東京PMC’s

青空鰹

文字の大きさ
123 / 130

紫音と緊急の依頼

しおりを挟む
 下谷さんは出て行ってしまったが、舞ちゃんの方は残ってしまった。

 「下谷さんと一緒に行かなくて、よかったんスか?」

 「大丈夫です。私からお願いをして連れて来て貰っているので、これ以上迷惑を掛けられません」

 「そうなんだ・・・・・・ん?」

 「どうしたのシオン?」

 「スマホに電話が入って来たみたいです。ちょっと電話に出て来ますね」

 「あら、別に他のお客様はいないのだから、ここで電話をしてもいいわよぉ~」

 そう言うので、真理亜さんに頭を下げてから電話に出た。

 「もしもし?」

 「シオンくん。急で悪いのだけれども、新しい仕事が入ったの」

 「仕事? 一体どんな仕事ですか?」

 「手短かに話をすると、この間の密輸業者の隠れ家が判明したの。それで今すぐにそいつらを一気に畳み掛けたいから、今動けるメンバーを集めている訳なの」

 つまりそのメンバーに参加したって訳ですね。

 「コニーちゃんはそこにいるんでしょ? シオンくんの装備と車をお店に持って行くから、そこで待っていて!」

 「コニーさんも参加するんですか?」

 「本人が嫌って言っても連れて行って。 とサラに命令されたのよ。コニーちゃんの装備関しては、現地で引き渡すからって伝えておいてね。それじゃあ電話を切るわよ!」

コニーさんに拒否権は無いらしい。

 「あ、はい。わかりました!」

 そう言ってから電話を終えると、コニーさんの方を向く。

 「コニーさん、仕事が来たよ」

 「本当ですか? 仕事のナイヨウを教えて下さい」

 「例の人達の居場所が判明したから、捕まえに行くらしいんだ」

 その言葉を聞いたコニーさんは、引き締まった顔で僕を見つめて来る。

 「なるほど、わかりました。それでシオンは事務所へイッタン戻るのですか?」

 「リトアさん達がこっちに向かっていて、装備も持って来るみたい。コニーさんに関しては、現地で引き渡す予定」

 「SCARのゼロインをしておきたかったのですがぁ・・・・・・コンカイの場合は仕方ないですね。諦める事にします」

 ゼロインの方は事前にやっていたんだ。

 「それまではここでゆっくりしていられそうねぇ~。ところでマイちゃぁんはこの後どうする予定なのかしらぁ?」

 「私は、自宅の方へ帰ります」

 「そう、アナタとお話をしたかったのだけれども仕方ないわねぇ。またここに来た時の楽しみにしておきましょうかぁ」

 「あ、はい」

 舞ちゃんは引き気味に返事をした。

 「ところでシオン。まさかと思うけど、彼らは任務に来ないよね?」

 「彼ら? ってああ! 安心して、今回は来ない筈だよ」

 そう、コニーさんの言う彼らとは入浜警察予備校の人達の事だ。

 「そうですよ。私達はこの間の一件でしばらくの間は実銃を使った訓練をしないのと、実戦には出ないって方針になったので安心して下さい」

 「ああなったら、そうなるわよねぇ。一応言っておくけど、帰り道には気を付けなさいねぇ。“恐いおじさん達がアナタの事を見張っているから”」

 真理亜さんのその言葉に舞ちゃんとコニーさんは訳がわからない様子だったが、僕と真奈美さんは険しい顔をさせる。

 「何人ぐらいいそうですか?」

 「そうねぇ~。2人いるわよぉ~」

 「なるほど、2人ですね」

 そう言うと僕はポケットからスマホを取り出した。

 「シィくん、何をしているの?」

 「一応怪しい達っぽいから、警察の方に連絡をしておこうと思ってね」

 「ええ~っ!? 間違いだったら、その人達に迷惑が掛かるんじゃないの?」

 「まぁ間違いだったら間違いでした。って事になるっスから、連絡をして損はないっスよ」

 「・・・・・・そうかな?」

 舞ちゃんは外で待っている2人は、スクープを撮る為に張り込んでいる人達だと気付いていないみたいだ。

 「とりあえず警察が結果を教えてくれるまで、ここで待っていた方がいいよ」

 「そうよぉ~。シオンちゃぁんの言う通り、ここで待っていなさぁい」

 「あ・・・・・・はい。わかりました」

 舞ちゃんは真理亜さんに逆らえないと思ったのか、僕達に従ってくれた。その5分後に天野さん達がお店にやって来た。

 「紫音、コニー。行くぞ」

 「待ってましたよ!」

 「了解です!」

 「いいか2人共、今回こそは密輸業者達を押さえるぞ」

 「「はい!」」

 僕はそう返事をすると、タクティカルベストとホルスターとニーパット。それに籠手を受け取り装着する。

 「紫音ちゃぁんはプレートキャリアじゃないのね」

 「ああ、俺のお下がりを渡したからな」

 「ちゃんとしたのを買ってあげたらぁ?」

 真理亜さんがそう言うと、天野さんはムッとした顔で返事をする。

 「それは自分の給料から出して買うもんだ。俺から買ってやる事しねぇよ」

 「あらそう? 冷たいのねぇ」

 「冷たいも何も、あれ1つでいくらすると思ってるんだよ」

 その後も天野さんがぶつくさ何か言っている間に準備を整えた。

 「準備が整いました」

 「よし、それじゃあ行くぞ」

 素っ気なく店を出て行く天野さんに対して、僕とコニーさんは真理亜さん達の方に身体を向ける。

 「それじゃあ、行って来ます」

 「行ってキまぁす!」

 「行ってらっしゃぁ~い」

 「気を付けて下さいっス!」

 「頑張ってね。シィくん」

 その後天野さん達が待っているピックアップトラックの方へと向かうのであった。
 因みにリュークさんが僕のマスタングを運転していたらしく、運転交代する際も名残惜しそうにしていた。

 『紫音、ここで停まれ』

 車を走らせて20分。現場の近くにやって来たのか、路肩近くに車を寄せて停める。

 『この十字路を右に曲がった先で待ち合わせをしている。そこまで歩くぞ』

 『わかりました』

 そう返事をすると車から降りた後、周囲を警戒しながら集合場所へと向かう。

 「よう、遅くなってすまないな」

 「アマノか。ワシらもついさっき来たところじゃから、気にするな」

 「オズマさん!」

 「おお~シオンか。久しぶりじゃなぁ」

 久しぶりも何も、ついこの間真理亜さんのお店で会ったばかりの筈だよ。

 「これ、キミの装備だ」

 「ありがとうございます」

 あ、リガードさんも来ている。しかもコニーさんの装備を渡しているって事は、装備を預かったのはオズマさん達なのだろうか?

 「話は聞いてるぞ紫音。この前は大変だったみたいだな」

 「神崎さん」

 神崎さんはそう言うと、僕の肩に手を置いてくれた。

 「誘拐って訳じゃないから、彼の捜索は警察に任せればいい。それに未だに見つかって無いって事は、生きている可能性が大きいって事。だから彼の彼女にも諦めずに待っていろって伝えておけよ」

 「はい」

 流石元警察官だけあって説得力がある。

 「ところで向こうの様子はどうだ?」

 「ああ。他の連中からの連絡によると、廃墟の中で大人しくしているらしいんだ。しかも盗んだGT-Rも外に停めてあるみたいだ」

 「ふ~ん。警察の方は何て言ってるんだ?」

 「こっちの頃合いを見て動く。書類仕事の方は任せろ。だそうだ」

 つまり、今回の件はPMCに任せるから事実の隠蔽とかは任せて欲しい。って事らしい。

 「そうか。とにかくコニーの準備が出来次第、作戦を考えるか」

 「コニーは狙撃ね」

 「シオンくんは前線で戦って貰うよ」

 「はい」

 今回はコニーさんの援護じゃないんだ。と思いつつも、H&K UMP45にマガジン差し込み、 S&W M327 R8 のシリンダーに弾を入れる。

 「ミナさんお待たせしました!」

 「どうやらコニーの準備が出来たみたいだな。よし、作戦会議をするぞ。見張りの方は無線で参加してくれ」

 こうして、密輸業者の捕まえる為の作戦会議をするのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

二年間の花嫁

柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。 公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。 二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。 それでも構わなかった。 たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。 けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。 この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。 彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。 やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。 期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。 ――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...