぉ!! でかぁ!! 怪人でもあんな大きいの見たことないなぁ!! うぉ!! こっちきたぁ!!」

 巨大な鮫は餌を見つけると巨大な牙をむき出しイエローに迫る。

「ちぃ!! やっぱ水中じゃ向こうがはやいかぁ…」

 上に泳いで逃げるが後数秒で追いつかれる。
 シーフードカレーを食べてもあくまでも水中での呼吸や視界が良くなる程度しかない。
 普通の人間より早く泳げているが、イエローの素の身体能力だった。

「おりゃ!!」

 大きく開いた口を目前に、上下の牙をつかむ。

「うぉ!! ちょ、くそぉ!!」

 鮫は牙をつかみ抵抗している獲物を弱らせようと海中を勢いよく泳ぐ。
 体に強い水圧がかかりイエローの体力を削り始める。

「ちぃ!! こいつ、知能あんのかよぉ!! けどなぁ!! 私だってだてに怪人と戦ってきたわけじゃない!! 」

 イエローの体が光る。次の瞬間、鮫の体が光り始めた。

「スパーク!!」

 戦隊ヒーローことイエローの固有能力「雷」により鮫は一瞬で黒焦げになる。
 
「ふぅ、久しぶりに焦った…この世界の生き物って怪人たちと比べてレベル低いから油断してたわぁ…あ、やべ。やりすぎた…」

雷の余波を受けて周囲の生物たちも感電し動かないのを見て「力のコントロールもうまくいかないなぁ」とぼやきながら水上を目指した。


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