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目覚めたら異世界?
しおりを挟む頭の痛みで目が醒める
「頭いてぇ……昨日飲みすぎたな。 」
両手で頭を抱え暫く地面にヘタリ込んでしまう。 頭痛は定期的に押し寄せ暫く動けそうになかった。
「やべぇ…… 仕事行かなきゃ。 てか、 今何時だよ…… 」
苦痛に耐えポケットから携帯を取り出すと、圏外のマークが写し出されていた。
「最悪だっ! 携帯料金払ってなかったか……? 」
俺はキョロキョロと辺りを見渡すと、 どうやら見覚えのない路地裏に倒れこんでいたようだった。
「まてまて…… 此処どこだよ? 」
昨日は確か朝方まで友人と飲んでいたはずだ…… それから酔い潰れて、 店で横になったはずだよな。
「ま、 まさかっ! あいつら…… 俺を見捨てて帰りやがったのか!」
思わず上げた声は、 自身へと思わぬ大ダメージを与える結果となってしまう。 俺はあまりの頭痛に思わず、 壁に身を預け再びヘタリ込んでしまう。
俺は友人達のネタか何かで見知らぬ土地に放置されてしまったのか?
「俺メンタル弱いんで凹むわぁ……。 ふふ…… マジで泣きたい…… あ、 俺ハミられた? いやいや…… あいつらに限ってそんな酷い事はないよな…… 」
俺は思わず呪文の様に独り言を呟く様に喋っていた。
「の…… 」
「とりあえず帰らなきゃ…… 逃げちゃダメだ、 逃げちゃダメだ…… 」
「あの…… 」
「よ、 よし! まずは何処か座れる場所を探してだな…… 」
「あのっ!! 大丈夫ですかっ!? 」
思わず頭上から発せらた大きな声に、 俺の脳が激しく痛み咄嗟に頭を抱えてしまう。
「あ、 焦ったぁ……。 うぉ…… 頭が割れる!! 」
頭を抱え込んだ体勢から視線を声の方にやると、 見知らぬ女性が心配そうにこちらを見ていた。
「あ……! すいません! 困っていた様なのでつい…… 」
「あぁ、 ごめん…… 自分の世界に入ってしまって気がつかなかった」
女性は心配そうに俺を見ていた
「良かったら肩をお貸ししましょうか? 」
置き去りにされ凹んでいる俺には、 彼女の優しさが涙が出る程嬉しく感じられた。 それに女性をなんとなく見つめるとめちゃくち可愛いじゃないかっ!?
こんな可愛い娘が優しさも持ち合わせてるなんて、 世の中まだまだ捨てたもんじゃないんだな。
「ありがとう…… お言葉に甘えさせて頂きます。 とりあえず何処か座れる場所までお願いできますか……」
「はいっ、 わかりました! 私の肩に手を回して下さい! 」
女性は俺の横に屈み込むと、俺の手を自身の肩へと誘導していく。 女性の優しさに甘えて肩を借りる事に感謝だな……
「本当にすいません。 昨日飲みすぎてしまって、情けない…… 」
「何か嫌な事でもあったんですか? あまり無茶しない方がいいですよ…… 」
女性に介助されながらもなんとか立ち上がる
神さまありがとう……
「そうですね……またこんな事にならないように気をつけます……」
介護されてるとは言い、まだフラフラするな……今にも倒れてしまいそうだ。
視界が揺れるが必死に肩に掴まり耐えている
「危なっ!す、すいません……肩まで貸してもらっているのに……!」
俺は思わず女性に声をかけた
「あぅ……!!うぅっ」
俺がフラフラしてるんじゃない、女性が震えているのか?
シュールな光景だが産まれた子鹿の様にプルプルしながら肩を組む2人が立っていた
「ひぁっ……うぅっ!身体が熱いよぉ……」
思わず女性から腕を離す、なんとか倒れずに立っていられた。
俺とは対照的に女性は膝を着き、正に産まれたての子鹿の様に四つん這いに地面に崩れ落ちた。
「え……!大丈夫ですか!どうしました!?」
女性は小刻みに震えていた
「あぅっ……私……へんに……なりそぉ……」
なんだ!?なんかヤバイ……
助け呼んだ方が良さそうだよな!
キョロキョロと周りを見渡すと、どうやら此処は一本の路地裏になっている様だった、とりあえず道に出れば誰かいるかもしれない!
「ちょっと待ってて!誰か呼んでくるから!」
フラフラしながらも道に向かって歩き出す
頭割れそうだが……少しマシになってきている……何とか行けそうだ。
ようやく道と言える場所に抜け出すと、人を探して行く。
「いた!す、すいません!路地裏に体調が悪い女性がいるので、一緒に助けてもらってもいいですか!?」
2人の女性は首を傾げると、俺の指差す方向に視線を移していた。
「リム行こう!あそこの路地裏みたい!!」
そう言うと高校生ぐらいの女性が走り出す
「待ってよアリスぅ~!」
後を追うようにリムと呼ばれた女性も駆け出して行く。
俺はフラフラと元の場所に辿り着くと、2人に抱えられる様に地面にヘタリ込む女性に視線をやる
「ササラ先輩!大丈夫ですか!」
アリスと呼ばれていた女性が、先ほどの女性に声をかけている
先程の優しい女性は、ササラと言うらしい。
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