働きアリの婚活

鶴山葵土

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9.働きアリと高嶺の花(2)

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しかし、約束の時間を過ぎても、周囲にリサらしき女性は見当たらない。

約束の日時を間違えたのかとリサからのメッセージを確認する。
やはり間違いはない。
もしかしたら騙されたのかもしれない、そんな最悪な事態が頭をよぎっていたその時、後ろから声を掛けられた。

「naoさんですか?」
振り向くナオト、そこにはリサの姿があった。
「あっ、えぇと。はい、naoです。リサさんですか?」
突然のことでナオトは動揺してしまい、自分のニックネームがnaoであることを一瞬忘れてしまった。

「はい、リサです。初めまして。少し遅くなってしまってごめんなさい」
目の前のリサはプロフィール写真通り、童顔で可愛いらしい女性だった。
これから、こんな可愛い女性とデートするのか、そう考えると胸の高鳴りを抑えることができない。

「いえいえ。あの、こちらこそ、初めまして。」
その言葉を絞り出すことのが精一杯だった。
いけない、きちんとリードしなければと思い、一呼吸おいて気持ちを落ち着かせる。

「早速、映画館に向かいましょうか」
何か気の利いた言葉の一つも言えればと、言ってから後悔するナオト。

「そうですね。上演時間に間に合わなくなっちゃいますし、行きましょうか」
リサからは緊張のようなものは感じられず、とても落ち着いているように感じた。

二人は映画館へと向かい、歩き出した。
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