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入国早々から予想外の軟禁生活。
そこからようやく解放され
ほっと気が緩んでいた。
ーーーーー
ーコンコン。
昼過ぎ。ドアをノックする音。
「はーい。」
読みかけていた本をもったまま、ドアを開けた。
「わっ。ミウさん鍵かけてないの?!ダメだよ~~(涙)」
この子は私の翌日にここへ来た旅人D君。
20代入りたての男子だった。
昼間だし、ドミトリーは知っている日本人しかいなかったから…
と鍵を開けていた言い訳するも、丁重にお説教された。
「Yさ~ん。聞きましたぁ~~?(涙)」
相変わらずPC作業に余念がないYさんの横顔に 無茶振りされた。
D君は早くもYさんをアニキとして慕っていた。
Yさんはみんなのリーダー的存在だった。
男子からも女子からも人気者。
頭がキレて、行動力もある。
「ぁぁ…
ミウちゃん ダメよ~~。
女の子なんだから~~
日本人男子だってケモノよ~~?」
PC画面から黒縁メガネをそらす事なく
でもよく通る声で言う。
「…はぁぃ。^^;」
ーーーその日はドミトリーの男子数名と夕食をとりに出かけた。
食事の席で、
同じ街に移動を控えた者同士が情報交換したり、
旅の目的を語り合う。
私は当初のプランから1週間ロスしていた。
そろそろ移動をしなきゃいけない。
「ェ。まじで?ミウさん○○(町の名前)行くの??あそこ女1人はヤバイっしょー!」
D君はいつも何かキメてるようなテンションだった。
「でも…そこの朝日を見に来たし…
行かないわけには。。」
結納していた彼を探しに来た話は
まだ誰にも語ってなかった。
「俺、仕事一段落したから、一緒に行こうか?」
Yさんが口を開いた。
「ぇ? でもYさん○○には1度行ったんでしょう?」
話では、彼は1か月前にその地を訪れていた。
「俺は構わないよ。○○好きだったし。また行けるならラッキー。この子1人で行かせるのも心配だし。苦笑」
当時、この国での移動は、本当に骨が折れる事だった。
ーーそれを一緒にしてくれるというの?
「ヒューー!Yさん流石だわ~~オレそういうとこマジで尊敬します!!」
D君のテンションで、ひとまず会話は持っていかれる。
そんなこんなで、
まだ互いをよく知らないYさんと私は、
暫く旅路を共にすることが決まった。
ここから先、
基本的に寝食を共にする。
20代そこそこ。
中身のない希望だけ詰め込んだ
小さなリュックひとつと
自分で走れる足だけをもって。
ーー満ち始めた月が、
街灯の少ない温かい街に
登り始めていた。
入国早々から予想外の軟禁生活。
そこからようやく解放され
ほっと気が緩んでいた。
ーーーーー
ーコンコン。
昼過ぎ。ドアをノックする音。
「はーい。」
読みかけていた本をもったまま、ドアを開けた。
「わっ。ミウさん鍵かけてないの?!ダメだよ~~(涙)」
この子は私の翌日にここへ来た旅人D君。
20代入りたての男子だった。
昼間だし、ドミトリーは知っている日本人しかいなかったから…
と鍵を開けていた言い訳するも、丁重にお説教された。
「Yさ~ん。聞きましたぁ~~?(涙)」
相変わらずPC作業に余念がないYさんの横顔に 無茶振りされた。
D君は早くもYさんをアニキとして慕っていた。
Yさんはみんなのリーダー的存在だった。
男子からも女子からも人気者。
頭がキレて、行動力もある。
「ぁぁ…
ミウちゃん ダメよ~~。
女の子なんだから~~
日本人男子だってケモノよ~~?」
PC画面から黒縁メガネをそらす事なく
でもよく通る声で言う。
「…はぁぃ。^^;」
ーーーその日はドミトリーの男子数名と夕食をとりに出かけた。
食事の席で、
同じ街に移動を控えた者同士が情報交換したり、
旅の目的を語り合う。
私は当初のプランから1週間ロスしていた。
そろそろ移動をしなきゃいけない。
「ェ。まじで?ミウさん○○(町の名前)行くの??あそこ女1人はヤバイっしょー!」
D君はいつも何かキメてるようなテンションだった。
「でも…そこの朝日を見に来たし…
行かないわけには。。」
結納していた彼を探しに来た話は
まだ誰にも語ってなかった。
「俺、仕事一段落したから、一緒に行こうか?」
Yさんが口を開いた。
「ぇ? でもYさん○○には1度行ったんでしょう?」
話では、彼は1か月前にその地を訪れていた。
「俺は構わないよ。○○好きだったし。また行けるならラッキー。この子1人で行かせるのも心配だし。苦笑」
当時、この国での移動は、本当に骨が折れる事だった。
ーーそれを一緒にしてくれるというの?
「ヒューー!Yさん流石だわ~~オレそういうとこマジで尊敬します!!」
D君のテンションで、ひとまず会話は持っていかれる。
そんなこんなで、
まだ互いをよく知らないYさんと私は、
暫く旅路を共にすることが決まった。
ここから先、
基本的に寝食を共にする。
20代そこそこ。
中身のない希望だけ詰め込んだ
小さなリュックひとつと
自分で走れる足だけをもって。
ーー満ち始めた月が、
街灯の少ない温かい街に
登り始めていた。
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