ふれていたい、永遠に

たっこ

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キスの意味✦side秋人✦5

「……秋さんが俺を好きなんだと思ったら、なんかもう天に舞い上がりそうになっちゃって。そんな状態で運転したら危ないと思って、すごい気を張ってた……からかな……?」
 
 顔を真っ赤にしてそう話す蓮を見て、こっちまで顔に熱が集まる。
 あんなに怖い顔をした蓮を初めて見て、怯えてた自分が恥ずかしい。
 
「楽屋で、秋さんが好きだって叫びたかったけど、そんなことできないし。車降りても、どこで見られてるか分かんないし。部屋に入るまで我慢するのに必死だった」

 楽屋を出てからここまでの蓮を思い出す。
 あれは、怒ってたんじゃなくて……必死で我慢してる顔だったんだ。
 マンションに着くまで、運転中以外はずっとぎゅっと力強く握られてた手の意味を理解して、嬉しくてまた鼻の奥がツンとした。
 本当にもう我慢しなくていいんだと、今まで閉じ込めていた想いがあふれ出る。

「……俺…………俺もう……我慢しなくていいのか……?」
「何を、我慢してたの?」
「ずっと……ずっと蓮にさわりたかった……」
「うん。もうずっとさわってていいよ。いくらでも」

 まだ震えのおさまらない手を伸ばして、蓮の手にそっとふれた。
 蓮が、優しく指を絡めてくれる。
 指先から伝わる好きの気持ち。
 今度はちゃんと伝わってくる。
 鼻の奥がツンとする。胸が締めつけられるように痛い。でもこれは、幸せな痛み。
 
「…………蓮……ぎゅって……して」
「…………っ」

 手を引かれて、壊れそうなほど強く抱きしめられた。

「……秋さん、可愛すぎ」

 蓮の心臓が、今までにないほど早鐘を打っている。
 久しぶりに聞いた、蓮の心臓の音。
 すごくすごく、安心する。嫌われてないんだって実感できる。

「蓮……本当に、俺が好きなのか……?」

 不安で、何度も確認したくなった。
 
「……もう好きで好きで、おかしくなりそうなくらい、秋さんが大好き」
「俺……男なのに……?」
「そんなの、好きになっちゃったから関係ない」

 絶対に手に入らないと思ってた。
 ニコイチでいられるだけで、幸せだと思ってた。
 蓮が俺を好きになってくれるなんて、絶対にありえないと思ってた。
  
「…………俺……あの日からずっとつらくて……。距離置かなきゃって思うのに……蓮の側にいたくて……。蓮と離れたくなくて……。でも蓮にさわることもできなくて……本当に、つらか……っ」

 喉の奥が熱くて涙が次々とあふれて、それ以上言葉がでない。
 言いたいことがたくさんあるのに……。
 言葉の代わりに、蓮にぎゅっと抱きついた。
 蓮の熱に包まれて、幸せで死にそうだった。

「秋さん……俺、夢みたいでもう倒れそう……」

 そんな蓮のセリフに、俺はまだ肝心な言葉を何も言えていないのに、とおかしくなる。思わず泣きながら笑いそうになった。
 深呼吸をして涙を落ち着かせて、熱い喉の奥からしぼり出すように、閉じ込めていた気持ちを口にした。

「蓮……好きだ……。すげぇ……大好き。もうずっと…………お前と離れたくない……」

 やっと言えた。ずっとずっと言いたかった。言えるわけないと思っていた気持ちを、やっと言葉にできた。

「あ……秋さん……」

 耳元で、蓮のすすり泣く声が聞こえてきた。

「もう俺……死んじゃいそう……」

 蓮が可愛くて嬉しくて、顔がほころぶ。
 俺も、もう本当に幸せすぎて死んじゃいそうだ。

 
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