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第3話「定時後、当たり前になる」
最近、残業が当たり前になった。
いや、正確には、
残業そのものよりも――その後の時間が。
「今日は、もう終わりだな」
そう言って、上司は自然にパソコンを閉じた。
時計を見ると、まだ少し早い。
「……早いですね」
「たまにはいいだろ」
それだけの会話。
特別なことは、何もない。
エレベーターに並んで立つ距離も、
歩く速さも、
気づけば、前よりずっと近くなっていた。
「無理はしてないか」
以前と同じ言葉なのに、
今はもう、胸がざわつかない。
「はい」
短く答えると、
上司はそれ以上何も言わなかった。
ただ、会社を出るとき、
少しだけ歩調を緩めてくれた。
――それが、
当たり前になっていることに、
まだ、名前はつけていない。
(了)
いや、正確には、
残業そのものよりも――その後の時間が。
「今日は、もう終わりだな」
そう言って、上司は自然にパソコンを閉じた。
時計を見ると、まだ少し早い。
「……早いですね」
「たまにはいいだろ」
それだけの会話。
特別なことは、何もない。
エレベーターに並んで立つ距離も、
歩く速さも、
気づけば、前よりずっと近くなっていた。
「無理はしてないか」
以前と同じ言葉なのに、
今はもう、胸がざわつかない。
「はい」
短く答えると、
上司はそれ以上何も言わなかった。
ただ、会社を出るとき、
少しだけ歩調を緩めてくれた。
――それが、
当たり前になっていることに、
まだ、名前はつけていない。
(了)
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