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プロローグ
しおりを挟む<<セキュリティレベル5突破されました。繰り返します。セキュリティレベル5突破されました>>
機械のブザー音と音声が危険信号を送っている。それにより、焦らせているのはセキュリティを突破した者ではなく警察の方であった。
「くっ!また奴怪盗か。一体何度目だ!」
焦りながらも、走りつづけ、怒りの言葉を発する警部。そして、その警部に部下は疑問を抱くように聞いた。
「あの、また例の奴と同じなんでしょうかね?」
すると、愚問に怒るかのように警部は部下に答えた。
「当たり前だろ! ご丁寧に予告状に名前まで書いてやがるんだからよ」
「ま、まぁそうですが……」
「 ほら、無駄口叩いて無いで早く展示室に行くぞ。セキュリティが徐々に解かれている。また物を盗まれては警察の信頼が落ちる。今度こそお縄をかけてやるぞ! コソ泥め!」
と、何故このような事になっているかというと、日本一大きい博物館に怪盗の予告状が届いたのだ。
それも、何度も盗みを成功させている最近出てきたルーキー怪盗だ。
この怪盗が予告状を出せば、必ず盗まれる為警察の信頼は世間からは「安くなった」と言われる程に下がっている。それに対して警部は腹を立てていた。
「ったく! こんな、予告状一枚に何故ビクビクせにゃならんのだ!」
博物館の、裏口廊下で愚痴をこぼしながら走る警部。
<<最終セキュリティ突破されました。繰り返します。最終セキュリティ突破されました。>>
「くそ! 何が怪盗だ! 何が予告状だ!」
そう言い、予告状を投げ捨てる警部。投げ捨てられた予告状にはこう書いてあった。
<予告状>
今宵、この博物館に展示してあるグランブルーサファイアを頂戴いたします。
怪盗Wワールド
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