テイマーと錬金術の職業で冒険したい!

青空鰹

文字の大きさ
60 / 101

武具屋ベルスに行こう!

しおりを挟む
 「う~ん…… 武具屋ベルスぅ~…………」

 唸り声を上げながらそう言っているカイリに対して、アンリーはキョトンとした顔でカイリの顔を見つめている。

 「そんな顔をしてどうしたのカイリちゃぁん。もしかして武具屋ベルスのことを知ってるのかしらぁ~♡」

 「知ってる。……って言うよりも、何処かで聞いたことがある気がして…………」

 カイリが思い出そうと思考回路を巡らせていると、プル太郎がカイリの肩をチョンチョンと突いた。

 「…ん? プル太郎、どうしたんだ?」

 カイリがそう聞くとプル太郎は伸ばしている触手を自分の方にさした。

 「え? ……プル太郎と武具屋ベルス。何か関係があんの?」

 プルンッ⁉︎

 プル太郎が「最初!」と言いたそうな震え方をすると、横にいたルルが思い出したかのような表情を見せる。

 「キャンッ⁉︎ キャンッ⁉︎」

 「門のおじさん? 大銀貨? 偽物のヤツ? ……ああっ⁉︎」

 思い出したぁ‼︎

 「そっか! 帝国で偽大銀貨を掴まされて、それを門の前で咎められてた人達のことかぁ~!」

 「あらぁ~、武具屋ベルスの人達と会ったことがあるのねぇ~♡」

 「はい!」

 「なら話は早いわねぇ~。アタシの方からカイリちゃぁんが装備を作って欲しいみたいだわぁ~。って話しておくからねぇ~♡」

 「えっ⁉︎ 流石にそこまでして貰うのはちょっとぉ~……」

 気が引けるというか、迷惑じゃないか? と言うか……。

 「カイリちゃぁん。アポイントはしておいた方が向こうにとっても準備しやすいの。だからアタシに任せてちょうだぁ~い♡」

 そう言ってウィンクするアンリーの姿にカイリは背筋が凍る思いをした。

 「まっ、まぁアンリーさんがそう言うのなら、アポをお願いしよう」

 これ以上遠慮したら心のダメージが増えていくかもしれないし。…ん? そういえば……。

 「アンリーさん。武具屋の話をする為だけにここに来たんじゃないんだよな?」

 「そうよぉ! カイリちゃぁんのギルドランクを1つ上げるって話をしに来たのよぉ~♡」

 「えっ⁉︎ 俺のギルドランクを? Eランクに?」

 「そのとお~り♡」

 やったぁ⁉︎ …じゃなくて! 待て待て待て待てぇいっ⁉︎

 「ランクって、そんな簡単に上げていいものなの? 試験はやらなくていいのか?」

 「Fランクは入りたての子。つまりアタシ達ギルド側からしてみるば、冒険者としてちゃんと雇用出来るかどうか見分ける為の期間件ランクってことよぉ~。だから、この人を冒険者ギルドに加入させても問題ないとわかればEランクに昇格させるのよぉ~♡」

 ああ~……企業で言うところで説明すると、この人を雇っても問題なく仕事をしてくれるか見分ける為の仮雇用期間って感じか。

 「因みにぃ~……試験自体はDランク昇格試験の時にやるわよぉ~。その時にまた声を掛けてあげるわねぇ~」

 「はぁ~い!」

 まぁ聞いてる限りじゃ昇格試験をすぐにやる訳じゃなさそうだから、気軽にクエストこなしていこう。

 「一応聞くけどぉ~、武具屋ベルスの場所知ってるのかしらぁ~♡」

 「場所までは知りません。ただ武具のことで困ったことがあれば訪ねて欲しいって言われました」

 「なるほどぉ~……場所はね。ここの近くのぉ…………」

 ……と言う訳で次の日の朝を迎えたので、武具屋ベルスに向かうことにした。

 「アンリーさんの話じゃ宿屋と同じ通りの2つ先って言ってたな」

 「~~~♪」

 「近くだったんだねぇ~」と言いたそうにしているファニーちゃん。

 「そうだなぁ~。この後すぐにEランクに昇格して貰ってから、外でキバネズミを狩ろうか」

 「キャンッ⁉︎」

 ルルが「うん!」と言いたそうな声を上げた。

 プルンッ⁉︎ プルンッ⁉︎

 プル太郎が、「あそこじゃない?」と言いたそうに頭の上で震えた。

 「あそこ? ……あっ⁉︎ 確かにあそこで間違いない!」

 看板にもちゃんと武具屋ベルスって書いてあるし!

 「よく見つけたな、プル太郎」

 プルンッ⁉︎

 プル太郎は「えっへん⁉︎」と言いたそうな感じで、頭の上で震えた。そしてその店へ近付き、ショーウィンドに飾られている武具をカイリ達は見つめる。

 「おお~……あの剣カッコイイ! そっちの防具も凄いなぁ~!」

 「キャンッ⁉︎」

 ルルは飾られている槍を見て、「カッコイイ!」と言いたそうに吠えた。

 「そうだな! でも俺達じゃ買えそうにないよなぁ~……」

 飾られているカッコイイ剣の値段……89万レザ。ルルが興味を持った槍の値段……94万レザ。そして最初に目に付いた飾られていた防具は一式セットで320万レザもする!
 カイリは「ここは車屋かっ⁉︎」と言いたくなりそうになっていたら、店の中にいるヒューマンの店員がカイリに気付き、驚いた表情を浮かべる。

 「あっ⁉︎ あの人は……」

 とカイリが言っている途中で慌てた様子で出て来たのだ!

 「カイリ様、お待ちしておりましたっ‼︎」

 ああ、そう言えば最初に会った時にいたな。この人。


 「どうもお久しぶりです。えっとぉ~……」

 「ベルスです! この武具屋の店長をしているベルスです!」

 あの時助けたのは店長だったのかぁっ⁉︎

 「あ、そうだったんですか。それで、ここに来た用なんですけどぉ
~……」

 「話はアンリー様からお伺いしております! 長話をここでするのもなんですから、どうぞお店の中へ入って下さい!」

 「えっ⁉︎ あ…はい」

 勢いに押される感じでお店の中へと案内された。

 「先ほども話をしましたが、昨日アンリー様から話を聞いております。何でも専用の道具をお作りしたいと言うことですよね?」

 「ええ、まぁ……どういった形ものなのか把握してます?」

 「いいえ。そこら辺のことは本人と話し合って欲しいと言われました。なのでどんなものを作って欲しいのか分かりません」

 ああ……なるほどね。話をややこしくさせない為に、あえてどんなものを作りたいのか話さなかったのか。

 「ええっとぉ~……俺が使う武器がちょっと特殊なんで、弾を収納する為の道具を作って貰いたいんですよ」

 「ほうほう…なるほど。カイリ様が使う武器はどんなのですか?」

 実物を見せた方がよさそうだなぁ~。

 カイリはそう思いながら腕輪になっているマジックリボルバーを武器化させるのと同時に、アイテムボックスから弾薬1つとスピードローダー付きの弾薬1つを取り出す。

 「このマジックリボルバー に使う弾薬を……ってあれ?」

 カイリがベルスの方に顔を向けると、口をあんぐり開けて驚いていた。

 「そ……装飾化武装! しかも見たことのない武器!」

 あっ⁉︎ これやっちゃったパターンか? でもまぁいっか。

 「あのベルスさん……このスピードローダーが入るベルトと単発の弾薬が入るベルトを作って欲しいんですが……出来ますか?」

 「え? あっ⁉︎ ……失礼しました。具体的には両方共腰に巻き付ける形でよろしいのでしょうか?」

 「ううん。単発で入れるベルトは肩掛けで作って欲しい。そんでスピードローダーの方は腰ベルトという形でお願いしたい」

 「なるほど、そういうことですかぁ~……」

 ベルスそう言うと紙とペンを取り出し、弾と紙を交互に見ながら絵を描き始めた。

 「すると、肩掛けの方はこのダンヤクと言うものの出っぱっている部分に引っ掛かるようにベルトにもう一枚編めば……それだと皮が伸びた時の調整が出来そうにないから、何処かで長さ調整出来る箇所を設けないといけませんね。
 腰ベルトの方はカイリ様の身体にフィットさせて、それでもって扱いやすい形を作らなければなりませんね。
 スピードローダーというものが、ポーチの中で暴れられると不快に思いになる筈ですから、余裕があり過ぎるのも問題になりそうな……」

 お…おうっ⁉︎ 何か凄いことになってるぞ!

 「カイリ様!」

 「はい! 何でしょうかぁ⁉︎」

 「あちらの方でサイズを測って下さい。もちろん女性が担当するので安心して下さい」

 「わ、分かりました」

 俺はベルスさんに言われるがまま、別室へと行くのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。 彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。 ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...