【完結】本気だと相手にされないのでビッチを演じることにした

たっこ

文字の大きさ
49 / 154

49 冬磨が好きになってくれた奇跡 ※

 後ろの孔を、冬磨のものがゆっくり撫でるようにふれた。
 
「ぁ……っ……」
 
 俺がかすかに反応すると、冬磨が「可愛い」とまたささやいた。
 とろけるようなキスをしながら、冬磨がゆっくりゆっくり俺の中に入ってくる。
 トラウマ持ちじゃないとわかっても、冬磨の優しさは何も変わらない。
 ゆっくり優しく、俺のすべてを溶かした。
 
「……ん……っぁ、……ぁ……っ……」
「天音……」

 唇を合わせなながら、冬磨が俺の名を切なげに呼んだ。

「ン……っ……」

 唇を重ね合わせながら、ゆっくりと身体が繋がっていく。
 濡れた音と熱い吐息が交じり合い、その響きにゾクゾクと快感が走りながら、冬磨と繋がっていく。
 こんなに幸せな瞬間が訪れるなんて、俺は今まで少しも想像していなかった。

「と……ま……っ、ぁぁ……っ……」

 今までも充分幸せだと思ってた。
 冬磨に抱いてもらえることが、何よりも幸せだった。
 でも、何かが足りなくて、切なくて……。

 冬磨がとろけるようなキスをしながら、俺を愛おしそうに優しく見つめる。
 目が合うと、合わせた唇の隙間から「好きだよ」と甘くささやく。
 冬磨の口から好きだと伝えられるたびに、息もできないほど胸が締め付けられた。

「とぉ……ま……」

 幸せの涙が止まらない。
 ぎゅうっと冬磨にしがみつくと、その手をたぐり寄せて恋人繋ぎをしてくれた。
 その瞬間、ぶわっと感情があふれてしまって、まるで子供が泣くみたいに表情がゆがんだ。

「ぅ゙ぅー…………っ、と……ま……」

 冬磨は奥まで繋がると、ちゅっとリップ音を鳴らして唇を離し、何度も目尻にキスを落とす。

「天音……ごめんな。ずっと演技なんてさせて。ずっと……気づいてやれなくてごめん」
「……ぅ……っ……」

 冬磨が謝らないで。そう言いたいのに喉が詰まって声が出ない。首を横に振ることしかできなかった。

「お前の、この瞳を信じればよかった。俺が大好きだってちゃんと言ってるのにな……。他のセフレにも見せてんのかって……嫉妬しかできなかった」

 冬磨が他のセフレに嫉妬してた。信じられなくて息を呑む。
 キスマークにも、はらわたが煮えくり返ったと言っていた。
 俺なんかが冬磨にそんな思いをさせていたなんて……。

「とぉま……ごめ……ん」
「なんで天音が謝るんだよ。天音が俺なんかを好きになってくれた奇跡に感謝してるよ」
「か……感謝? ……んぅ……っ……」

 唇がふさがれて、冬磨の熱い舌が入り込む。
 さっきのとろけるキスよりも、少し荒々しいキス。

「……ぁ……っ、ンぅ…………」
 
 キス……気持ちいい。頭がふわふわする……。
 舌で上顎を撫でられるとゾクゾクして、舌を絡められるたびに脳がしびれた。

「天音……動くよ?」
「ふぁ……っ、ぁ……っ……」

 冬磨がゆっくりと俺の中を動き出す。
 ずっと夢見てた。キスをしながら冬磨に抱かれるのを。

「んん……っ、ン……っ……」

 幸せすぎて、頭も身体も全部が溶けてなくなっちゃいそう……。
 最近やっと身体の震えが少なくなってきていたのに、今日はどうしても震えがおさまらない。
 繋いだ手をぎゅうっと握ると、冬磨が目尻を下げて俺を見つめた。

「お前……なんで俺なんか好きになったんだよ」
「ん……っ、なんで……って……? んん……っ」

 なんで好きになったのかなんて、それは俺の台詞なのに。

「マジで奇跡だろ。ほんと俺、幸せすぎる……」
「と……ま……っ、……ぁっ……」

 冬磨が俺を好きになってくれたことの方が、何百倍も奇跡なのに……。
 冬磨の『幸せすぎる』という言葉が幸せすぎて、胸が張り裂けそうになった。
 
「とぉ……ま、すき……っ、ン……っ、……はぁ……っ……」
「天音……っ」

 冬磨に優しくとろけるように抱かれながら、先週の泥酔した冬磨を思い出す。
 冬磨の告白を聞いてやっとわかった。
 あれはきっと、俺との終わりを覚悟しての泥酔だったんだ。俺を手放す覚悟の涙だったんだ。
 俺なんかにそんな影響力があるなんて思いもしなかった。
 俺が敦司の家に通ったりしなければ……。そうすれば、冬磨を泥酔させたり泣かせたりしないで済んだのに。
 でも……と、俺は冬磨にしがみつく。
 でも、もしそれがなかったら、きっとずっとセフレのままだった。
 こんな幸せな時間はずっとやってこなかった。
 冬磨と恋人になんて、絶対になれなかった。
 冬磨……ごめんね。
 俺なんかが冬磨につらい思いをさせておきながら、そうなってよかったなんて思ってしまって……本当にごめんなさい。
 
「とぉま……だいすき……っ、……あ……っ、も……だめ……ぇっ」
「はぁ、よかった、俺もとっくに限界……っ。やべぇ……情けねぇ」
「とぉま……ぁっ」
「ちょっと、強くするよ」
 
 冬磨は俺の足を優しく持ち上げ、肩にかけた。太ももにキスを落とし、そのまま深く奥まで入り込んでくる。

「はぁぁ……っ! ん……っ」
「天音っ。あま……ねっ」

 奥深くを何度も突かれて一気に頭が真っ白になっていく。

「んっ、とぉ……っ、ぁぁ……っ、すきぃ……っ! とぉまぁ……っ!」
「天音っ、好きだっ! く……ぅっ……」

 二人同時に果てた。
 こんなに幸福感でいっぱいになったのは初めてだった。
 俺の中が冬磨で満たされて、感動で震える。
 今日の冬磨はシラフだ。泥酔して記憶のない冬磨じゃない。その冬磨のものが中に……。

「ふ、ぅ……っ……」

 覆い被さるように俺を抱きしめる冬磨を、力いっぱい抱きしめた。

「天音……それ、幸せで泣いてんの?」
「……ん、……うん。幸せ……で……っ」
「あー……俺も泣きそう。やべぇ……。抱き合うってこんな幸せになれるんだな。余韻が半端ねぇ……」

 冬磨も同じように幸せを感じてるとわかって、また涙腺が崩壊した。
 
「と……ま……好き……」
「ほんと……天音、想像以上に可愛いすぎ。マジでやばい……」
 
 顔を上げて極上の笑みで俺を見つめた冬磨が、また俺にそっと優しいキスをくれた。
 
 
 
 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 
 天音視点完結後に、冬磨視点(冬磨の過去から現在まで)を書く予定です。
 もしよろしければ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
 天音視点はもう少し続きます。
 
感想 172

あなたにおすすめの小説

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした

たっこ
BL
【加筆修正済】  7話完結の短編です。  中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。  二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。 「優、迎えに来たぞ」  でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。  

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。 完結しました!ありがとうございました。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?