無気力少女と架空都市の闇

とと

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招待

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 月曜の朝。やかましいアラームで目を覚ます。絶対に起きられるが、あまりにやかましすぎて、毎朝心臓が止まりかけるのが玉に瑕だ。

「香織、今日も早いわね?」
制服に着替え、リビングで紅茶を飲んでいた私にキッチンから母が微笑みかける。
「まあね。」
短く答え、私はテレビの方に視線をそらした。
今日は曇りらしい。
「じゃあ、いってきます。」
「ちょっと、朝ごはんは?」
「いま食べる気起こんないから購買で買うよ。」
「そう…たまにはちゃんと食べるのよ?」
「ん」
適当に受け答えをし、マフラーを巻いて家を出た。

 私、東海林しょうじ 香織かおりは無気力だ。基本的に人とのやりとりが面倒臭い、無気力人間。生きる気力も無いなら、いっそ学校も休みたいが、休むための連絡の方が面倒臭いので結局登校する。
今日もぼーっとしてたら勝手に時は流れるだろう…無気力ながらにそう考えていた。

 で、実際ぼーっとして、気付けば昼休み。一応なんとなくの友達グループでお弁当を食べる時間だ。
「ごめんみんな、私またパン買ってくるわ。」
そう声をかけて、私はいつものように購買に一人向かおうと立ち上がった。
「香織、今日あたしもお弁当ないの、一緒に買いに行こ?」
ゆかりだった。うちのグループで一番明朗快活な子。
「いいよ、珍しいね。」
 そのまま廊下を一緒に歩き、心の中を空っぽにして、なんとなくで会話する。無駄にエネルギーを消費しないための、私の特技だった。
でも、なぜか、その瞬間だけは会話に意識が戻った。
「ね、香織。『エアウォー』って知ってる?」
「え、えあおー?」
「エアウォーだよ。エアリアルシティ・ウォー、略してエアウォーってゲーム。知らないんだね?」
「うん、どういうゲームなの?」
少しだけそのゲームには興味がわいた。元々ゲームは嫌いじゃない。
「今流行りのVRってやつ?でね、自分の近くに住んでる人達とマッチングして、架空の街でバトルができるの!」
「へぇ、それはすごいね。」
「でしょ?スマホでアプリを落として、VR機器を無線で接続するだけだから設定も面倒じゃないしお手軽だよ!」
「う、うん…。」
気圧される。この子はゲーム会社の回し者かなにかか?。
「それに、今ならアンケートに答えるだけで、そのゴーグル型VR機器が五百円、送料無料で買えるの!破格だよ!どう?やってみない?」
これは完全にTVショッピングかなにかの話術だ。
「へ、へえ…。また帰ったら調べてみるよ。」
「メッセージでアンケートのリンク送っとくね!」

 嵐のような会話が終わり、一息つく。購買で買ったサンドウィッチとカフェオレを見つめ、とりあえずアンケートくらいはしてやるか、と考えた。
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