貧乏なアメリカ人家族が大阪のお金持ちと急に友達!?『サウスダコタ州から大阪へ引っ越し〜Wayside』大正時代のライトノベル

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第4話 食事

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「では、来週から宜しくお願いいたします。」高原氏がフォースターズ氏の方へうなづいた。

食事中で相談した結果、毎週火曜日から金曜日まで、週4回、フォースターズ氏が美笑子に教えていただくことになりました。

二人とものくだらないおしゃべりに混じって、食器がカランカランと食卓の上に軽く響いた。

「フォースターズ先生の指導を5ヶ月だけ受けてみたら、もう、やはり前の女性は全然ダメだった。」

父親の言葉を聞いたら、美笑子は睨みをできるだけに控えた。

「うーん。記憶が正しければ、オハロランさんはいつも…なんという…」
フォスターズ氏は天井に向かって目を丸くし、手でグラスを回した。
「まあ、聞いたのは、彼女のレッスンにはいつも不要なアメリカらしさを勝手に入れました。」
眉をひそめ、笑いながら一口飲んでから続けた。
「始めて会った時、有望な若い先生だと思いましたが…」

「女性の先生だからこそ、美笑子が礼儀正しく、優しく英語を話せるようになるはずだと勝手に期待しましたが。」
高原氏は娘の方へ手を上げた。
「しかし、あの女性のなまりを聞いたら、自分の勘違いがすぐに判明しました。」

父親の悪口を無視しようとしながら、美笑子がお皿にあった野菜の塊を見た。
アメリカらしさ?オハロラン先生の"アメリカらしさ "のほうがフォースターズ氏のくだらない訓練より、まるで天国だった!

美笑子は小指で膝をたたいた。

司馬は多分毎日、毎分、「アメリカらしさ」に溢れていた。
あの「不要なアメリカらしさ」のおかげで、おそらく彼の英語が以前よりももっと上手になっただろう!
冒険や活躍を語った、毎月ニューヨークから届いて来た100万ページもあった小説のような手紙が証だ!

父親の声がまたテーブルの向こうまで響いた。
「最初にやるべきなのは、カナダ人女性について尋ねることでした。アメリカの女性よりあまりうるさくて活発ではないと聞いているが、どう?」

「まあ、高原さん、せっかく僕が娘さんの先生になったばかりなので、異性の教師をほめるのはちょっとー」
男性二人とも笑いながら、美笑子は自分の食べ物をフォークで動かした。
「同じ国境なのに、アメリカには2回しか行ったことがない。また、方言は地方によって違います。」

サーモンを刺しながらフォスターズ氏の視線は美笑子と高原氏の間を飛び交った。
「でも、バンクーバーでオハロランさんのなまりは一回も聞いたことない。カナダの女性はもちろんその喋り方はしないです。」
フォークを手に振りながら議論を続けた。
「確かに北の方のメリット:恐ろしい女より、恐ろしい天気だ!」
また高原氏と大きな声で笑い出した。

しろくまがあんたを食べに来るならそれもカナダのメリットと言える!

フォースターズ氏の声がまた美笑子の耳にお邪魔した。「アメリカといえば、高原さんの同僚がもうそろそろ戻るんですかね?」

高原氏は頷いた。「俺の子ではないけど、あいつに渡したお金でもう息子と言える間違いはない。」

父親のひどい言い方を聞いて、美笑子は自分の嘲笑を抑えた。

あんたがあげたお金?いや、むしろ、司馬がお父さんのために稼いだお金だ。

彼がいない時、父親が司馬を侮辱することに美笑子は耐えられなかった。

高原氏はテーブルの向こうの娘を見ながら、続けた。
「あそこで学んだことや体験したことを生かして、会社を継いでくれたらと思っている。」

「行ったことはありませんが、ニューヨークは確かに金融界の街です。あとは、」フォスターズ氏はハッと一息をし、ナプキンを唇に当てた。「他のことも。」

美笑子の目がピカピカと輝いた。他のことって?司馬はきっと、報告すべき全てのこと、もうすでに手紙で伝えたでしょう!

これ以上フォースターズ氏の自尊心を刺激しないように、好奇心を隠そうとしたが、美笑子はもう我慢できなかった。

「どんなことですか?」

フォスターズ氏は、その晩初めて美笑子の存在が本当に認められたかのように、彼女の方に顔を向けた。

「うん。」 両手をあごの下で組んで、高原氏は娘と同じように興味深かった。「司馬が手紙に何かを隠しているような気がしていたが、その予感は正しかったようだ。」

「犯罪。犯罪はどこでもあるそうだ。」高慢な笑いがフォスターズ氏の唇から逃げた。「地域によっては完全に戦争状態だそうだ。」

フォークを握る力が強まり、美笑子はフォスターズ氏の文句を聴き続けるに苦労した。顔をひっぱたきたい衝動に駆られた。

だそうた。チェ、一体誰がその言い方を考え出したの?
自分の知らないことを止まらなくしゃべるのは失礼だそう~だ。

「笑い事ではないですよ、美笑子。」フォスターズ氏は、美笑子の固い笑み付きの顔へ指を振った。
「禁酒法とが立法されてからは、あの街、いや、あの国は、犯罪者たちによってコントロールされている。」

フォースターズ氏と接客する毎回にこの時間になると、高原氏は粛々とうなずきながらグラスに注がれた酒を飲み干すのがもちろんだった。

「ヤクザの存在、あるはあるが、彼らは罪のない人たちの命を危険にさらしたりしていない。アメリカのマフィアの不良たちは....まあ、一ごとでいうと、ウィルソン大統領が本当に支援者が信じるほど半分でも頭があれば、こんな馬鹿な法律は考えもしなかっただろう。」

美笑子は首をかしげた。ウィルソン?
「誰?」

父親の声がよりも大きく響いたら彼女が諦めた。

「うーん。司馬に会えたら、この......興味深い状況について、もっと聞いてみます。」

フォスターズ氏の暴言をタイミングよく断ち切った父親に感謝していたが、彼の言葉の選び方には何か違和感があった。

会えたらって?司馬が下船したら、もちろんまず最初にすることは大阪に戻って2人に会うことだった…美笑子はそう思ったが…

美笑子は、駅で司馬に会って驚かそうと父親が提案してくれることを期待していたが、この時点ではその可能性は低かった。

「彼は明日私たちに会いに来るわ。」淡々とした口調に、いつもの美笑子と全然違うだった。「会わない理由はないでしょう?彼に会いたい。」

「美笑子、彼は疲れているに違いない。正直でいうと、電車がいつ来るのかわからない。決まったスケジュールも司馬から来なかったし。」高原氏は肩をすくめた。「明日、明後日かもしれないし、明々後日にもなる可能性もある。」

美笑子はただその場に座り込み、父親のあっけらかんとした態度に対して苦しめた。

彼はまだ、気にしていない。

司馬が今まで3年間不在でしたが、父親一度も寂しそうなそぶりを見せなかった。

美笑子が毎晩ベッドに横たわり、司馬の手紙に書かれた冒険を思い出している逆に、父親は手紙に目を通そうともしなかった。

読んだら、寂しくなる。でも、司馬が帰ってきたら、お父さんはきっと喜ぶだろう。

それが彼女の最初の考えだった。
確かに、勘違いに違いない!

「どうしてわからないの?」その言葉が舌をついた瞬間、美笑子はその言葉を後悔した。


「どうしてわからない。」
高原氏は、まるで時代を超えた謎かけのように、その言葉を繰り返した。

彼の声がダイニングルームの中に響きわたって、美笑子の指と腕がピリピリした。

フォスターズ氏は珍しいことに口を閉じていたまま、高原氏の言い返しを期待した。

「司馬に関しては、1つだけ恋しいところがある。」
高原氏の一言一言に、美笑子の中にあった自信と確信が、どんどん胃の中に落ちていった。

「今が思い出話をするいい機会かもしれない。」

キンキン。キンキン。

普段は娘以外の人の前に見せることではない癖だったが、高原氏はナイフを磁器の皿に当てた。

キンキン。

「司馬は、自分の話をいつやめるべきか、よくわかりました。」

キンキン。

「戻ったら、彼は君に口の閉め方を教えるだろう。」

父親が皿を叩いているのを見、絶え間なく鳴り続ける音を聞き、フォスター氏の目が彼女に釘付けになり、向こうから何らかの反応を待っているのを知ると......。

美笑子は気が狂いそうになった。頭を下げた。
「はい、お父様。」
目の奥と喉が焼けるような痛みを無視し、彼女はテーブルクロスの柄を見ながら、短く、しかし聞き取りやすい返事をした。

フォスターズ氏がついに話を言い出したら彼女は後ほど宇宙にきちんとお礼を言おうと心に誓った。
「まぁ、ごめんけど、奥さんが寝る前に家に帰らないといけないって約束しちゃったんだ。」

半分食べかけの魚がフォスターズ氏の皿に無残に横たわっていて、申し訳ない言い訳だったが、美笑子も父親も、そんなことは気にも留めなかった。
「彼女はいつも、私が彼女なしでいかに楽しみすぎているかということを言いふらしている。」

唇をナプキンで拭いながら、彼は椅子から立ち上がり始めた。

ネクタイと襟を手で摘まみながら、彼は高原氏にニヤリと笑った。
「奥さんなしでここはいつでも平和で静かで、誰にも邪魔されないというのはいいものでしょうね。」

ナイフを指に挟んだまま、高原氏は動かなかった。娘を見る勇気もなかった。

「うん。」高原氏は口を閉じてテーブルから立ち上がり、勇気を持って美恵子を盗み見た。

「Goodnight, Mister Fosters.」

娘の単調な声を聞いて、彼の胸は重くなった。

「おやすみ、美笑子。発音はほぼ完璧になった!今度会ったら、もっと練習しましょう。」
フォスターズ氏と父親が廊下に向かうのを見て、彼女は腸が煮えくり返った。

病気が…

声がやわらかくなり、足音も小さくなるにつれ、美笑子は肩の痛みにうずくまった。

きっとフォスターズ氏がいなくなれば、美笑子は喜び勇んで寝室に戻り、深い眠りにつくはずだったが…

その代わり、彼女はそのまま椅子に座り、父親を待っていた。

戻ったら、高原氏が廊下の入り口に立ち、2人組のメイドに夜の片づけをするよう指示していた。

美笑子の口が乾いた。

また始まった。
彼は、どうしてこうなのか?

今部屋に回っているお手伝い達を無視しようとして、美笑子の身体は前に突っ張り、両手はスカートの冷たい布を掴んだ。

「お父様っ」

「疲れた。」高原氏は背を向けた。 「司馬のことなら、朝まで待てるよ。」

「司馬のことじゃなくて、お母っ。」

「寝なさい。」

その噛みしめるような声に、高原氏自身も驚いた。彼は娘の方を振り返ることを避けた。

彼は自分の部屋に向かった。
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