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6話 速水さんの気持ち
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タクヤ君の部屋はスカイラウンジの一つ下の階にあった。リビングと寝室が別れた広々としたスイートルームで、大きな窓からはさっきよりも夕陽の色が濃くなった空と海が見える。
こんな凄い部屋に泊まれるなんて、さすが人気俳優。
「卯月ちゃん、どうぞ」
タクヤ君にすすめられて、白いソファに腰かけた。
「そうだ。記念に写真撮ろう」
タクヤ君が思いついたようにスマホを取り出し、顔を近づけ、また私とのツーショット写真を撮ってくれた。
「この写真も卯月ちゃんに送るからね」
「ありがとうございます」
「これでよしと」
スマホを操作し終わると、タクヤ君はなぜか嬉しそうに微笑んだ。
「卯月ちゃん、何か飲む?」
「さっき紅茶を頂いたので大丈夫です」
「そうだね。俺も紅茶でお腹たぷたぷ」
向かい側に座ったタクヤ君がお腹いっぱいというように自分のお腹をさする。
「じゃあ、本題に入ろうか」
「はい」
「あやちゃんの好きな人の話をする前に、聞いて欲しい話があるんだ」
色っぽく見つめたられた気がしてドキッとする。
まさか、今から口説かれるの?
寝室に行こうかとか言われちゃうの?
いや、いや、いくらなんでもその展開はないよね。
キラキラの芸能人が私みたいな地味な子を相手にする訳ないよ。それに私、胸だって大きくないし、色気も全然ないし、よく中学生と間違われるし。
「卯月ちゃん、聞いてる?」
「へ?」
いつの間にか目の前にタクヤ君の顔が!
鼻先がくっつきそうな距離にびっくりする。
こんな凄い部屋に泊まれるなんて、さすが人気俳優。
「卯月ちゃん、どうぞ」
タクヤ君にすすめられて、白いソファに腰かけた。
「そうだ。記念に写真撮ろう」
タクヤ君が思いついたようにスマホを取り出し、顔を近づけ、また私とのツーショット写真を撮ってくれた。
「この写真も卯月ちゃんに送るからね」
「ありがとうございます」
「これでよしと」
スマホを操作し終わると、タクヤ君はなぜか嬉しそうに微笑んだ。
「卯月ちゃん、何か飲む?」
「さっき紅茶を頂いたので大丈夫です」
「そうだね。俺も紅茶でお腹たぷたぷ」
向かい側に座ったタクヤ君がお腹いっぱいというように自分のお腹をさする。
「じゃあ、本題に入ろうか」
「はい」
「あやちゃんの好きな人の話をする前に、聞いて欲しい話があるんだ」
色っぽく見つめたられた気がしてドキッとする。
まさか、今から口説かれるの?
寝室に行こうかとか言われちゃうの?
いや、いや、いくらなんでもその展開はないよね。
キラキラの芸能人が私みたいな地味な子を相手にする訳ないよ。それに私、胸だって大きくないし、色気も全然ないし、よく中学生と間違われるし。
「卯月ちゃん、聞いてる?」
「へ?」
いつの間にか目の前にタクヤ君の顔が!
鼻先がくっつきそうな距離にびっくりする。
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