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目覚めたら異世界2
しおりを挟むササラは少し疲れた様子で2人に寄りかかっている、 先ほどよりは少し体調が戻っている様に見えた。
「ごめんなさい…… アリスさんにリムさん」
3人の対応を見る限り知り合いの様に思えた。
「まさか、 ササラ先輩だとは思いませんでした。 いったいどうしたんですか? 」
アリスは表情を曇らせて優しくササラに問いかける
「たまたま路地裏に人が座り込んでいたのを発見したの…… 助けるつもりがその人に肩を貸した途端私の身体が熱くなってしまって」
ササラは少し赤ら顔で俯いてしまうのだった。
「な、 なんかすいません…… 」
俺は3人に頭を下げると、 足元がおぼつかなく少しフラついてしまった。
「あの、 此処じゃなんだし私の部屋にとりあえず行きましょう! ササラ先輩も貴方もまだ体調が優れないようですし。 決定! 」
アリスはそう言うと、リムは少し頷きササラを優しく立ち上がらせる。
「貴方もって…… いやいや、 見ず知らずの俺を部屋に入れるなんて、 流石にそこまでお世話にはなれないよ。
それに…… ほらっ。 歩けるぐらいに体調戻ったから大丈夫! 」
俺は引きつった笑顔で親指を立てて見せた。
アリスは溜息を吐くと顔の前で手の平をパタパタさせていた。
「どう見ても顔色悪いし。 ヤセ我慢はいいから行きましょう!
それにレッドネームでもないんだし。 遠慮なんかしなくていいですよ! 」
アリスはそう言い捨てると先導する様に歩いて行くのだった。
おいおいっ! 俺は今年36のオッサンだぞ。
中年のオヤジが女子高生の部屋に上がったら犯罪だろ。 てか、 レッドネームってなんだよ!
それより君達オッサンを前にもっと警戒しろって!
いい歳こいて酔い潰れたあげくに、 路上で野宿してたなんて情けなくて言えないよな。
こ、 ここは丁重にお断りしなければ……
「いやいや…… アリスさん本当に大丈夫だから…… それに、 リムさんとササラさんもありがとう、 ほんと助かりました! 」
俺はソソクサと逃げる様に3人に別れを告げ路地裏を抜け出して行く。
「ちょ、 ちょっと! フラフラなのに走るとあぶなっ…… い…… っ!? 」
アリスが言い終わる前に俺は地面にひれ伏す形になっていた。
「「「大丈夫ですか!?」」」
3人が同時に叫ぶ声がしたが、 頭がグルグルと周り直ぐに動く事ができなかった。
俺は痛みや体調の悪さより恥ずかしさで、 そのまま地面へと平伏してしまう。
(ヤバイ…… めっちゃくちゃカッコ悪いやん…… オッチャン本気で転んでしもうた…… )
俺は情けなくて暫く動けないでいると、 ふと視界に誰かの足元が見えた。
「大丈夫……? 」
そこには倒れている俺の目の前に、 アリスがしゃがみこんでいた。
アリスはそっと手を差し出すと、 ニコッと微笑みかけてくれる。
「ほらほら~! そんな所で寝てないで、 ホラっ! 起きれる? 」
(アリス……なんて優しい女性なんだよ。 し、しかし…… 有り難さよりもアリスのパンツに目が行く俺は死ねばイイッ!?)
(いかん…… な、 なんだこの最高のアングルはっ! 今日は俺の誕生日だったかな。プレゼントなのか…… ふふ…… )
俺は最低な考えを振り払い、 急いでプレゼントから視線を逸らして起き上がろうと身体を持ち上げていく。
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