テイマーと錬金術の職業で冒険したい!

青空鰹

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ボロ儲け! …な筈だよな?

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 いつの間にかこっちに来たベルスさんと俺の接客をしていたマーヤが、欲しそうな顔をさせながらにじり寄って来る。

 「こ…こんなのが欲しいんですか?」

 「はい! 新品同様の製品なら売れますから!」

 「で…でもさ。これの性能がわからないじゃん」

 「大丈夫ですよ! 私は鑑定目Lv3があるので性能が一目でわかります!」

 鑑定目Lv3ってことは俺の半分ってことだよな。Lv3ってどれぐらいの性能なのか、教えて下さい! チュートリアル様ぁ⁉︎

 説明。
 鑑定目Lv3の場合は鑑定しているものの名前と装備品類のアイテムのステータス。及び説明です。
 そして同レベルの偽装スキルを看破ことが出来ます。

 3レベでも結構使えるなぁ~。……ん? じゃあ何でベルスさんはあの時に偽大銀貨を見分けることが出来なかったんだ?

 説明。
 門の前で見掛けた偽大銀貨には、Lv4の偽装魔法が掛けられていました。なのでベルスは看破することが出来ず、偽のステータスを信じて受け取ったと推測出来ます。

 ……ご丁寧にどうもチュートリアルさん。

 そんなことを思っていたら、ベルスさんが俺の側まで来て強化した剣をジロジロ見て来る。

 「ん~……やはりこれは新品同様と言うよりも、新品そのものですね」

 「店長、攻撃力は?」

 「…9です。名工が作った鉄の剣に近い能力を持っています」

 「名工が作った鉄の剣?」

 「はい! 名工の方々が作った鉄の剣になりますと、攻撃力が平均10ほどになりますよ!」

 同じ職人でも作る人によって性能が変わるのかぁ~……。って、そうだ! どれぐらいMPを消費したのか確認しないと。

 ステータス画面に目を向けて、MPの消費量を確認する。

 ……5。攻撃力をたった2上げる為にMPを5消費するなんて……いや、俺の場合はMPの最大値が低いから、MP5の消費が高いと感じているだけかもしれない。

 「カイリ様! 他の武器も同じようなこと出来ますかっ⁉︎」

 マーヤが中古品の側まで行っていて、期待の眼差しをカイリに向けていた。

 「すみませんが、今の俺のレベルじゃ全部出来ないです」

 「全部? どれほどの数までなら可能でしょうか?」

 「3本か4本。素材によってもMPの消費量が変わるから何とも言えないよ。
 場合によってはMP消費量が大き過ぎて錬成出来ないってこともあるかも」

 カイリがそう説明すると、ベルスとマーヤはお互いの顔を見つめる。

 「……なるほど。そういうことでしたら、気軽にお願いする訳にはいきませんね」

 ベルスがそう言ってマーヤに視線を移した。見つめられているマーヤは中古武器から手を離した。

 「ハァ~……これで処分の手間が楽になると思ったのにぃ……」

 やっぱり売れないと処分するんだね。

 「まぁ…まぁ詳しくは話せないんだけど、この強化も1つの道具に対して10回までしか出来ないから、考えながら強化しないとダメっぽいんですよね」

 「そうなのですかっ⁉︎」

 「そうです!」

 「キャンッ⁉︎」

 ……え? そんなことを話していいの? だって? これぐらいだったら大丈夫だと思うよ、ルル! てか思いたいっ‼︎

 「……わかりました。しかしこれは問題になりそうですね」

 「どうして?」

 「貴族の方や冒険者に知られたら、カイリ様のところにやって来て強化をお願いするかもしれません」

 「……なるほど。店長の仰る通りかもしれませんね。カイリ様が錬成出来ないようなアイテムを持ち込んで来て、“これを使って強化して欲しい!”なんて言われる可能性がありますね。
 カイリ様が無理! 出来ない! と言っても、そこを何とかぁ……。って言って来る人も居そうです」

 「理由を説明しても?」

 「はい。私が対応した人の中には無理な理由をちゃんと説明をしてるのに、本当は出来るんでしょ? みたいな感じで言って来る人がいましたよ!」

 …ん? マーヤさんがその時のことを思い出してるのか? 何か顔が怖いぞ。

 「ま…まぁ俺の能力については冒険者ギルドのアンリーさんとネマル商会のバルグさん。それに錬金術ギルドのサラさんが把握してますから、その人達と相談して下さい!」

 どうこう言うのも面倒くさいし、もう判断は丸投げしちゃった方がいい筈!

 「……そうですか。ではこの後ネマル商会にご相談するとしましょう」

 「そうして下さい!」

 納得してくれてよかった。

 プルンッ⁉︎

 プル太郎が「あ~あ……」と呆れたような感じで震えた。

 「プル太郎どうしたんだ?」

 ……プルンッ⁉︎

 プル太郎は「知らない」と言った感じでそっぽを向いてしまった。

 俺……プル太郎の機嫌を損ねるようなことしたっけ?

 「ところでそちらの強化された剣なのですが、500レザで買い取りましょう」

 「えっ⁉︎」

 「え?」

 ボロ剣を強化しただけで500レザだって!

 「やった! 買った時の10倍の値段だ! ボロ儲けじゃん! 売りますっ‼︎」

 「「えっ⁉︎」」

 カイリが喜びながら差し出しているのだけれども、ベルスとマーヤは絶句した表情を浮かべながらカイリを見つめている。

 「……あれ? 2人共どうしたんですか? 呆けたりして?」

 「~~~♪」

 ファニーちゃんも「大丈夫」と言いながら心配したような表情で、ベルスさん達の周りを飛んでいる。

 「どうしたんですか? じゃないですよ! カイリ様! そこに並んでいる剣を見て下さいよ!」

 「剣?」

 マーヤさんが商品棚に指をさして言うので、そちらに顔を向けて商品を見ていく。

 「へぇ~……ミスリル製って110万レザもするんですねぇ~!」

 「そこじゃないです! もっと左側の方っ‼︎」

 「左側? ん~……と。鉄の剣。1700レザ。隣のは1850レザ……もしかして、攻撃力によって分けてます?」

 「そうです! 1700レザよりも1850レザの方が攻撃力が……じゃなくてですねぇ⁉︎」

 じゃあ何なの、ベルスさん?

 「鉄の剣の相場が大体2000レザほどなんですよ! 攻撃力が10のものになれば、大体2500レザほどの値が付きます! カイリ様が作ったものは攻撃力9! これがどういうことなのかわかりますよね?」

 「新品なら2400レザほどで売れるもの」

 「そうです!」

 「でもこれ中古品ですよ。だから500レザでもおかしくないと思いますよ」

 以前古本屋にいらないマンガを売りに行ったら、二束三文ほどの値段だったし……。

 そんなことを思っていたら、ベルスさんが物凄い形相で顔の目の前まで近付いて来たので恐怖で顔が引き攣る。

 「いいですかカイリさん。さっきの500レザって言うのはアナタが人に騙されないのか試してみました。その点に付いては謝罪致しましょう。申し訳ありません」

 「は…はい!」

 「それで500レザと言うのは商人が冒険者や錬金術師に対してよく使う手で、“先ずはこの値段から。”と言う交渉の言葉です。
 だから“もう少し上げて貰えませんか? ” と言えば大抵適正価格買い取ってくれますよ」

 マジでっ⁉︎

 「一般の人でしたら、そんなことしたら可哀想なので、適正価格やや少なめで買い取りますよ。もちろん売り物の状態も確認致します」

 あ、商人も優しいところがあるんだねぇ~。てか、この状況でマーヤさんが話すか?

 「私のみたところでは新品同様で攻撃力9もあるので、1900レザで売れると予想しております。
 なので買取金額は900レザで買い取らせて頂きます!」

 「え? これは元々ボロッボロの剣で……」

 「い・ま・は・新品同様です‼︎ なので900レザで買い取らせて頂きます!」

 「あ……はい。わかりました」

 カイリはそう言うとベルスに強化した剣を渡した。剣を渡されたベルスの方は怒った表情のまま、お店の奥へと歩いて行ってしまった。

 「……やっぱり500レザの方が適正価格じゃない?」

 「まだ言いますか、カイリ様?」

 マーヤさんが「これ以上そう言うなら……」と言いたそうな顔で見つめて来るので、何も言わず従うことにした。
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