高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。

青空鰹

文字の大きさ
82 / 111

帰宅するコウヤ達

しおりを挟む
 「今日はここまで。続きはまた来週にしましょう」

 「「あ、ありがとうございました・・・・・・」」

 トレーニングばかりしていた2人は、ヘトヘトな顔をさせながら由美子さんに頭を下げてお礼を言った。

 「2人共お疲れ。明日からは自主的に筋力トレーニングに励むようにな」

 『無理しない程度にねぇ』

 「そ、そうだねぇ~」

 「頑張るよぉ~」

 顔がゲッソリしているから説得力がない。

 「それじゃあ洸夜。彼女達をよろしくのぉ」

 「道端で倒れたら困るから、しっかり見守るのよ」

 まぁ魔力で補助しながら歩くと思うから、倒れる心配をしなくてもいいかもしれない。

  「はい。今日はありがとうございました」

 「「ありがとう・・・・・・ございました」」

 俺達はお礼を言うと道場を後にしたのだが、セリアとルノアが脚をプルプルと震わせているので心配で仕方がなくなる。

 産まれたての小鹿か?

 『セリア達、大丈夫かなぁ?』

 「うん、俺も心配で仕方がない」

 「わ、私達は大丈夫だよ」

 「そうよ。魔力で補助しているから平気・・・・・・」

 そう言っている割には全然平気そうな雰囲気を出していないんだが? しかも歩くペースが遅い。

 「父さんか母さんに迎えに来て貰おうかな?」

 「そ、そこまでしなくていいよ」

 彼女達の意地なのか、睨むような目で俺の顔を見つめて来たのでタジタジになってしまう。

 「そ、そうか。無理そうなら言ってくれよ」

 「「・・・・・・うん」」

 今ちょっとだけ悩まなかったか、コイツら?

 その後、何とか俺の自宅へと着いたら母さんが心配した顔で2人に駆け寄った。

 「2人共大丈夫? どんな修行をすればこんな風になるの?」

 「ランニングと筋トレをしたらこうなった」

 『うんうん』

 「・・・・・・え?」

 意味がわからないと言いたそうな顔をしている母さんに、道場であった事を話したら納得した様子になった。

 「2人共大変だったでしょ? あ、そうだ! ちょうどお風呂を沸いたから入って行かない?」

 「え、お風呂ですか」

 「そんな、悪いですよ・・・・・・」

 「いいのいいの! お風呂は誰が入っても減るもんないんだから、遠慮なく入っちゃって!」

 母さんはそう言うと、2人の背中を押してお風呂場へと連れて行った。

 『お風呂場にある物の使い方はセリアちゃんが知っているから、教えて貰ってね!』

 『は、はい!』

 『じゃあセリアちゃん、後はよろしくねぇ~』

 『あ、はい! わかりました!』

 母さんは脱衣所から戻って来ると俺の元へと来た。

 「ねぇねぇ洸夜。改めて聞くけど、2人の修行の様子はどうだった?」

 「日頃から運動をしていないせいか、トレーニングで一杯一杯って感じがする」

 事実、20回を3セットやる状態起こしの途中でバテていたぐらいだからなぁ。

 「そうなんだぁ~・・・・・・しばらくは筋トレをメインでやる感じなの?」

 「ああ、しばらくはそんな感じかな」

 筋トレをした後に気晴らし程度に剣と弓を教えるのルーティン。

 「洸夜のお師匠さんが言っていたけど、1日や2日で成果が出ないものだから、気長にやらないといけないのよね?」

 「うん、俺も辛い修行を続けて来た結果が今の強さだからな」

 それに声に出して言えないが、由美子さんは2人が遊び感覚で道場に来ていると思われている。だからこのまま勘違いさせたまま修行をさせるか、それとも事情を話して実戦に対応した修行を行なって貰うか悩みどころだ。

 「洸夜?」

 「どうしたの、そんなに悩んだ顔をして」

 「ん? ああ何でもない。とにかく、しばらくの間は筋力トレーニングが中心になると覚えていればいいから」

 そう言うとリビングへと向かい、2人が風呂場から出るのをテレビを観ながら待つことにした。

 『今日のニュースです。中国に逃げたと思われる 駄爆 無蔵 についてです』

 またこのニュースか。アイツはお金を取られて一文無しになっているから、今頃どうしているのか。

 『日本政府は駄爆 無蔵の足取りを調べる為、中国当局に連絡を取りましたが中国政府も調べてみるの一点のみで、未だにどうしているのか不明な状態とのことです。
 皆さん、このことをどう思いますか?』

 『う~ん、中国に被害が出た訳じゃないから無関心って感じがしますね』

 『確かにそうかもしれませんね。中国は調べると言ったのですか?』

 『はい、それに付いては先程申し上げた通り、中国当局でも調べてみるようです。
 どうやら駄爆容疑者は密入国の疑いを掛けられているみたいですから』

 『そうだよ。僕達が疑問に思っているところは、彼はどうやって中国へと逃げたのかだよ』

 ゲストで招かれた人がそう言うと、ニュースキャスターは資料を何枚か捲り探し出した。

 『専門家の方の会見では空港で向かうと足取りが付いてしまうので、恐らくは船で密入国したのではないのかと言うことです』

 うん、間違いではない。

 『船で密入国? と言うと自家用の船を持っていたってことですか?』

 『いいえ、もしかしたら誰かが駄爆の密入国を手助けしたのではないか? と言われています』

 『ハァ~、一体誰が彼に協力したのですかね?』

 『それに付いては現在調査中とのことです』

 高い金を払って中国マフィアの手引きして貰った。何て俺が言っても信じないだろうなぁ。

 『たった今こちらに来たニュースなのですが、その駄爆容疑者の息子の無乃が少年院から脱走をしたと来ました』

 『えっ!? 少年院を脱走だってぇ!?』

 『はい、3日前の夜遅くに少年院を脱走をしたと警察の方から発表がありました。
 現在その足取りを調査している模様です』

 『ええ~・・・・・・最後に目撃された場所って何処かわかる』

 『その場所については発表をしていないので、わかりません』

 駅で絡んだ893に拉致られてどっかに連れて行かれた(笑)

 『ハァ~・・・・・・親といい子といい、ロクな親子じゃないですね』

 『そうですね。テスト摺り替え事件で隠していたことが全て明るみになりましたね。その隠し通していました。こちらその資料です』

 虐めの隠ぺいにテストの点数操作。不正入学に脱税にその他諸々がスクリーンに映し出された。

 『これを見てると、今までよく隠し通せていたなぁ~。って僕は思いますよ』

 『無蔵容疑者の父親は地主でもあり政権にも顔が利く人だったようなので、その伝手を使って黙らせていた可能性があるみたいです』

 『ええ~、無蔵の父親はそんなにスゴイ人だったの?』

 『本人はもう亡くなって記録には載っていませんが、政治家との交流は多々あったそうです』

 へぇ~、ハゲ校長の親ってそうだったんだ。知らなかった。

 『早く捕まって欲しいものだね』

 『そうですね。一旦CMに入ります』

 ニュースキャスターがそう言った後、CMに入った。

 ハゲ校長は中国で一文無し、その息子の無乃は893に捕まって何処かに連れて行かれて・・・・・・。

 「ホント、あの2人は今どうしているんだ?」

 「コウヤに話を聞く限りだと、ロクな人生を歩んでいないと思うよ」

 うん、留置所や少年院にいた方がマシだと思う人生を歩んでいるのは間違いなさそうだ。

 そんなことを思っていたら、家に着く前の疲れ切った表情とは違い、サッパリとした表情で2人がリビングに入って来た。

 「上がったよ、コウヤくん!」

 「いやぁ~、お風呂まで貸して頂いて、何てお礼を申し上げたらいいのかぁ~」

 「気にしなくていいわよ。はい、アイスクリームをどうぞ」

 母さんはそう言いながら2人にアイスクリームを渡す。

 「え、何この白いの?」

 「あれ? 向こうにはアイスクリームがなかったっけ?」

 「こんな食べ物ないわよ」

 「あ、そうなんだ。リタやセリアが普通に食べていたから、てっきり向こうの世界にもあるんだと思った」

 水族館に行ったときに、2人が あれ食べたい。 と言って奢ったのが切っ掛けである。とか説明している間にルノアはアイスをスプーンで救い上げ、口の中へと頬張ると一瞬で目を見開いた。

 「冷たくて美味しい~!!」

 「喜んで貰えて何よりよ」

 セリアとルノアは美味しそうに食べ進める中、リタが物欲しそうな顔で見つめていたのは気付かなかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...