【完結】本気だと相手にされないのでビッチを演じることにした

たっこ

文字の大きさ
48 / 154

48 もう冬磨だけいればいい ※

 とろけるようなキスをしながら、冬磨の優しい手がスルスルと俺の服を脱がせる。そして、自分のスーツも脱いだ冬磨が俺を優しく包み込むように抱きしめた。
 
「天音、もうずっとそので俺を見て。ベッドの中だけじゃなくてずっと……」
「……う、ん。もう……演技はしない」
「ん、絶対な」

 冬磨の唇が、耳から首、そして胸へと移動する。優しい指先が、撫でるように身体中を愛撫した。

「は……ぁっ、……と……ま……」
「好きだよ、天音。天音は特別……」

 幸せで体の震えが止まらない。
 まだ夢みたいだ。冬磨が俺を好きだなんて。

「とぉま、好き……大好き。…………ぁっ……っ……」
「それ、ずっと聞いてたい。もっと言って?」
「す……好き……好き……っ、と……ま……」

 何度も好きだと言葉にできることが幸せで心が震える。
 無表情でいなきゃと気を張らずに、自然でいられることが嬉しい。

「俺も好きだよ。お前だけだ、天音」

 伝えられる好きの言葉は、もっと幸せで涙がにじむ。

「ほんと可愛い、天音。俺が大好きってその瞳……マジでやばい……」

 目を合わせれば、冬磨の極上の笑みが俺を包んで優しいキスが降る。
 幸せすぎてめまいが襲った。

「一番見たくない目だったのにな……。天音だけは違った。ずっと見ていたかった。終わったあともずっとその瞳のままならいいのにって……いつも熱の消えた瞳に落胆してた」
「とぉま……」
「やべぇどうしよ。終わったあとの天音が楽しみすぎる」
「……ぁっ……」

 冬磨の優しい手と唇が俺の身体中を愛撫する。
 何度も「好きだ」とささやかれて、喜びで震えが止まらない。
 幸せすぎて、まるで脳が溶けていきそうだった。
 冬磨……冬磨……大好き……っ。

「……ぁ……っ……っ、と……ま……」

 敏感な胸の突起を舐めていじって冬磨は俺をよがらせ、後ろも優しく解してくれた。
 何も準備してない後ろをさわられたのは初めてだった。

「もう自分で準備すんなよ? これはもう彼氏の役目な?」
「かれ……し……」

 彼氏……っ。
 あらためて言葉にされると、ぎゅうっと胸が苦しくなる。
 冬磨が彼氏っ。彼氏なんだ……っ。
 
「と……ま……好き……っ、……あ……っぁ……」
 
 ふわふわの髪が好き、前が好き、後ろが好き、もうそんな風に誤魔化さなくても好きと言える。
 いつでも、何度でも、自分の気持ちを素直に言える。
 冬磨は俺の彼氏なんだ……っ。

「ん、柔らかい。天音のここ、もうトロトロ」

 冬磨が指をゆっくり引き抜いて優しく俺を見つめてくる。
 目尻を下げて、まるで愛おしいとでもいうように。
 
「……ふ……っぅ……っ、とぉ……ま……っ……」
「天音? どうした?」
 
 突然声を上げて泣き出した俺を、心配そうに見つめる冬磨の身体に手を伸ばしてぎゅっと抱きついた。
 
「とぉ……ま……っ、好き……好きぃ……っ……」
 
 抱きしめる腕に力を込めてぎゅうっと抱きついた。
 
「だい……すき……っ、と……ま……」

 俺の中で大好きが爆発した。
 どんなに伝えても伝えきれないほど、大好きがあふれ出る。
 こんな風に素直に抱きしめることだって今まではできなかった。
 許されるなら、冬磨の前ではもう何も我慢しないでずっと素の俺でいたい。

「あ、天音。ちょっと俺、心臓もたねぇんだけど……っ」

 そう言いながらも、冬磨は俺をそっと抱きしめてくれた。

「マジで破壊力やばすぎ……。抱かれてるときは素だったんじゃねぇの? 全然違ぇじゃん……。俺、マジで心臓止まるって……」

 はぁぁ……と深く息をついた冬磨が、ゆっくり顔を上げて俺を見つめる。

「甘くみてたわ……天音の可愛さ。もう誰にも見せたくねぇよ……ほんと」

 冬磨の瞳が優しい。じっと見つめれば極上の笑みが返ってくる。
 だから、今まで言えなくて我慢していたことを言いたくなった。言ってもいいかな……。

「とぉ……ま」
「ん?」
「わがまま……言っても、いい?」
「えっ、なに、わがまま言ってくれんの? いっぱい言えよ、なんでも聞くから」

 優しく微笑む冬磨に、勇気をだして伝えた。

「キス……しながら……入れてほしい」

 冬磨が一瞬固まって、また、はぁぁ……とうなだれた。
 え、どうしよう……っ。だめだったっ?

「なんなのほんと……この可愛い生き物……。奇跡だろ……」
「なに……言って……」

 だめではなかったみたい。

「天音のせいでもうビンビンだから。責任取れよ?」
「……えっと……うん」
「ふはっ。うん、って可愛い」

 もう何を言っても可愛いと言われる。よくわからないけど、冬磨の瞳に俺が可愛く映るならなんでもいい。

「天音、ゴムは……」
「いらない。そのままが……いい。俺の中に出してほしい。この間の……すごい……すごい幸せだったから」
「天音……」

 ずっとずっとほしかった冬磨の熱を、また感じたい。これからはずっと感じていたい。

「もう、ずっとゴムなんていらない。だって……そのままは俺だけ、でしょ?」
「当たり前だろ。今までも、これからも、ずっと天音だけだよ」
「俺も、冬磨だけ……」

 冬磨の首に腕を回す。
 冬磨は愛おしそうに俺を見つめて頬を撫で、目尻の涙にキスをした。

「天音……もう、ずっと俺のそばにいろな?」

 冬磨がそんなことを言うから、また涙がつぎつぎとこぼれ落ちた。

「……ん……うん……っ。ずっと、ずっとそばにいる……っ。もう……冬磨だけいればいい」
「……はぁ、も……ほんと可愛い」
「んぅ……っ、ん……」

 冬磨の優しいキス。俺が自然と口を開くと、冬磨が嬉しそうに口角を上げて舌を絡めた。
 頭の芯がしびれてぼうっとしてくる。
 冬磨……冬磨……大好き。
 
 
感想 172

あなたにおすすめの小説

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした

たっこ
BL
【加筆修正済】  7話完結の短編です。  中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。  二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。 「優、迎えに来たぞ」  でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。  

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。 完結しました!ありがとうございました。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。