高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。

青空鰹

文字の大きさ
109 / 111

イレイラ様がやって来る!

しおりを挟む
 ノートを写し終えた俺達は、ルノアに借りたノートを返す。と言うよりも、気絶しているので、黙ってルノアの鞄に突っ込んだ。

 「さて、ノートも写し終えたし。何をするかぁ」

 「先ずはルノアを起こさないと、ダメじゃないの?」

 ああ、確かにそうだなぁ。って!

 「リタ。いつの間に帰って来たんだ?」

 「ついさっきだよ。それよりも、こっちに彼女が来たよ」

 「彼女?」

 彼女って、一体誰だ?

 「失礼するよコウヤくん」

 そう言って入って来たのは、何とイレイラ王女様だった。

 「えっ!?」

 どうしてここにいるんだ? 俺は向こうの世界に行ってないのに。

 そんなことを思っていると、リタが俺の耳元で話かけて来る。

 「ティアラ様達が、そろそろ帰った方がよさそう。 ってことで彼女を連れて来たの」

 ああ、女神様達の判断で連れて来たのか。しかし、何で今なんだ? まだ主犯格を捕まえられてないこの状態だぞ。

 「危険だから、戻って貰おうか」

 「う~ん。イレイラも これ以上迷惑を掛けられない。 って言っているの。もちろん私だって説得をしたよ。でも・・・・・・」

 「イレイラ? まさか、、こちらにイレイラ王女様がいらっしゃるのですか?」

 「「あっ!?」」

 マズイ、今の会話を聞かれたかも。

 「イレイラ? ここにいるの?」

 「いや、そのぉ~・・・・・・ねぇ?」

 「ここには、いませんよ」

 セリアがそう言ってフォローをしてくれるが、カーシャさんが疑いの眼差しを向けてくる。

 「リタ様が本人と話したようなことを、仰っていたような気がしますが。私の聞き間違いでしょうか?」

 「あ。そうですね」

 「本当にですか?」

 「ほ、本当ですから。顔を近付けないで下さい」

 つーか、目が怖い。

 「コウヤくん。もう私のことを匿わなくていい」

 「イレイラ様!」

 そう言って部屋に入って来るイレイラ王女様を、驚いた顔をして見つめているアンリネットさんに対して、カーシャさんは やっぱり。と言いたそうな顔で納得してようすを見せてる。

 「ご無事で何よりです。イレイラ王女様」

 「ああ、コウヤとオルコス家の者達が、私のことを匿ってくれていたからな」

 「・・・・・・そうですか」

 うわ。何で正直に言わなかったんですか? って顔で見つめて来てる。気まずい。

 「コウヤくんを責めないでやってくれ。匿って欲しいと2人に頼んだのは、私自身だからな」

 「しかし、我々に内密に教えて下さっても、よかったのではないでしょうか?」

 「そう思いたいのだが、何処で情報が流出するのかわからなかったからな。本当にすまなかった」

 「いいえ。アナタ様が謝ることはありませんよ」

 カーシャさんはそう言うと、部屋の隅へと移動した。

 「アンリネット。久しぶりだな」

 「久しぶり。ここで何をしてたの?」

 「普通にお世話なっていただけさ」

 「・・・・・・ホント?」

 嘘を言っているんじゃないの? と言いたそうな顔で、アンリネットはイレイラ王女様の顔を見つめる。

 「まぁ、コウヤくんにも世話になったのは事実だ。もしかしたら、お前よりも親しくしているかもな」

 イレイラ王女様はそう言うと、俺の腕に手を回して身体をピッタリ付けた。

 「ムゥッ!?」

 これにはアンリネット様も反応したらしく、すぐに立ち上がった。

 「そんなんだから、父親に困らせるんだ。淑女らしく我慢してみるんだ」

 「我慢してる」

 「反射的に立ち上がって怒る淑女は、お前しかいないぞ」

 「ムゥ~・・・・・・」

 痛いところを突かれた。と言いたそうな顔で席に座るが、俺としてはセリアの方が気になる。

 「そうですね。アナタ様の仰る通りですが、コウヤくんが困っているので離れて下さい」

 何だろう。セリアの言葉に棘を感じるのは、俺だけだろうか?

 「おっと失敬。すまないなコウヤくん」

 「いえ、俺は気にしていませんが、大丈夫なんですか? 出て来ても?」

 「ああ。アンリネット家は王族側の人間だから、大丈夫だろう」

 「そうですか」

 それなら何も言うことはないな。

 「コウヤくんがノートを写している間に、父上のところに手紙を出したから、恐らくもう少し経ったら、護衛が来るんじゃないか?」

 あ、そんなことまでしてたのか。それよりも。

 「今回は大丈夫なんですか?」

 「ああ、恐らくこの前よりも厳重な警備をしてくれると思うから、心配しなくていいだろう」

 本当にそうなのか?

 「そんなに心配だったら、コウヤがイレイラを送って行ってあげればいいじゃん」

 「それは名案だな。頼めるか?」

 「ああ~。それはぁ~・・・・・・」

 セリアとアンリネット様が、行っちゃダメと言いたそうな顔で見つめて来ている。
 そのようすに気付いたイレイラ王女様は、可笑しいのか口元を緩めた。

 「気が変わった。やはりここは、信用出来るコウヤくんに護衛の1人を頼もう。
 コウヤくんを父上に紹介したいしな」

 「父上に?」

 「紹介?」

 2人はその言葉を言った後、ぎこちない動きで俺の方を見つめて来る。

 「・・・・・・コウヤくん」

 「・・・・・・コウヤ」

 絶対に断ってくれ。って言いたいんですね。でも立場上言えないんだよな。

 「う~~~ん・・・・・・あれ? アタシ何で寝てるの? てか、あれ? 何でここにイレイラ王女様がここにいるの? 向こうの、ッ!?」

 ルノアはセリアの手によって、口を塞がれた。

 「ルノア!」

 ルノアは周りを見て、誰がこの場にいるのかを思い出したか、セリアの顔を見つめながら頷いた。

 危なかったぁ。俺自身もヒヤッとしたぞ。

 「向こう? やはりイレイラ王女様は、このお屋敷で匿われてた訳ではないのですね。一体どちらにいらっしゃられてたのですか?」

 カーシャさんのその言葉に、俺とセリア。それにリタにイレイラ王女様はジト目でルノアを見つめる。見つめられている本人は、申し訳なさそうな顔で俺達に頭をさせる。

 何とか誤魔化すしかなさそうだ。

 「この家とは別に買っている家で、匿っていたんですよ」

 「そうそう。俺達はイレイラ王女様のようすを気にして、ちょこちょこ行っていたんだよな?」

 「そうだね! そこで一緒に遊んだりしてたもんね!」

 「アタシも、最初案内されたときはビックリしてたわ!」

 おい元凶。もう少しまともに演技が出来ないのか?

 「イレイラ。本当?」

 「ああ、彼らにはお世話になったよ」

 「・・・・・・そう?」

 うっ!? まだ疑っているよ。

 「それよりも、キミ達に話しておかないといけないことがあるから、聞いてくれないか?」

 「あ、はい! わかりました!」

 必殺の話題逸らし。

 「改めて。キミ達本当にお世話になった。心から感謝をするよ」

 「いえいえ、とんでもないです」

 「そうですよ。我々は当然のことをしたまでですから、気にしないで下さい」

 「そう言ってくれると有り難いな。主犯格の方がようやくわかったようで、明日辺りに捕まえに行くそうなんだ」

 おお、それはよかった。って、ちょっと待ってくれ!

 「何で主犯格が捕まるって、知っているんですか?」

 ずっと俺の家に泊まっていた筈だし、何よりも手紙とかを渡されてもない。

 「オルコス家で預かっていた手紙を、読ませて貰ったんだ。ほら、これが父上の文だ」

 そう言って渡して来た手紙の内容を確認する。

 「セリア。王印は間違いない?」

 「うん。間違いなく帝王しか使えない印を使っているから、この手紙を本物だと思うよ」

 「王印はたった一つしかないし、使ったら使ったで重罪だから、偽物を作って使用する人先ずいないと思うわ」

 「そうか。それならいいけど」

 2人がそう言うのなら、この手紙は信じてよさそうだな。

 そう思っていると、マーガレットさんが部屋に入って来た。

 「イレイラ様。迎えの者がやって来ました」

 「うむ、そうか。今から向かう」

 「あ、俺も見送りに付いて行きます」

 「わ、私も!」

 「アタシも!」

 俺に便乗している気がするが、気にしないでおこう。

 「わかった。付いて来ていいぞ」

 こうしてイレイラ王女様と共に、護衛が待っている外へと向かうのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...