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5話
缶詰3日目 傘の人【6】
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「すみません。お恥ずかしい所をお見せしてしまって」
森山君が申し訳なさそうに頭を下げた。
「謝ってもらう程の事じゃないよ。新井さん、真っすぐで可愛いわね」
微笑むと、森山君がほっとしたような表情を浮かべた。
「彼女は昔から周りが見えなくなる所があって」
「そうなんだ。でも、それって一生懸命でいいよね」
「そんな風に言える春川さんはやっぱり大人ですね」
「そう?本当にいいと思ったのよ。あの情熱を仕事に向けたら、きっといい仕事するわよ」
「そうですかね」
森山君が笑みを浮かべた。
それから三人分のドリアがテーブルに運ばれて来て、私は新井さんの分のサラダをもらい、森山君が新井さんのドリアを食べた。
一人前でも量が多かったので、森山君の胃袋が心配だったけど、平気な顔で森山君は平らげた。
「二皿ぐらい楽勝です」
「さすが男子」
「でも、食休みが欲しいですね」
「やっぱり食べ過ぎたんだ」
「全然余裕ですよ。あと一皿追加してもいいです」
「じゃあ、追加しようか」
「春川さん、俺をいじめて楽しんでません?」
「親切で言ってあげたのに」
目を見合わせてクスクスっと笑った。
森山君といると、自然と笑っている事が多い。
こういう時間はとても楽しい。
だけど、新井さんの強い気持ちを知って、今、笑ってる事にも罪悪感を感じる。
私なんかが森山君と一緒にいていいんだろうか。
本当は新井さんが一緒にいるべきではないんだろうか。
そんな事を考えていたら、ため息が出た。
「どうしました?」
「ちょっと新井さんの事を考えてて。そういえば片思いの人の事、彼女には話してないの?」
二人の会話を聞いてて、そんな風に思えた。
「初めて真剣に好きになった恋だから、内緒にしておきたいんです」
森山君が僅かに頬を赤らめた。言葉からは溢れる想いを感じる。
その人の事、かなり好きなんだ。
「その相手は新井さんってオチはないの?」
森山君が笑った。
「ないですよ。由香ちゃんの事は妹の友達としてしか見てないんで」
「そうなんだ」
「俺、聞いての通り、ろくな恋愛をして来なかったんです。大学の時、彼女が友達と寝てたのを知っても、腹は立たなかった。春川さんには信じられないでしょ?」
「うん。私だったら腹を立てる以上に引きずる。いや、相手が友達だって知ったら人間不信になって立ち直れないかも」
「その当時の俺は色白でおっぱいが大きい子だったら誰でも良かったんです。心よりも、性欲の方で繋がっていたというか。今思うと恥ずかしい限りです」
見た目草食系の森山君に性欲って言葉がやっぱり似合わない。
正直すぎる告白に頬が緩んだ。
「そこまで私に暴露していいの?」
「昨日、春川さんの元彼に会ってしまいましたからね。これぐらいの事は打ち明けないとフェアじゃない気がして」
「じゃあ、片思いの人の事も教えてくれるの?私の片思いの相手を知ってるんだし。私が知らないのはフェアじゃないでしょ?」
「名前を言っても春川さんの知らない人ですよ」
「そうなんだ。出会った切っ掛けは?」
眼鏡の奥の瞳が遠くを見るような目をした。
「もう四年ぐらい前になるんですけど、その人に傘を貸してもらったんです」
森山君が申し訳なさそうに頭を下げた。
「謝ってもらう程の事じゃないよ。新井さん、真っすぐで可愛いわね」
微笑むと、森山君がほっとしたような表情を浮かべた。
「彼女は昔から周りが見えなくなる所があって」
「そうなんだ。でも、それって一生懸命でいいよね」
「そんな風に言える春川さんはやっぱり大人ですね」
「そう?本当にいいと思ったのよ。あの情熱を仕事に向けたら、きっといい仕事するわよ」
「そうですかね」
森山君が笑みを浮かべた。
それから三人分のドリアがテーブルに運ばれて来て、私は新井さんの分のサラダをもらい、森山君が新井さんのドリアを食べた。
一人前でも量が多かったので、森山君の胃袋が心配だったけど、平気な顔で森山君は平らげた。
「二皿ぐらい楽勝です」
「さすが男子」
「でも、食休みが欲しいですね」
「やっぱり食べ過ぎたんだ」
「全然余裕ですよ。あと一皿追加してもいいです」
「じゃあ、追加しようか」
「春川さん、俺をいじめて楽しんでません?」
「親切で言ってあげたのに」
目を見合わせてクスクスっと笑った。
森山君といると、自然と笑っている事が多い。
こういう時間はとても楽しい。
だけど、新井さんの強い気持ちを知って、今、笑ってる事にも罪悪感を感じる。
私なんかが森山君と一緒にいていいんだろうか。
本当は新井さんが一緒にいるべきではないんだろうか。
そんな事を考えていたら、ため息が出た。
「どうしました?」
「ちょっと新井さんの事を考えてて。そういえば片思いの人の事、彼女には話してないの?」
二人の会話を聞いてて、そんな風に思えた。
「初めて真剣に好きになった恋だから、内緒にしておきたいんです」
森山君が僅かに頬を赤らめた。言葉からは溢れる想いを感じる。
その人の事、かなり好きなんだ。
「その相手は新井さんってオチはないの?」
森山君が笑った。
「ないですよ。由香ちゃんの事は妹の友達としてしか見てないんで」
「そうなんだ」
「俺、聞いての通り、ろくな恋愛をして来なかったんです。大学の時、彼女が友達と寝てたのを知っても、腹は立たなかった。春川さんには信じられないでしょ?」
「うん。私だったら腹を立てる以上に引きずる。いや、相手が友達だって知ったら人間不信になって立ち直れないかも」
「その当時の俺は色白でおっぱいが大きい子だったら誰でも良かったんです。心よりも、性欲の方で繋がっていたというか。今思うと恥ずかしい限りです」
見た目草食系の森山君に性欲って言葉がやっぱり似合わない。
正直すぎる告白に頬が緩んだ。
「そこまで私に暴露していいの?」
「昨日、春川さんの元彼に会ってしまいましたからね。これぐらいの事は打ち明けないとフェアじゃない気がして」
「じゃあ、片思いの人の事も教えてくれるの?私の片思いの相手を知ってるんだし。私が知らないのはフェアじゃないでしょ?」
「名前を言っても春川さんの知らない人ですよ」
「そうなんだ。出会った切っ掛けは?」
眼鏡の奥の瞳が遠くを見るような目をした。
「もう四年ぐらい前になるんですけど、その人に傘を貸してもらったんです」
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