高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。

青空鰹

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第8話 水族館に夢中な2人

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 姉さんは水族館の入り口前に車を停めたら、運転席からこっちを振り返って俺達を見つめる。

 「さぁ、着いたわよ」

 「ありがとう、姉さん」

 とりあえずセリアさんの方のシートベルトを取ってあげてから、自分のシートベルトを取って外へ出る。そして反対側の助手席に行き、セリアさんを車から降ろした。

 「そんじゃあ行って来る」

 「逸れないように気を付けなさい」

 「あ、ありがとうございました!」

 『またよろしくねぇ!』

 後部座席のドアを閉めたら、姉さんは車を出した。

 「いざ水族館へ」

 『出発ぅっ!』

 「おー・・・・・・」

 セリアさんがだけが、恥ずかしそうに答えていた。

 「とりあえず、逸れないように手を繋ごうか」

 「えっ!?」

 セリアさんに手を差し伸べると、オロオロさせながら手を重ねて来た。

 『ヒュー、ヒュー! お熱いねぇ~』

 リタ、からかわないでくれ。お前のせいでセリアさんも顔を真っ赤にさせているじゃないか。

 そう思いながらゲートへと向かう。

 「いらっしゃいませぇ! チケットのご確認してもよろしいでしょうか?」

 「あ、はい」

 そう返事をした後に鞄からチケットを取り出して従業員に手渡した。

 「・・・・・・確認致しました。そしたら、向こうの列にお並び下さい」

 「はい。行こう」

 「う、うん」

 セリアはそう返事をして、俺に付いて来る。

 「コウヤくん」

 「ん、何?」

 「あの緑色に光っているゲートは何?」

 「ああ、あれか」

 彼女が指をさしたのは、X線検査機と金属探知機だった。

 「危険物がないか検査する機械なんだ」

 「危険物がないか検査するキカイ?」

 「ああ、例えば刃物とかそういう危ない物を持ち込めないように検査する為の道具。まさかだけど、刃物とか武器を持って来てないよな?」

 「あ、うん・・・・・・大丈夫」

 目が泳いでいるけど大丈夫か? 警察沙汰にならないって信じていいよな?

 「ほ、本当に持って来てないから安心して!」

 真剣な顔付きで迫って来たので、タジタジになってしまった。

 「そ、そう。わかった」

 「次の方どうぞぉ!」

 自分達の順番が回って来たので、共に従業員のところへと行く。

 「このカゴの中に鞄を入れて、従業員さんに預けて」

 「あ、うん」

 俺の真似をするようにして鞄を従業員さんに預ける。

 「で、次にここを通れば検査は終わりだ」

 「え、たったこれだけなの?」

 「ああ、たったこれだけ」

 にわかに信じられないと言いたそうな顔をさせながら、俺の後にゲートを潜った。

 「はい、大丈夫です。お荷物お返しします」

 従業員さんから鞄を受け取り、ゲートから離れるがリタが何度も通って遊んでいる。

 仕方がない。

 「リタ、行こう」

 セリアさんに向かってそう言ったら、 えっ!? って顔でセリアさんが俺を見つめて来る。

 「コウヤくん、名前間違えてるよ」

 目線で 後ろ後ろ。 と伝えると納得した顔をした。

 「そ、そうだね! 行こうか!」

 『待ってぇ!』

 自分が呼ばれているのを理解したのか、リタが飛んで追い掛けて来た。

 『おお~っ!? 早速水槽を発見!』

 「あ、本当だぁ!」

 セリアさんとリタが目を輝かせて水槽に近づくが・・・・・・。

 「それアクアリウム用のやつだから、ここで楽しんでもなぁ~」

 小さい水槽の中にいるのは熱帯の海に住む魚で、2人は不思議そうに見つめている。

 「このウニョウニョと動く触手はなんでしょうか? モンスター?」

 「それはイソギンチャクっていう生き物なんだ。その触手には毒があるから触れないように教わるよ」

 「でも、このお魚は触手に触れているのに平気じゃん」

 「ああ、その魚はカクレクマノミって言って、その身に危険を感じたらイソギンチャク中に逃げるんだ」

 2人は へぇ~。 と言いながら感心していた。

 『この青色の魚不思議な形しているねぇ~』

 「あ、本当だ。不思議な形。それに青色魚なんて初めて見たぁ~」

 青い魚? ああ!

 「ナンヨウハギのことか」

 『コウヤ、詳しいね』

「いや、そこに魚の名前が書いてあるから、それを読んでいるだけ」

 「『えっ!?』」

 2人は驚いた顔をさせながら、俺が指をさしている場所を見る。

 「あ、水槽の中にいるお魚と同じ絵がある」

 『しかも説明文も書いてある!』

 ああそっか。リタは読み書き覚えたんだったな。

 「性格に似合わず頭がいいんだよなぁ~」

 『コウヤ、何か言った?』

 「何も言ってない」

 ボソボソ声で言えばよかった。

 「他にも見るところがあるから、移動しようか?」

 『はぁ~い!』

 「うん!」

 2人は返事すると、俺と一緒に水族館を進む。

 『ふぉおおおおおおっ!!? スゴイスゴイ!』

 「色んなお魚が、水槽の中で泳いでいるぅ!」

 移動する度に水槽にへばり付いて楽しんでを2人が繰り返して楽しんでいた。

 『コウヤ、このお魚おかしいよ』

 「ん? どの魚のことだ?」

 『お魚と思えない形をしているの!』

 お魚と思えない形? ああっ!

 「それはタツノオトシゴだ」

 「ああ、あったかい海に生息している魚で、海藻とかに擬態しているんだ」

 「へぇ~・・・・・・変な泳ぎ方ぁ~」

 まぁ、リタが言うように背中のヒレを使って進んでいるからな。独特っちゃ独特か。

 「コウヤくん、向こうの水槽にも変な魚のがいる!」

 『え、どんなの?』

 リタがその水槽に近づいて見てみると、 おおっ!? と言って感心していた。

「どれどれ? ああ、これか」

 「コウヤくん知ってるの?」

 「これはヒラメって言う魚なんだ。普段は砂の中に隠れていて、獲物の魚が頭上に近づくと一気に襲いかかって丸呑みにするんだ」

 『「丸呑み!?」』

 「ほら、こっちには砂地を表現したのがあるぞ」

 2人は俺が指をさした方向見ると、 あれ? と言いたそうな顔をしている。

 「この水槽、何も入ってないよ」

 『セリア、砂の表面にキョロキョロ動くのがあるよ』

 「え?」

 『ほら、あそこ』

 リタが指をさす方向を見つめて ギョッとした顔をさせた。

 「もしかして、これがヒラメ?」

 「うんそうだ。あれが砂に隠れているヒラメだ」

 「『スゴイッ!?』」

 本当に擬態するんだぁ! 気づかなかったぁ! と言って2人は感心している中、俺は珍しい魚を見つけた。

 「2人とも、スゴイ魚が展示してあるぞ!」

 「あの魚だ」

 「この、お魚が?」

 『珍しいお魚?』

 俺が指をさしたのはチョウザメだ。

 「まさかこの魚が展示してあるとは思いもしてなかった」

 『このゴツゴツした身体の何処が珍しいの?』

 「でも顔がちょっと可愛いね」

 そう言って鑑賞している2人に、フッフッフッ! と得意げに説明をしようとしたときだった。

 「その魚はチョウザメと言ってね。サメの仲間で生きた化石とも言われているのよ」

 「生きた化石?」

 「そうよ。ほら、この画像を見て」

 水族館に勤めていると思しき、お姉さんはタブレットを使ってチョウザメの化石に画像を観せた。

 「あ、この魚と似ている!」

 『ホント、似てる!』

 「スゴイでしょぉ~」

 ・・・・・・あれ? 俺の役目を取られちゃったよ。

 「しかし、レッドリストの魚がどうしてここに展示してあるのですか?」

 「レッドリストぉ?」

 「ああ、絶滅する可能性がある生物のことを差すんだ。緑、黄色、赤、黒の順番に部類されてるんだ。
 緑が安全圏で黒が絶滅した認定」

 まぁ、細かく説明するとオレンジとかあるけどさ。

 「つまり、この子はこの世界から消える可能性が高い確率があるってこと?」

 「その通り、だから今は人がそのチョウザメを絶滅しないように増やす活動をしているんだ」

 元々人間が乱獲したせいでこうなってしまったのだから、人間の手で何とかしなければいけないだろう。

 「それで先程の質問なんですが、ここのチョウザメは何処から連れて来たのですか?」

 「ああ、この子達は養殖場の方から分けて貰ったの」

 そういえば、日本でも養殖をしているところがあるってテレビで言っていたな。

 「そうなんですかぁ~」

 「あ、私デートの邪魔だったかしら。ゴメンね」

 「いえ、貴重なお話をして頂きまして、ありがとうございます」

 「デート、楽しんでね」

 従業員の女性はそう言って立ち去るが、洸夜はセリアが ハッ!? と我に返った顔をしていたことに気付いていなかったのだった。
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