チートなお家と精霊とスローライフ!

青空鰹

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リィンのステータスに色々とツッコミどころあるんですけどっ!!?

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「契約するのは無理ですか」

「そうです無理です」

「なぜそう言えるのですか?」

「スティア様もご存知でしょう? アナタ様のような方であれば私を召喚するのは容易に出来るでしょう。ですが、この子のような子供の魔力で私を召喚が出来るわけがありませんよ!!」

「セラフィスト、アナタが言ってることは最もですね」

「でしょう? なので私は精霊界に帰らせていただきます。まったく、冗談もほどほどにしてください。いくら女神様でも怒りますよ」

えっと・・・・・話の流れからしてセラフィストと言う精霊さんはリィンと契約はしてくれないみたい。ちょっと残念だね。

「今後はこのようなお戯れはしないでください」

「セラフィスト、私はアナタに対して冗談で言ってるのではありませんよ」

「冗談で言ってるのではなく。この子と契約してほしいと本気で私に言ってるのですか?」

「はい! 本気でアナタに仰ってますよ」

「ハァー・・・・・・女神様が本気で子供と契約お願いしてくるなんて・・・・・・私は悪い夢を見ているのでしょうか?」

精霊さんが頭に手を当てて呆れながら言っちゃってるね。それが精霊契約の常識なんだろうね。

「女神である私がリィンちゃんの魔力量を把握してない状態で契約をお願いしてると思っているのですか? リィンちゃん」

「ん?」

「ステータスオープンと言ってみてください。そう言えばリィンちゃんの目の前に出てきますよ」

「うん、わかった!『ステータスオープン』!!」

元気よくそう言うと、目の前に半透明なスクリーンが現れる。

ーーーーーーーーーーーーー

ステータス

名前 リィン
年齢 0歳(偽装の為、特定人物以外の人には6歳と読めるようにしています)
種族 人族
性別 女性

現在の状態
呪い
洗脳

主職 錬金術LV1
副職 精霊使いLV1
契約した精霊の数0

体力 G
魔力 S
筋力 G
防御力 G
素早さ F
知力 C
精神力 G

スキル
調合時間短縮 S
調合成功率 G
精霊術 G(精霊と契約していないので使用不可)
鑑定眼 G

称号
女神スティアのとってもとーっても大切な妹
不老のロリっ子
カワイイ癒やし系泣き虫ちゃん
魂を持ったホムンクルス

ーーーーーーーーーーーーー

リィンのステータスに色々とツッコミどころがあるんですけどっ!!!?

「リィンちゃん、このGとかSの文字は自分の強さを表していてGが一番低くて」

「そんなことよりも、この称号はなんなのお姉ちゃん!!!?」

「称号?」

「うんうん!!」

頷きながら顔を縦にブンブン振って返事をするが、お姉ちゃんはリィンの必死な様子を楽しんでいるのかニコニコした顔をしながら説明し始めた。

「これはね。自分が成し遂げたことを対して与えられるものなの。例えばドラゴンを倒せば『ドラゴンスレイヤー』を与えられて悪い者から街を守れば『英雄』と言う称号を貰えるの。逆に悪いことばかりしていると罪人と言う称号を与えられちゃうから気をつけてくださいね」

「へぇー、そうなんだ! わかった!・・・・・・じゃなくって!!?」

「じゃなくって?」

「 この『女神スティアのとってもとーっても大切な妹』とか『不老のロリっ子』とか『カワイイ癒やし系泣き虫ちゃん』とか言う称号は一体なんなの?」

『魂を持ったホムンクルス』は理解出来るけど、他のは納得出来ないよ!!

「事実をそのまま書いているだけなので、気にしてはいけませんよリィンちゃん」

「気にするよ!!」

こんな称号持ってたら他の人にステータスを見せられないよ!!

「あのー・・・・・・」

「ん?」

「アナタはこちらの『呪い』と『洗脳』の方は気にしないんですか?」

「呪い? 洗脳? んんん?」

あれ? そんなの書いてあったっけ? と思いながらステータスを隅々まで見回すが、呪いとか洗脳とと言う文字がどこにも見当たらない。

「えーっと・・・・・・どこにも書いてないよ」

「えっ!? ここの現在の状態の欄に『呪い』『洗脳』とハッキリ表示してますよ」

「『普通』って書いてあるよ」

「えっ!? えぇー・・・・・・」

精霊さんは困惑した顔をしながらお姉ちゃんの見た瞬間、精霊はなぜか身体をビクッと動かした後に無言でお姉ちゃんと見つめ合う。

精霊とお姉ちゃんは見つめたまま動かなくなったよ。お姉ちゃんはニコニコしたまま手を当てたり困った顔をしたりしてるし、逆に精霊さんは時おり睨んだり呆れたりしたりしてるけど・・・・・・もしかして二人でお話をしてるの?

「・・・・・・ハァー、わかりました。リィン様と守護精霊として契約をします」

「ありがとうございます。セラフィスト」

「言っておきますがスティア様、アナタのお願いを聞いからリィン様と契約をするのではなくリィン様が心配なので契約をしているのですからね」

なんだか知らないけど精霊さんはリィンと契約してくれるみたい! やったね!!

「ありがとう、精霊さん!!」

「いいえ、礼には及びませんよ。自分に見合う相手と契約するのが精霊にとっての本懐ですから」

そうなんだ。ん? 自分に見合う相手との契約が精霊の本懐ってことはだよ・・・・・・リィンのことが気に入らなかったら契約しないで帰ってたのかな?

「さぁリィン様、私と契約をしましょう」

精霊さん手を差し伸べられたのでその手を握る。

「これでいいの?」

精霊さんの手がポカポカと暖かいね。なんだか心地いい暖かさだからこのまま握っていたい。

「あの、手を置けばいいのですが・・・・・・もしかして契約のやり方をご存知ないのですか?」

「うん!」

「リィンちゃんは契約するの初めてでしたね。契約のやり方を説明してあげますね」

お姉ちゃんはリィンを下ろすと精霊さんとリィンの間に立ちこっちを向く。

「先ず始めに互いの手を合わせればいいのです。それからお互い魔力を込めれば魔法陣が出てきます。そこまでやってみましょう。リィンちゃん」

「うん!」

手を握ってる状態から重ね合わせている状態に変えるが、魔力の込めかたわからない。

「ねぇ、お姉ちゃん」

「どうしました?」

「魔力ってどうやって込めればいいの?」

「え? ・・・・・・ああっ!!」

「そう言えばリィンちゃんは魔力の操作をしたことがなかったんですね。お姉ちゃんが優しく教えますね」

お姉ちゃんは手をリィンの頭に置くと撫で始める。

「いまは手に魔力を込めてないので、なにも感じませんよね」

「うん・・・・・・でもなんでリィンの頭を撫でてるの?」

「撫でたいから撫でてるんです」

「ふぇっ!?」

「リィンちゃんはとってもとーっても可愛いので触れたら撫でたくなるのですよ。ナデナデ~」

「ファ~・・・・・・」

頭から首まで撫でてくるので気持ちよくて眠たくなってくる。

「あの・・・・・・契約をしたいのですが」

「あ! そうだったわ。時間も惜しいので、えい!」

「ニャァァァアアアアアアアアアッ!!?」

お姉ちゃんが掛け声をかけるとリィンの身体中に暖かいなにかが駆け巡る感覚に襲われる。

「魔法陣が出ましたね。さあリィンちゃん、その勢いで契約をするのです!」

「わ、『私セラフィストはリィン様と精霊王の名の下に無条件で契約をすることを誓います』大丈夫ですか?」

未だに「ニャニャニャニャニャ、ニャァァァアアアアアアアアアッ!!?」と叫びながら身体を震わせてるリィンを精霊さんは心配した様子で見て言うが、リィンは「無理! いますぐ止めて欲しい!!」と言いたいんだけどもなぜか言えないのだ。

「大丈夫ですよ。はいリィンちゃんも言いましょう」

「り、りりりり『リィンはセラフィストさんと精霊王の名の下に無条件で契約することを誓います』ぅぅぅううううううううう!!? アババババババッ!!!?」

ダメェェェエエエエエエ!!? 意識が・・・・・・リィンの意識が飛んじゃうよぉぉぉおおおおおおっ!!!?

「・・・・・・契約成功です! だからリィン様に魔力を送り込むのを止めてあげてください!!」

「そうですね。はい!」

女神様が手を離すとリィンはヘナヘナと力なくその場に座り込んでしまう。

「フェ、フェーーーン!! ・・・・・・グスッ!?」

泣きながら目を擦ってるリィンの頭を誰かが撫でてくる。

「よしよし、よく頑張りましたねリィン様。しかしスティア様、これはやり過ぎですよ」

「うーん、リィンちゃんなら私の魔力を流しても大丈夫と知ってたのでやったのですが、さすがにやり過ぎましたね」

「そうですやり過ぎです。今度から気をつけてください」

「ごめんなさいリィンちゃん」

「・・・・・・もう、あんなことしない?」

リィンは涙目で睨みながら言うが、お姉ちゃんは笑顔のまま表情を変えてないので悪気があるのかないのか分からない。

「はい、もうしませんよ」

「ウゥ~~~・・・・・・リィン、お姉ちゃんのことを許してあげる、グスッ!?」

ニコニコして言ってるから本当かどうか判別出来ないよぉ。

「さて、契約も済んだことなのでお家の案内の続きをしましょうか!」

「・・・・・・うん、ん?」

「リィン様、どうかしました?」

「足に、足に力が入らないよ! ンニューッ!!」

精霊さんの手を取り自分の身体を腕の力で引き上げるように立とうするが、いくらやっても足に力が入らないどころか腕の力で身体を持ち上げられないまま立つことが出来ないのだ。

「あらら、私がリィンちゃんの魔力を無理やり操作した反動で身体に力が入らなくなってしまったのですね。時間が経てば治るので大丈夫ですよ」

「本当なの?」

「本当ですよ。お姉ちゃんはウソをつきませんから安心してください」

お姉ちゃんが胸を張って言うが隣にいる精霊さんはジト目でお姉ちゃんを見つめていた。

「そうなんだ。それなら安心だけど・・・・・・」

「けど?」

「歩けないからお家の案内について行けないよぉ」

いまも立とうと頑張っているが疲れるだけで全く立てないのだ。

「それでしたら私がリィン様を抱きかかえて行けばよろしいかと思いますが、いかがいたしましょう?」

「精霊さんいいの?」

「はい、我が主人あるじリィン様の為ですから。あと私とリィン様は契約をしたので私のことは精霊さんではなくセラとお呼びください」

「うん・・・・・・わかったよセラ」

「ご理解して頂きありがとうございます」

ちょっと恥ずかしい気がするけど仕方ないよね。

「セラ、リィンのことを抱っこして」

「はい、リィン様」

セラはそう言うとリィンの両脇に手を差し込んだ瞬間に「ザ・◯ールド!!」と言う声が聞こえてきて、一瞬でセラの顔がお姉ちゃんの顔に変わったのだ。

「え? え? ・・・・・・えぇっ!?」

「あらあら、どうしたんですかリィンちゃん?」

どうしたもこうしたもないよ!? セラの顔を見つめていたらお姉ちゃんの顔に切り替わったんだもん! 一体なにがどうしてこうなったの? しかもリィン、お姉ちゃんに抱っこされてるし!!

「イヤじゃないけど」

「けど?」

「セラ、抱っこの邪魔されて怒ってない?」

「・・・・・・私は気にしていませんので大丈夫ですよ。リィン様」

うわぁー・・・・・・平然な顔してるけど怒ってる雰囲気をかもし出してるよ。

「うんうん、セラフィストも気にしていないって言ってるのでお家の案内の続きをしましょうか」

本当に大丈夫なのかな? と思うリィンを余所にお姉ちゃんは歩き出したのだった。
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