4 / 130
シオンの不安
しおりを挟む
車に乗って出発したのは良いが、リトアさんとリュークさんが不機嫌そうな顔で窓の外を向いたまま何も話さない。
ただただ重い空気のまま車が走る中、僕はダメ元で天野さんに依頼の詳細を聞いてみることにした。
「・・・・・・あ、天野さん」
天野さんはバックミラー越しに僕を見てくる。うん、バックしないに後ろを振り向くのは危ないからね。
「ん? どうした?」
「仕事の内容を教えて貰えませんか? 僕、なにも知らないんで」
これから仕事をするんだから、これぐらいのことなら教えてくれるよね?
「ん? ああ、俺も詳しいことは知らないんだ。なんせ昨日の夜にPMC協会から連絡が来て要点しか聞けなかったからな」
「そう、なんですか」
「まぁ、詳しいことは向こうのヤツらが説明してくれるみたいだからな。そんなに気にしなくてもいいんじゃないか?」
う~ん、天野さんがそう言うのなら気にしなくていいのかな? ダニエル教官もPMC協会の話なら信用しても大丈夫だよ。って言ってたし。
「ちょっと天野っ! 説明するのがめんどくさいから、そう言ってるでしょっ!!」
「そうだよ! 僕たちだって“明日仕事があるからな”って言ったきり、なにも話してくれないじゃないか!!」
「ああ~・・・・・・忘れてただけだ。だからそんなに怒るなって」
バックミラーから見える天野さんの顔が面倒くさいって語っている。もしかしてこの人は面倒くさがりやなのかな?
そんなことを思っていたら隣に座っているリュークさんが前の座席に顔を近づけながら話し出した。
「いやいやいやいや、情報共有は必要なことでしょ! PMC協会からきた任務の内容をちゃんと話してよ!」
「そうよ! いつもみたく“面倒くさいから説明は後”ってのは言わせないわよ! PMC協会から言われたことを私たちにちゃんと話しなさいっ!!」
二人が天野さんに怒り気味に言うと、天野さんは二人の態度にイラついたのか煙草一本取り出して火を付けて吸い始める。
「フゥ~・・・・・・昨日電話でPMC協会から連絡が来て、行方不明になったヤツらの捜索をして欲しいと言われた」
「それで?」
「俺がわかった。と答えたら“詳しい話は後日、羽田空港でしましょう”ってひとこと言われて一方的に切られた」
い、一方的に切られたって・・・・・・天野さん、PMC協会の依頼を安請け負いしてないよね? 大丈夫だよね?
「ハァー・・・・・・もういい。依頼内容を把握したわ。もしかして今回の仕事、シオンの為に受けたの?」
「ああそうだ。コイツの為に・・・・・・な」
僕の為に依頼を受けた。ってどういうこと? まさか、JOKERの入団試験の為にPMC協会の依頼を受けたの?
「まぁ、その・・・・・・なんだシオン。あまり深く考えずについて来ればいい」
「そうね。私たちの指示に従って欲しい。出来るだけ私の側にいてちょうだい。いいね?」
「え、あ・・・・・・はい」
リトアさんの側に出来るだけいて、指示に従えばいい。って、んんん? なんか引っかかるような言い方されてるようなぁ・・・・・・ないようなぁ・・・・・・う~ん。
そんなことを考えていたら港に着いてしまった。
うわぁ~・・・・・・海初めて見たよ。
初めて見た海の景色に見惚れていると、後ろから肩を叩かれてたので振り返って見てる。するとリュークさんがクスクスと笑っていた。
「海珍しいのかい?」
「はい。テレビでしか見たことなかったので」
お父さんは旅行とかに連れてってくれる人じゃなかったから、こうやって車に乗って遠出すること自体が僕にとってはワクワクする。
「そうなんだ。じゃあフェリーに乗るのも初めてかい?」
「フェリーに、乗る? 高速道路とか使わないんですか?」
とか言っている間に船着場まで来てフェリーに乗ろうとしている列に並んでしまった。
「ちょっ、おま! まさか東京危険区域周辺の高速道路がどうなっているのか知らないのか?」
「えっと・・・・・・危険な区間では警察と自衛隊が24時間体制でしているから安心して通れるんじゃないんですか?」
東京都がモンスターだらけになってから、すぐに高速道路と各駅の確保をしたから両方とも乗ろうと思えば乗れるってニュースとかで話してたし・・・・・・大丈夫な筈だよね?
「今の私たちみたいに武装しない限り、安心して通ることなんて出来ないわよ」
「え、えぇ~」
武装しないと東京の高速道路を通れないって、どう言うことなの?
「東京に住んでいるスラムの連中・・・・・・と言うよりもそこに住んでいるギャングとかが車を止めて金目の物を要求して来るぞ」
「場合によっては誘拐して身代金を請求してくるのよねぇ」
そんな悪質なことまでするのっ!?
「しかもその要求金額が100万とか200万とかだから、見てて笑っちゃいそうになるよ」
「えぇー・・・・・・」
なんで、命に関わることなのに笑っちゃいそうになるって、人として酷くない?
「シオン、捕まえて身代金を要求する連中はな。人質の家族に連絡してすぐに払う気がないと分かったら、金目の物だけを取って後は解放しちまうことの方が多いんだよ」
「えっ!? わざわざ人質にしたのにしちゃうのって・・・・・・何でですか?」
あ、いつのまにかフェリーの列に並んでる。ん? でも何でこっちは十台ぐらいしかないのに、向こうの方は数え切れないぐらい混んでるんだろう? まぁ、いっか。
「そうなんですか。でも身代金目的で捕まえといて、すぐに解放しちゃうんですか?」
「それはねぇ~。早めに人質を解放しないと自分が賞金首として追われる立場になるから、サッサと逃した後に東京危険区域で雲隠れしちゃうのよ」
「攫った人が賞金首になる?」
リトアさんが言ってる意味が分からない。
「一日二日ぐらいなら警察沙汰で動くけれども、一週間ぐらい誘拐が続いていると私達の方に仕事が人質救出任務として回って来るのよ」
「へぇー、そうなんですか」
あれ? でも警察でも救出部隊みたいなのいた筈だよね。何でPMCに頼むんだろう?
「何でPMCに頼むんだろう? って思ったでしょ?」
「は、はい!?」
何で分かったの?
「顔に出てたわよ」
「うっ!?」
「まぁそれはともかく、PMCに依頼する理由はね。警察は書類とか会議とか色んな手順を踏んで救出部隊を編成しなきゃいけないから時間が掛かってしまうの。それ故に時間が経てば経つほど容疑者が人質を殺害してしまう危険性と、人質が疲弊して重度の精神病になる危険性があるから依頼があればすぐに行動出来る私達に仕事が来るのよ。救出が成功するかしないかは、依頼を受けたPMC次第だけど」
「そうなんですか」
東京を歩いて物資を届けたり、モンスターを倒すだけがPMCのじゃない。ダニエル教官が言ってた意味が分かった気がする。
「後ね。警察も危険区域に警官を近づけたくないのよ。救出部隊の人がモンスターに襲われて死にました。なんて事になったら上の人達は責任を問われるから」
「な、なるほど」
「それと、私達PMCが人質救出作戦を受けたときは犯人達の生死を問われないからね・・・・・・もう言いたいこと分かるわよね?」
「・・・・・・はい」
危険を犯してまで、貰えるかどうか分からない大金を待つよりも、自分の命を優先的に取る。それが人の自然の思考。
「まぁ、依頼になるのは本当にごく僅かでな。滅多に起こらないし、ウチらに来ない仕事だから安心しろ」
「はぁ、そうですか。ん?」
運転席の窓からコンコンという音がしたので、そっちに顔を向けると銃を持った男の人が立っているではないか。
「天野さんですね」
「ああ」
「すみませんが皆様のPMCライセンスカードの提示をお願いします」
「分かった。シオン、ちゃんと持って来てるよな?」
「あ、はい!」
財布からPMCライセンスカードを出して見せると、何故か男の人は目を細めながらカードを見て来る。
「十五歳・・・・・・もしかしてPMCになったばかりですか?」
「あ、はい。今日が初めての任務です」
「うーん、なるほど。そういう事でしたか。世界には十五歳のPMCが存在してますが、恐らく日本でアナタだけでしょう。方にの狭いをすると思いますが頑張ってください」
「あ、ありがとうございます」
僕と同い年でPMCとして活動している人が居たなんて知らなかったよ。
「それと、もうすぐフェリーが入れるようになるので我々スタッフの指示に従ってくださいね」
「ああ、分かった」
「それでは、失礼しました」
その人はそう言うと、後ろの車の方に歩き出した。
「シオン、さっきの話の続きだがな。気づいていると思うがこっちはPMC専用のフェリー乗り場で向こうの列が一般用のフェリー乗り場だからだ」
「え?」
こっちがPMC専用のフェリー乗り場であっちが一般用のフェリー乗り場・・・・・・つまり別けてるってことだよね。
「何で一般乗り場とPMC専用で別けているんですか?」
「一般人を怖がらせないようにする為さ。PMCは気性が荒い人が多いって思ってるからね」
「後、PMC同士の喧嘩なら組織内で解決させられるけど、一般市民とPMCの間で喧嘩になった時に銃を引っこ抜いて撃ったら、大事になるからよ」
「こうやって別けてりゃ、緊急時の時とかに一般人の事を考えなくて済むから乗り降りがスムーズになるからでもあるからな」
あ、色々理由があるんですね。
「ん、そろそろだな」
『皆さま、お待たせしました! フタッフの指示に従って乗船してください! くれぐれも前の車とぶつからないように、車間距離を空けておいてください!』
メガホンを持った男性が歩きながら後ろの方へと行ってしまう。
「さて、勉強の時間もこれぐらいにしておくか・・・・・・それとリューク」
「ん、なに?」
「運転交代してくれ」
「エェッ!? ここで?」
「運転するの疲れたからな。悪いが変わってくれ」
フェリーに乗れば休憩できるんじゃないんですか? って言おうとしたそばから降りちゃった。
「全くもぉ・・・・・・そう言うんだったら初めから交代してた方が良かったんじゃないの?」
「まぁ、気分的に運転したかったからな」
気分的に運転したかったからな。ってことは飽きたんですかアナタは・・・・・・。
「はぁ・・・・・・分かったよ。僕が運転するよ」
そう言いながら渋々ドアを開けて運転席に移動するリュークさんを見て、僕は可哀想だなぁ。と思ってしまう。
オズマさんの紹介だから、きっと大丈夫だろう。と思っていたけどぉ・・・・・・なんか全然安心出来なくなってきたよぉ。どうしよう・・・・・・ダニエル教官、助けてぇ。
リュークさんがブツブツと文句を言う中で、シオンは無事に仕事を終えられるのか。不安にかられるしまうのであった。
ただただ重い空気のまま車が走る中、僕はダメ元で天野さんに依頼の詳細を聞いてみることにした。
「・・・・・・あ、天野さん」
天野さんはバックミラー越しに僕を見てくる。うん、バックしないに後ろを振り向くのは危ないからね。
「ん? どうした?」
「仕事の内容を教えて貰えませんか? 僕、なにも知らないんで」
これから仕事をするんだから、これぐらいのことなら教えてくれるよね?
「ん? ああ、俺も詳しいことは知らないんだ。なんせ昨日の夜にPMC協会から連絡が来て要点しか聞けなかったからな」
「そう、なんですか」
「まぁ、詳しいことは向こうのヤツらが説明してくれるみたいだからな。そんなに気にしなくてもいいんじゃないか?」
う~ん、天野さんがそう言うのなら気にしなくていいのかな? ダニエル教官もPMC協会の話なら信用しても大丈夫だよ。って言ってたし。
「ちょっと天野っ! 説明するのがめんどくさいから、そう言ってるでしょっ!!」
「そうだよ! 僕たちだって“明日仕事があるからな”って言ったきり、なにも話してくれないじゃないか!!」
「ああ~・・・・・・忘れてただけだ。だからそんなに怒るなって」
バックミラーから見える天野さんの顔が面倒くさいって語っている。もしかしてこの人は面倒くさがりやなのかな?
そんなことを思っていたら隣に座っているリュークさんが前の座席に顔を近づけながら話し出した。
「いやいやいやいや、情報共有は必要なことでしょ! PMC協会からきた任務の内容をちゃんと話してよ!」
「そうよ! いつもみたく“面倒くさいから説明は後”ってのは言わせないわよ! PMC協会から言われたことを私たちにちゃんと話しなさいっ!!」
二人が天野さんに怒り気味に言うと、天野さんは二人の態度にイラついたのか煙草一本取り出して火を付けて吸い始める。
「フゥ~・・・・・・昨日電話でPMC協会から連絡が来て、行方不明になったヤツらの捜索をして欲しいと言われた」
「それで?」
「俺がわかった。と答えたら“詳しい話は後日、羽田空港でしましょう”ってひとこと言われて一方的に切られた」
い、一方的に切られたって・・・・・・天野さん、PMC協会の依頼を安請け負いしてないよね? 大丈夫だよね?
「ハァー・・・・・・もういい。依頼内容を把握したわ。もしかして今回の仕事、シオンの為に受けたの?」
「ああそうだ。コイツの為に・・・・・・な」
僕の為に依頼を受けた。ってどういうこと? まさか、JOKERの入団試験の為にPMC協会の依頼を受けたの?
「まぁ、その・・・・・・なんだシオン。あまり深く考えずについて来ればいい」
「そうね。私たちの指示に従って欲しい。出来るだけ私の側にいてちょうだい。いいね?」
「え、あ・・・・・・はい」
リトアさんの側に出来るだけいて、指示に従えばいい。って、んんん? なんか引っかかるような言い方されてるようなぁ・・・・・・ないようなぁ・・・・・・う~ん。
そんなことを考えていたら港に着いてしまった。
うわぁ~・・・・・・海初めて見たよ。
初めて見た海の景色に見惚れていると、後ろから肩を叩かれてたので振り返って見てる。するとリュークさんがクスクスと笑っていた。
「海珍しいのかい?」
「はい。テレビでしか見たことなかったので」
お父さんは旅行とかに連れてってくれる人じゃなかったから、こうやって車に乗って遠出すること自体が僕にとってはワクワクする。
「そうなんだ。じゃあフェリーに乗るのも初めてかい?」
「フェリーに、乗る? 高速道路とか使わないんですか?」
とか言っている間に船着場まで来てフェリーに乗ろうとしている列に並んでしまった。
「ちょっ、おま! まさか東京危険区域周辺の高速道路がどうなっているのか知らないのか?」
「えっと・・・・・・危険な区間では警察と自衛隊が24時間体制でしているから安心して通れるんじゃないんですか?」
東京都がモンスターだらけになってから、すぐに高速道路と各駅の確保をしたから両方とも乗ろうと思えば乗れるってニュースとかで話してたし・・・・・・大丈夫な筈だよね?
「今の私たちみたいに武装しない限り、安心して通ることなんて出来ないわよ」
「え、えぇ~」
武装しないと東京の高速道路を通れないって、どう言うことなの?
「東京に住んでいるスラムの連中・・・・・・と言うよりもそこに住んでいるギャングとかが車を止めて金目の物を要求して来るぞ」
「場合によっては誘拐して身代金を請求してくるのよねぇ」
そんな悪質なことまでするのっ!?
「しかもその要求金額が100万とか200万とかだから、見てて笑っちゃいそうになるよ」
「えぇー・・・・・・」
なんで、命に関わることなのに笑っちゃいそうになるって、人として酷くない?
「シオン、捕まえて身代金を要求する連中はな。人質の家族に連絡してすぐに払う気がないと分かったら、金目の物だけを取って後は解放しちまうことの方が多いんだよ」
「えっ!? わざわざ人質にしたのにしちゃうのって・・・・・・何でですか?」
あ、いつのまにかフェリーの列に並んでる。ん? でも何でこっちは十台ぐらいしかないのに、向こうの方は数え切れないぐらい混んでるんだろう? まぁ、いっか。
「そうなんですか。でも身代金目的で捕まえといて、すぐに解放しちゃうんですか?」
「それはねぇ~。早めに人質を解放しないと自分が賞金首として追われる立場になるから、サッサと逃した後に東京危険区域で雲隠れしちゃうのよ」
「攫った人が賞金首になる?」
リトアさんが言ってる意味が分からない。
「一日二日ぐらいなら警察沙汰で動くけれども、一週間ぐらい誘拐が続いていると私達の方に仕事が人質救出任務として回って来るのよ」
「へぇー、そうなんですか」
あれ? でも警察でも救出部隊みたいなのいた筈だよね。何でPMCに頼むんだろう?
「何でPMCに頼むんだろう? って思ったでしょ?」
「は、はい!?」
何で分かったの?
「顔に出てたわよ」
「うっ!?」
「まぁそれはともかく、PMCに依頼する理由はね。警察は書類とか会議とか色んな手順を踏んで救出部隊を編成しなきゃいけないから時間が掛かってしまうの。それ故に時間が経てば経つほど容疑者が人質を殺害してしまう危険性と、人質が疲弊して重度の精神病になる危険性があるから依頼があればすぐに行動出来る私達に仕事が来るのよ。救出が成功するかしないかは、依頼を受けたPMC次第だけど」
「そうなんですか」
東京を歩いて物資を届けたり、モンスターを倒すだけがPMCのじゃない。ダニエル教官が言ってた意味が分かった気がする。
「後ね。警察も危険区域に警官を近づけたくないのよ。救出部隊の人がモンスターに襲われて死にました。なんて事になったら上の人達は責任を問われるから」
「な、なるほど」
「それと、私達PMCが人質救出作戦を受けたときは犯人達の生死を問われないからね・・・・・・もう言いたいこと分かるわよね?」
「・・・・・・はい」
危険を犯してまで、貰えるかどうか分からない大金を待つよりも、自分の命を優先的に取る。それが人の自然の思考。
「まぁ、依頼になるのは本当にごく僅かでな。滅多に起こらないし、ウチらに来ない仕事だから安心しろ」
「はぁ、そうですか。ん?」
運転席の窓からコンコンという音がしたので、そっちに顔を向けると銃を持った男の人が立っているではないか。
「天野さんですね」
「ああ」
「すみませんが皆様のPMCライセンスカードの提示をお願いします」
「分かった。シオン、ちゃんと持って来てるよな?」
「あ、はい!」
財布からPMCライセンスカードを出して見せると、何故か男の人は目を細めながらカードを見て来る。
「十五歳・・・・・・もしかしてPMCになったばかりですか?」
「あ、はい。今日が初めての任務です」
「うーん、なるほど。そういう事でしたか。世界には十五歳のPMCが存在してますが、恐らく日本でアナタだけでしょう。方にの狭いをすると思いますが頑張ってください」
「あ、ありがとうございます」
僕と同い年でPMCとして活動している人が居たなんて知らなかったよ。
「それと、もうすぐフェリーが入れるようになるので我々スタッフの指示に従ってくださいね」
「ああ、分かった」
「それでは、失礼しました」
その人はそう言うと、後ろの車の方に歩き出した。
「シオン、さっきの話の続きだがな。気づいていると思うがこっちはPMC専用のフェリー乗り場で向こうの列が一般用のフェリー乗り場だからだ」
「え?」
こっちがPMC専用のフェリー乗り場であっちが一般用のフェリー乗り場・・・・・・つまり別けてるってことだよね。
「何で一般乗り場とPMC専用で別けているんですか?」
「一般人を怖がらせないようにする為さ。PMCは気性が荒い人が多いって思ってるからね」
「後、PMC同士の喧嘩なら組織内で解決させられるけど、一般市民とPMCの間で喧嘩になった時に銃を引っこ抜いて撃ったら、大事になるからよ」
「こうやって別けてりゃ、緊急時の時とかに一般人の事を考えなくて済むから乗り降りがスムーズになるからでもあるからな」
あ、色々理由があるんですね。
「ん、そろそろだな」
『皆さま、お待たせしました! フタッフの指示に従って乗船してください! くれぐれも前の車とぶつからないように、車間距離を空けておいてください!』
メガホンを持った男性が歩きながら後ろの方へと行ってしまう。
「さて、勉強の時間もこれぐらいにしておくか・・・・・・それとリューク」
「ん、なに?」
「運転交代してくれ」
「エェッ!? ここで?」
「運転するの疲れたからな。悪いが変わってくれ」
フェリーに乗れば休憩できるんじゃないんですか? って言おうとしたそばから降りちゃった。
「全くもぉ・・・・・・そう言うんだったら初めから交代してた方が良かったんじゃないの?」
「まぁ、気分的に運転したかったからな」
気分的に運転したかったからな。ってことは飽きたんですかアナタは・・・・・・。
「はぁ・・・・・・分かったよ。僕が運転するよ」
そう言いながら渋々ドアを開けて運転席に移動するリュークさんを見て、僕は可哀想だなぁ。と思ってしまう。
オズマさんの紹介だから、きっと大丈夫だろう。と思っていたけどぉ・・・・・・なんか全然安心出来なくなってきたよぉ。どうしよう・・・・・・ダニエル教官、助けてぇ。
リュークさんがブツブツと文句を言う中で、シオンは無事に仕事を終えられるのか。不安にかられるしまうのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
二年間の花嫁
柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。
公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。
二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。
それでも構わなかった。
たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。
けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。
この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。
彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。
やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。
期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。
――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる