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第二章 事件発生
22 名雲さんの事情を知る
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センター長の口から、物凄い速さで言葉が押し出されていく。
「あいつは元々札付きのワルってやつでしてね。ろくに高校も行かないでぶらぶらしていたのを、熱心な学校の先生が頭下げて頼むもんで、うちで面倒見ることになったんです。初めの頃は真面目に勤務してたんですけどね、慣れてくると手を抜く様になってしまって。外に行ったっきり帰って来ないから注意をしようかと思っていた矢先に、警察から女性に対する暴行未遂で捕まったと連絡が入って、そりゃあ驚きましたよ!」
私はその喋りっぷりに驚いている。驚き過ぎて、何も口を挟めない。尚、ゴラくんの存在がばれると色々と厄介なので、ゴラくんにはヘッドホンを付けさせてネイチャー番組を観させている。大分言い聞かせたので、余程のことがない限りこちらに来ることはないと思う。
スゥーッと大きく息を吸うと、センター長は更に続けた。息継ぎだったらしい。
「その時は初犯てことと、相手があまり大っぴらにしたくないってことで大事にはならずに済んだんですけど、勿論うちの信用はガタ落ちですよ! いい加減面倒見切れないと思って、先生に連絡つけて三行半を突きつけようと思ってたんですけどね。もう二度とさせないからチャンスをくれって言われちまえば、私だって鬼じゃあありません。次はないぞと言ったら、先生が余程しっかりと言い聞かせてくれたんでしょうな、これまでの態度を改めて真面目に働かせていただきますなんて泣きながら頭を下げられて。でも女性にそういうことをする従業員を一人で配達に向かわせる訳にもいかないですよね? だがらペアを組ませて監視してもらう様にしてたんですけど、あの事件から二年が経って、周りも事件の存在を知らない奴が増えちまって」
あまりの勢いにやはり何も言えず、ただ唖然とセンター長を見る。すると、それを怒っている所為と受け取ったのか、また頭を下げられた。
「すみません、秋野さんにこんな話しても言い訳にしか聞こえないですよね! 分かってるんです、分かってるんですけど、あいつを信じて更生したって思い込んでいた自分が情けなくて……! あいつとペアを組んでる奴を捕まえて聞いたんです。秋野さんちだけは遠いから、自分が引き受けるからそっちはその間に休憩してろよ、疲れてるんだろなんて言われて有り難く仮眠してたって。そう聞いて、私はもう情けなくて情けなくて! そいつん所はね、最近子供が生まれたばかりなんですけどね。夜泣きが酷くて奥さんがふらふらになっちまって、それでそいつが夜中も起きてミルク上げたりしてるんですよ! だから名雲さんは優しいんだなと感謝してたって言うじゃないですか! それがよりによって、こんな目的だったなんて!」
なるほど、それは酷い。その人の為にと恩を着せつつ、更に自分の目的も果たそうとしていた訳だから、人としてそこそこ最低だ。これまではいい人だとばかり思っていたので、私の中での名雲さんの評価は一気に地に落ちた。もう上がることはないだろう。
相変わらず私が何も答えないからか、ようやくセンター長は自分の所為で私が口を挟む隙がないことに気が付いたらしい。さすがは腐っても客商売だ。
「あ、私、喋り過ぎましたかね?」
咄嗟に言葉が出て来なかったので、こくんと頷くと、ようやくあの凄まじい速さの喋りが終わった。
「すみません、女房にも早口過ぎて口が挟めないってよく言われるんですよね」
あははと頭を掻いているが、エンジンが掛かっていない配達車のトランクに、名雲さんを詰め込んだままになっている。このままだと、本気で死にかねない。
「あの……名雲さんなんですけど」
「あ! そうでした! 奴は今どこに?」
忘れないで欲しい。私は長靴を履くと、初雪とは思えないほどの勢いで横殴りに振りまくる雪の中、センター長を配達車まで案内した。
「トランクの中なんですけど」
「え? あ、そういえば、秋野さんてお一人で暮らしてるんですよね? その、無事……」
無事でなかった場合、センター長は私の返事を聞く勇気があるのか。私が落ち着いて電話をし、落ち着いて、というよりも口を挟めず静かにしていたから、大事には至らなかったと予想しているのだろうけど。
「無事です。未遂ですが、あちこち触られました」
「そ、それは……申し訳ございません……」
大事に至らなかったらいいということじゃない。ストーキングされていたことも、無遠慮に身体中を弄られたことも、あってはならないし非常に不愉快で恐怖を感じた。ゴラくんがいてくれたからよかったものの、彼がいなかったらと思うと恐ろしくて考えたくもない。それほどに、力尽くで合意なく何かをされるという行為は卑劣な行為だ。
センター長はそういうつもりで言ったのではないだろうけど、中退した大学で会った男子生徒達も、女性ならではの恐怖というものを理解せず軽く考えている人が一定数いた様に思う。強引にいけばあわよくば、なんて態度で接して来られたのは、一度や二度ではなかったから。当時は周りに合わせようともう少し枯れていない格好や化粧をしていたので、そういう経験はちょくちょくあったのだ。
配達車の前に着くと、トランクを指差す。
「トランクなんですけど」
「あ、はい! 開けます!」
センター長が急いでトランクを開けると、中にはガタガタと震えている名雲さんが転がっていた。寒いのかもしれない。すると。
「ひ……っゆ、許して! うわあああ!」
私の顔を見た瞬間、名雲さんが叫んだ。え? という顔で私を見るセンター長。こうなるだろうと予め予測しておいた私は、説明がつくストーリーを考えていた。事前準備さえしてあれば、問題ない。ということで、私はセンター長に説明を始めた。
「実は、とある旅のお方が通りがかりに襲われている私を見つけ、助けてくれたのです」
「――はい?」
疑問に思うのは重々承知だ。だけど、あの短時間で他にいいストーリーが思いつかなかった。ちなみに私の中では、さすらいのガンマンなイメージだ。いかにもサラリと人助けをして去って行きそうじゃないか。
ということで、このまま押し通すことにした。
「そのお方は何も言わず颯爽と去って行かれたのですが」
「この雪の中? この辺り、山しかないですよね?」
私はひたすら脚本通りに続ける。ここでボロを出してはいけない。
「そのお方が現れる前から、名雲さんの様子がこの様におかしくて、口から泡を吹いていました」
この際、彼にはせいぜい薬物使用の疑いをかけられてもらおうという魂胆だった。そしてそれは、見事に成功する。
「名雲……! お前、とうとうそんな物にまで!」
センター長が、ブルブルと震え続ける名雲さんに詰め寄った。名雲さんは、違う違うと首を横に振る。薬物検査をすれば嘘だとすぐに分かってしまうだろうけど、あれだけ怖い思いをさせられたのだ。少しくらい復讐したって、いいじゃないか。それに、取り調べが長くなり、ちょっとでも長く絞られていてもらいたいという気持ちもあった。
「秋野さん! このことは、きちんとケリを付けさせていただきます!」
センター長が、薄い頭頂を私に見せた。肩はふるふると震えている。これはきっと、怒りからくるものだろう。
人の信頼を裏切ることへの抵抗が、名雲さんにはなかったんだろうな――。
これまでの彼の人生がどんなものだったかまでは、分からないし知りたくもない。だけど、肝心なものを知らないまま大人になってしまった。それだけは理解出来た。
「あいつは元々札付きのワルってやつでしてね。ろくに高校も行かないでぶらぶらしていたのを、熱心な学校の先生が頭下げて頼むもんで、うちで面倒見ることになったんです。初めの頃は真面目に勤務してたんですけどね、慣れてくると手を抜く様になってしまって。外に行ったっきり帰って来ないから注意をしようかと思っていた矢先に、警察から女性に対する暴行未遂で捕まったと連絡が入って、そりゃあ驚きましたよ!」
私はその喋りっぷりに驚いている。驚き過ぎて、何も口を挟めない。尚、ゴラくんの存在がばれると色々と厄介なので、ゴラくんにはヘッドホンを付けさせてネイチャー番組を観させている。大分言い聞かせたので、余程のことがない限りこちらに来ることはないと思う。
スゥーッと大きく息を吸うと、センター長は更に続けた。息継ぎだったらしい。
「その時は初犯てことと、相手があまり大っぴらにしたくないってことで大事にはならずに済んだんですけど、勿論うちの信用はガタ落ちですよ! いい加減面倒見切れないと思って、先生に連絡つけて三行半を突きつけようと思ってたんですけどね。もう二度とさせないからチャンスをくれって言われちまえば、私だって鬼じゃあありません。次はないぞと言ったら、先生が余程しっかりと言い聞かせてくれたんでしょうな、これまでの態度を改めて真面目に働かせていただきますなんて泣きながら頭を下げられて。でも女性にそういうことをする従業員を一人で配達に向かわせる訳にもいかないですよね? だがらペアを組ませて監視してもらう様にしてたんですけど、あの事件から二年が経って、周りも事件の存在を知らない奴が増えちまって」
あまりの勢いにやはり何も言えず、ただ唖然とセンター長を見る。すると、それを怒っている所為と受け取ったのか、また頭を下げられた。
「すみません、秋野さんにこんな話しても言い訳にしか聞こえないですよね! 分かってるんです、分かってるんですけど、あいつを信じて更生したって思い込んでいた自分が情けなくて……! あいつとペアを組んでる奴を捕まえて聞いたんです。秋野さんちだけは遠いから、自分が引き受けるからそっちはその間に休憩してろよ、疲れてるんだろなんて言われて有り難く仮眠してたって。そう聞いて、私はもう情けなくて情けなくて! そいつん所はね、最近子供が生まれたばかりなんですけどね。夜泣きが酷くて奥さんがふらふらになっちまって、それでそいつが夜中も起きてミルク上げたりしてるんですよ! だから名雲さんは優しいんだなと感謝してたって言うじゃないですか! それがよりによって、こんな目的だったなんて!」
なるほど、それは酷い。その人の為にと恩を着せつつ、更に自分の目的も果たそうとしていた訳だから、人としてそこそこ最低だ。これまではいい人だとばかり思っていたので、私の中での名雲さんの評価は一気に地に落ちた。もう上がることはないだろう。
相変わらず私が何も答えないからか、ようやくセンター長は自分の所為で私が口を挟む隙がないことに気が付いたらしい。さすがは腐っても客商売だ。
「あ、私、喋り過ぎましたかね?」
咄嗟に言葉が出て来なかったので、こくんと頷くと、ようやくあの凄まじい速さの喋りが終わった。
「すみません、女房にも早口過ぎて口が挟めないってよく言われるんですよね」
あははと頭を掻いているが、エンジンが掛かっていない配達車のトランクに、名雲さんを詰め込んだままになっている。このままだと、本気で死にかねない。
「あの……名雲さんなんですけど」
「あ! そうでした! 奴は今どこに?」
忘れないで欲しい。私は長靴を履くと、初雪とは思えないほどの勢いで横殴りに振りまくる雪の中、センター長を配達車まで案内した。
「トランクの中なんですけど」
「え? あ、そういえば、秋野さんてお一人で暮らしてるんですよね? その、無事……」
無事でなかった場合、センター長は私の返事を聞く勇気があるのか。私が落ち着いて電話をし、落ち着いて、というよりも口を挟めず静かにしていたから、大事には至らなかったと予想しているのだろうけど。
「無事です。未遂ですが、あちこち触られました」
「そ、それは……申し訳ございません……」
大事に至らなかったらいいということじゃない。ストーキングされていたことも、無遠慮に身体中を弄られたことも、あってはならないし非常に不愉快で恐怖を感じた。ゴラくんがいてくれたからよかったものの、彼がいなかったらと思うと恐ろしくて考えたくもない。それほどに、力尽くで合意なく何かをされるという行為は卑劣な行為だ。
センター長はそういうつもりで言ったのではないだろうけど、中退した大学で会った男子生徒達も、女性ならではの恐怖というものを理解せず軽く考えている人が一定数いた様に思う。強引にいけばあわよくば、なんて態度で接して来られたのは、一度や二度ではなかったから。当時は周りに合わせようともう少し枯れていない格好や化粧をしていたので、そういう経験はちょくちょくあったのだ。
配達車の前に着くと、トランクを指差す。
「トランクなんですけど」
「あ、はい! 開けます!」
センター長が急いでトランクを開けると、中にはガタガタと震えている名雲さんが転がっていた。寒いのかもしれない。すると。
「ひ……っゆ、許して! うわあああ!」
私の顔を見た瞬間、名雲さんが叫んだ。え? という顔で私を見るセンター長。こうなるだろうと予め予測しておいた私は、説明がつくストーリーを考えていた。事前準備さえしてあれば、問題ない。ということで、私はセンター長に説明を始めた。
「実は、とある旅のお方が通りがかりに襲われている私を見つけ、助けてくれたのです」
「――はい?」
疑問に思うのは重々承知だ。だけど、あの短時間で他にいいストーリーが思いつかなかった。ちなみに私の中では、さすらいのガンマンなイメージだ。いかにもサラリと人助けをして去って行きそうじゃないか。
ということで、このまま押し通すことにした。
「そのお方は何も言わず颯爽と去って行かれたのですが」
「この雪の中? この辺り、山しかないですよね?」
私はひたすら脚本通りに続ける。ここでボロを出してはいけない。
「そのお方が現れる前から、名雲さんの様子がこの様におかしくて、口から泡を吹いていました」
この際、彼にはせいぜい薬物使用の疑いをかけられてもらおうという魂胆だった。そしてそれは、見事に成功する。
「名雲……! お前、とうとうそんな物にまで!」
センター長が、ブルブルと震え続ける名雲さんに詰め寄った。名雲さんは、違う違うと首を横に振る。薬物検査をすれば嘘だとすぐに分かってしまうだろうけど、あれだけ怖い思いをさせられたのだ。少しくらい復讐したって、いいじゃないか。それに、取り調べが長くなり、ちょっとでも長く絞られていてもらいたいという気持ちもあった。
「秋野さん! このことは、きちんとケリを付けさせていただきます!」
センター長が、薄い頭頂を私に見せた。肩はふるふると震えている。これはきっと、怒りからくるものだろう。
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