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第6話 シスターになったら?ページ1

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「これって最悪。」

歩行者の足音に恵まれ、公園のベンチからかすかなつぶやきがルーシーの口から響いた。

「道、分からない。」

汗だらけの頭から麦わら帽子を脱いだ。

靴紐を再結ぼうと手を伸ばしたルーシーは、人ごみの中で助けてくれそうな人を探した。

それは簡単なこと!はずだった。

今までの人生なら、どんな人にでも声をかけて道を尋ねるのはもちろんだったが、ここでは.....

ここは地元じゃない。

靴紐を下ろし、汗ばんだ手のひらを顎の下に当てた。

ルーシーは自分の緊張感を飲み込んで探し続けた。

目は右を向いた。

彼女はどうかな?いや、子供で忙しそう。

目は左を向いた。

彼?もう!今までジーと見られてたのに今は目まったく合わしてくれない!

一体なぜいつもひとりでこの用事をしないと行けないのか!?
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