頭 リアル 。

半径10cm王国

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彼女 が 望んだ 事 。

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「北朝鮮が放ったミサイルは失敗に終わりましたが……………。」
興味が無さそうにしていた彼女はそれだけを聞くとテレビを消して、私の方を向いた。
私は、
(そう言えば、この真っ直ぐな瞳に惹かれて恋人になったんだっけ。)
と、至極的外れな事を思った。
平和な午後の事だった。

「ミサイルが来て、戦が始まる前に死んでしまえば私の葬式は執り行われるかな。」
彼女はそんな事を言うと、酷く幸せそうに微笑んだ。

1週間後、彼女は死んだ。 

次の日、ミサイルが落ちた。

彼女の望んだ彼女のための葬式は行われなかった。

私は、棺の中に入った彼女を抱きしめた。
(このまま、ここで死んでしまおう。)

彼女の体はゾッとするほど冷たかったが、そんなのはどうでも良かった。
瓦礫が私と彼女を押しつぶす。
その圧迫感に苦しみながら、彼女と死ねる事を静かに幸せに思った。

私はその日、死んだ。
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