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世界最強の兵器
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『ベニボタル殿…。まず、貴女は人間か?どこから来たのだ?』
グレンダは今にも口から溢れそうになる程に沢山の質問を絞り出すように、ゆっくりと丁寧に声にした。
《では、質問に答えます。
私は人間ではありません。私はAIと呼ばれる存在で、私はこの船そのものであり、この船は私そのものです。
理解できなければ、幽霊や精霊の類いだと認識してもらって結構です。
次に、私は日本という国から来ました。
因みに私、日本では極秘の存在でしたので日本国防軍には所属しておりませんでした》
紅蛍の言葉に、グレンダが首を傾げる。
『エーアイ?ニッポン?
聞いたことがないな…』
振り返るグレンダに、エリーやアフレッタたちも心当たりがない様子で頷いた。
《貴女方が日本を知らないということは、ここは私が居た場所とは異なる世界だということなのでしょう》
『異なる世界…?』
《はい。私はその場から何千キロと離れた場所に一瞬で移動する術を有していました》
『それって…瞬間移動ってやつですか?』
静かにしておくと言ったことも忘れたエリーが興味津々な瞳に、スクリーンの紅蛍を映した。
《そうですね。
私は、とある任務を遂行する為にその瞬間移動を発動しました。
しかし、何かしらの不具合が生じ、本来行くはずだった場所どころか、次元そのものを超えて、まったく未知なるこの異世界へと来てしまったようなのです》
『そんな小説みたいなことが…』
エリーが空笑いを浮かべながらそう言うが、ドラゴンを一瞬で退けたあの攻撃は、どんな小説にも出てこなかった魔法のようなものだった。
『瞬間移動は、もう使えないのか?』
グレンダは質問を続ける。
《はい。ただいま原因を探っている最中です》
『国防軍と言っていたが、この船は軍船か?どんな兵器を装備しているんだ?』
《はい、軍船です。
我が国では戦艦と呼ばれていました。
搭載兵器については軍事機密ですからお答えできませんが、この世界の兵器よりかは遥かに強力だと確信しております》
その言葉に、グレンダは唾を呑み込んだ。
『この世界で、最も強力な兵器はドラゴンと呼ばれている生物だ。
だが、ベニボタル殿…貴女はそのドラゴンを、まるでハエを払うかのように撃退した。
この意味が理解できるか…?』
《ドラゴン。あの海洋生物はドラゴンと呼ばれており、軍事兵器として使用されている。
理解しました。
ドラゴンの正確な戦闘力は不明ですが、あの程度の耐弾性ならば私の相手にはなりません。
つまり、現時点で世界最強の兵器はこの私、紅蛍だということを仰りたいのですね》
そう言って微笑む紅蛍に、グレンダは無言で頷いた。
《レーダーに反応あり。レーダーに反応あり》
突然、紅蛍がそんなことを言い出した。
『レーダー…?』
周りがざわつく中、さっきまで紅蛍が映っていたスクリーンからその姿は消え、代わりに円が何重にも描かれた図形が浮かびあがっており、その中で幾つかの赤い印が点滅していた。
『質問ですグレンダ。
この世界には編隊を組み飛行する生物は存在しますか?』
再び姿を現した紅蛍が問い掛けると、グレンダは力強く答えた。
『飛竜だ!飛竜隊が来るぞ!』
グレンダは今にも口から溢れそうになる程に沢山の質問を絞り出すように、ゆっくりと丁寧に声にした。
《では、質問に答えます。
私は人間ではありません。私はAIと呼ばれる存在で、私はこの船そのものであり、この船は私そのものです。
理解できなければ、幽霊や精霊の類いだと認識してもらって結構です。
次に、私は日本という国から来ました。
因みに私、日本では極秘の存在でしたので日本国防軍には所属しておりませんでした》
紅蛍の言葉に、グレンダが首を傾げる。
『エーアイ?ニッポン?
聞いたことがないな…』
振り返るグレンダに、エリーやアフレッタたちも心当たりがない様子で頷いた。
《貴女方が日本を知らないということは、ここは私が居た場所とは異なる世界だということなのでしょう》
『異なる世界…?』
《はい。私はその場から何千キロと離れた場所に一瞬で移動する術を有していました》
『それって…瞬間移動ってやつですか?』
静かにしておくと言ったことも忘れたエリーが興味津々な瞳に、スクリーンの紅蛍を映した。
《そうですね。
私は、とある任務を遂行する為にその瞬間移動を発動しました。
しかし、何かしらの不具合が生じ、本来行くはずだった場所どころか、次元そのものを超えて、まったく未知なるこの異世界へと来てしまったようなのです》
『そんな小説みたいなことが…』
エリーが空笑いを浮かべながらそう言うが、ドラゴンを一瞬で退けたあの攻撃は、どんな小説にも出てこなかった魔法のようなものだった。
『瞬間移動は、もう使えないのか?』
グレンダは質問を続ける。
《はい。ただいま原因を探っている最中です》
『国防軍と言っていたが、この船は軍船か?どんな兵器を装備しているんだ?』
《はい、軍船です。
我が国では戦艦と呼ばれていました。
搭載兵器については軍事機密ですからお答えできませんが、この世界の兵器よりかは遥かに強力だと確信しております》
その言葉に、グレンダは唾を呑み込んだ。
『この世界で、最も強力な兵器はドラゴンと呼ばれている生物だ。
だが、ベニボタル殿…貴女はそのドラゴンを、まるでハエを払うかのように撃退した。
この意味が理解できるか…?』
《ドラゴン。あの海洋生物はドラゴンと呼ばれており、軍事兵器として使用されている。
理解しました。
ドラゴンの正確な戦闘力は不明ですが、あの程度の耐弾性ならば私の相手にはなりません。
つまり、現時点で世界最強の兵器はこの私、紅蛍だということを仰りたいのですね》
そう言って微笑む紅蛍に、グレンダは無言で頷いた。
《レーダーに反応あり。レーダーに反応あり》
突然、紅蛍がそんなことを言い出した。
『レーダー…?』
周りがざわつく中、さっきまで紅蛍が映っていたスクリーンからその姿は消え、代わりに円が何重にも描かれた図形が浮かびあがっており、その中で幾つかの赤い印が点滅していた。
『質問ですグレンダ。
この世界には編隊を組み飛行する生物は存在しますか?』
再び姿を現した紅蛍が問い掛けると、グレンダは力強く答えた。
『飛竜だ!飛竜隊が来るぞ!』
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