働きアリの婚活

鶴山葵土

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11.働きアリの結末(1)

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しかし、ナオトはめげることなく婚活を続けた。
いや、ここでナオトは一度立ち止まるべきだったのかもしれない。
婚活を続けるナオトであったが、女性と連絡を取り合っているとリサとの出来事が
フラッシュバックし、頭痛や吐き気に襲われるようになった。

今連絡を取っている相手も詐欺師なのではという疑念にかられるようになった。
症状は日に日に重くなり、遂には仕事にも影響が現れ始めた。
事件から6カ月後、周囲からの勧めによりナオトは心療内科を受診する。
この頃には精神疾患は重度なものとなり、自殺願望にかられるようになっていた。
ナオトは3か月間の休職、1カ月間の精神病棟へ入院することとなった。

そんな中、ナオトを救うものがあった。それはチェスだった。
同じく精神病棟に入院する同年代の人たちとチェスをした。
幼い頃からチェスが好きだったナオトにとって、敵になる者はいなかった。
一日の大半をチェスに使うようになっていたナオト。
やがて、ナオトはより強い相手と戦いたいという気持ちにかられるようになった。

そして、3カ月の休職期間を終えたナオトに復職の日が訪れた。
休職に入る前に抱えていた仕事がどうなったのか気になっていたが、契約社員の雇用と
業務割り当ての調整で問題なく処理されていた。
こういっては何だが、会社というのは主軸の人間が一人二人辞めても問題にはならない。
人材の代わりなどいくらでもいるということをナオトは実感するのだった。

復職後もナオトの頭の中はチェスの事で頭が一杯になっていた。
ナオト自身も、その変化に気づいていた。
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