17 / 179
守ってくれた人
《7》
しおりを挟む
雨宮課長の名前を出そうか。でも、色恋と結びつけられる。
「何?」
バッチリとアイメイクをした大きな目がこっちを向く。
桃子は綺麗な顔立ちをしている。本当、いつ見ても美人だな。
「いや、やっぱりいい」
「えー、その言い方気になる。奈々子、何かあったでしょ?」
「あり過ぎだってさっきから話してるじゃん」
「仕事の事じゃなくて。男のこと」
雨宮課長が浮かんだ。
「な、何もないよ」
「ちょっと間があったけど。そういえばさ、先週の金曜日どこにいたの? 私、電話したんだけどな」
桃子が電話をくれた時、映画館で泣いていた。
「心配したんだよ。宣伝部から外されるって耳に挟んだから」
「さすが人事部。情報早いね」
「阿久津部長がうちの小宮部長と話していたのを聞いたの。中島をどっかにやりたいって」
どっかにやりたいって酷い。私は荷物か?
「それで小宮部長が異動先を探したみたいで」
胸がムカムカする。阿久津の一声で簡単に私の処遇って決まるんだ。
阿久津。どんだけ権力持ってるんだよ。
「危うく奈々子、グループ会社の札幌営業所行きになる所だったよ」
えっ、グループ会社? 札幌営業所?
「それを食い止めたのが雨宮課長なんだけどね」
雨宮課長が!
「何?」
バッチリとアイメイクをした大きな目がこっちを向く。
桃子は綺麗な顔立ちをしている。本当、いつ見ても美人だな。
「いや、やっぱりいい」
「えー、その言い方気になる。奈々子、何かあったでしょ?」
「あり過ぎだってさっきから話してるじゃん」
「仕事の事じゃなくて。男のこと」
雨宮課長が浮かんだ。
「な、何もないよ」
「ちょっと間があったけど。そういえばさ、先週の金曜日どこにいたの? 私、電話したんだけどな」
桃子が電話をくれた時、映画館で泣いていた。
「心配したんだよ。宣伝部から外されるって耳に挟んだから」
「さすが人事部。情報早いね」
「阿久津部長がうちの小宮部長と話していたのを聞いたの。中島をどっかにやりたいって」
どっかにやりたいって酷い。私は荷物か?
「それで小宮部長が異動先を探したみたいで」
胸がムカムカする。阿久津の一声で簡単に私の処遇って決まるんだ。
阿久津。どんだけ権力持ってるんだよ。
「危うく奈々子、グループ会社の札幌営業所行きになる所だったよ」
えっ、グループ会社? 札幌営業所?
「それを食い止めたのが雨宮課長なんだけどね」
雨宮課長が!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
25
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる