45 / 48
第四章 マンドラゴラの王様
45 会いたかった人
しおりを挟む
そう、誰もこれをあげるなんて言っていない。
「ここは我が家の土地です。よって、それの持ち主は私です。今すぐ返して下さい」
正論を言われ、ウドさんは返答に窮した。一歩下がる。ハヤク、ハヤクと声が叫ぶ。
「うっうるさいデス! 私はアーニャと幸せに暮らすんデス!」
ウドさんは何を思ったか、いきなり私の方に突進してきた。熊が襲いかかってくる様なその光景に、私の足は竦む。だけど、どうやら私にどうこうするつもりではなく、私の横をすり抜けて森の中に入ろうとしたらしいと途中で気付く。すると、私の隣に立っていた吾郎くんの手から飛び出した木の根が、躊躇なくウドさんを激しく殴打した。
「ぐわあっ!」
横倒しにされたウドさんだったけど、吾郎くんから伸びた根を掴むと、ぐいっと引っ張る。
「うわっ!」
吾郎くんがウドさんの方に引っ張り寄せられ、二人の揉み合いが始まってしまった。
「ワタシ、これがないとアーニャ守れないデス! キングなら他のマンドラゴラも守って下さいネ!」
「今、美空を襲ったな! 許さない!」
吾郎くんは、聞いちゃいなかった。遠慮なく、ウドさんの顔面に拳を叩きつけている。
「や、やってまセーン! 誤解デース!」
鼻血を出したウドさんは、ちょっと及び腰だ。キングを怒らせてしまったのが分かり、慄いているのかもしれない。なんせ、ペアの周りに異性が彷徨くだけで嫉妬して殺意を抱くマンドラゴラの中のマンドラゴラ、キング・マンドラゴラだ。切れ方が半端ない。本気で殺しに来ることがあるのをウドさんは身を以て理解しているから、恐怖もひとしおだろう。
「美空に手を出すな!」
「ノオオオ!」
物凄い展開に暫し唖然としていたけど、ふと見るとマンドラゴラの根っこの塊が横に落ちているじゃないか。私はそーっと気配を消しながら転がる二人の横を通り過ぎると、塊をパッと掴んで元あった場所へと急いで運ぶ。ハヤク、ハヤク。声達が私を急かした。
大きくぽっかりと開いてしまった穴へ、根っこを突っ込む。すると、下の方の根がスルスルと地面に向かって伸びていくのが見えた。間に合った、間に合った! 嬉しくなって、吾郎くんの方を笑顔で振り返る。
「吾郎くん! 間に合っ……」
立ち上がった瞬間、足許がずるりと崩れ落ちていく感覚が襲った。顔を上げた吾郎くんが、泣きそうな顔で何かを叫んでいる。ウドさんの大きく見開かれた目が、最後に見えた。
「美空!」
「美空サン! オーノー!」
大丈夫だよ、間に合ったよ。もう平気なんだから――。そう伝えたかったのに、何も言う前に、視界から二人の姿が消えてしまった。いや、消えたのは私の方だ。落ちているのは私の方だ。
空と崖が、視界一杯に広がっていた。
人身御供達は皆、この空を見たのだろうか。死を望まれて自ら身を投げるなんて、誰がしたいものか。さぞや怖かっただろう。悔しかっただろう。この空を見て、心が痛くなった。
美空、美空と繰り返し叫ぶ吾郎くんの声が遠のく。ごめん、最初から突き放さなければよかった。もっと素直になって、私も初めから吾郎くんが大好きだよとちゃんと伝えてあげればよかった。
後悔しても、時は戻せはしない。せめて吾郎くんが枯れない様に、私は聖域と共になろう。かつての人身御供達と同様に、聖域に願うのだ。吾郎くんを生かして下さいと。そして聖域に溶けて、吾郎くんの糧となろう。そうすればきっと、後は山崎さんが面倒を見てくれる。それが、せめてもの救いだ。
――ミソラ――。
先程まで聞こえていた植物達の声の中に、はっきりと私の名を呼ぶ声がある。
「えっ」
懐かしすぎる声だった。涙がブワッと溢れ、空を映していた視界が滲む。そろそろ地面にぶつかる衝撃が訪れるかと構えていたけど、それが一向に訪れない。そう思った瞬間、背中に柔らかい何かが当たり、私はそのまま空に跳ね上がった。そして再び落ちる。今度は見た。崖の中腹に、細い根で細かく編み込まれたネット状のものが張り巡らされているのを。
ボヨン、ボヨン、とトランポリンの様に何度かその上で跳ねていたけど、やがてそれも止む。
一体何が起こったのか。ネット状の根の上で、恐る恐る目を開けた。私は、生きている。それだけは分かった。
再び、私を呼ぶ懐かしい声がする。
「美空」
「あ……」
崖の中から飛び出している、ネットと繋がっている根っこがむくむくと盛り上がると、見る間に人の姿を形成していった。細い、折れそうなシルエット。私を見守る、優しい微笑み。あの姿は、間違いない。大好きだった、あの人の姿だ。
「美空、怪我はないかい?」
ボタボタと、今度は歓喜の涙が溢れる。会いたかった。ずっと会いたかった。
「――お父さん……!」
根で編み込まれた土色をした父の姿が、そこにあった。横向きに投げ出されていた身体を起こすと、ネットの上に四つん這いになる。とりあえず、隙間から落ちることはなさそうだ。私は無我夢中で揺れるネットの上を這い、父の元へと向かう。会いたいけど叶わないとずっと思っていたその人が、私の命を救ってくれた。
「お父さん、お父さああああんっ!」
ひし、と父に抱きつく。根っこで出来ているからか、柔らかさはない。それに、父には辛うじて身体の形と顔があるだけだ。だから抱き締め返してはもらえなかったけど、優しい声色は思い出の中の父そのものだった。形なんて、何でもいい。その声が、ずっと聞きたかった。
「美空、よかった」
にこりと笑う父の姿に、私の涙腺は完全に崩壊する。そして思った。会いたかった人の声は、こんなにも胸を締め付けるものなのかと。吾郎くんが私の声を聞いた時は、こんな気持ちになったのだろうか。会いたかった、ずっと会いたかったと、そう思ってくれたんだろうか。
「お父さん! 助けてくれてありがとう……!」
豪快に鼻水も垂らしながら父に縋っていると、父がふふ、と笑った。
「助けたのは、彼だよ」
「え?」
父が、上空をゆっくりと見上げる。父の目線を追うと、そこにいたのは、大きな木の幹にぐるぐる巻きにされて情けない顔をしているウドさんと、根の階段を作りながら駆け下りてくる吾郎くんの姿だった。
「吾郎くん……」
吾郎くんは、子供の様に泣いている。今すぐ駆け寄って、抱き締めてあげたかった。父は、吾郎くんに優しい眼差しを向けながら囁く様に喋る。なんせ根で出来ているので、生身の人間ほどはうまく声が出せないのかもしれない。
「彼が、美空を助けてと僕に頼んだんだ。勿論、皆の助けがないと僕だけでは無理だったけどね」
「皆……」
今度は足許を見る父の目線を、再び追った。私が乗っている根の網に、まるで水面を泳いでいるかの様に、時折人の顔や身体が象られては消えていく。この聖域に身を捧げた沢山の命だ。根の編地の中に、古びた布の切れ端も見える。誰のか分からないそれは、かつては綺麗な赤色をしていたのだろうと思わせた。
「ここは我が家の土地です。よって、それの持ち主は私です。今すぐ返して下さい」
正論を言われ、ウドさんは返答に窮した。一歩下がる。ハヤク、ハヤクと声が叫ぶ。
「うっうるさいデス! 私はアーニャと幸せに暮らすんデス!」
ウドさんは何を思ったか、いきなり私の方に突進してきた。熊が襲いかかってくる様なその光景に、私の足は竦む。だけど、どうやら私にどうこうするつもりではなく、私の横をすり抜けて森の中に入ろうとしたらしいと途中で気付く。すると、私の隣に立っていた吾郎くんの手から飛び出した木の根が、躊躇なくウドさんを激しく殴打した。
「ぐわあっ!」
横倒しにされたウドさんだったけど、吾郎くんから伸びた根を掴むと、ぐいっと引っ張る。
「うわっ!」
吾郎くんがウドさんの方に引っ張り寄せられ、二人の揉み合いが始まってしまった。
「ワタシ、これがないとアーニャ守れないデス! キングなら他のマンドラゴラも守って下さいネ!」
「今、美空を襲ったな! 許さない!」
吾郎くんは、聞いちゃいなかった。遠慮なく、ウドさんの顔面に拳を叩きつけている。
「や、やってまセーン! 誤解デース!」
鼻血を出したウドさんは、ちょっと及び腰だ。キングを怒らせてしまったのが分かり、慄いているのかもしれない。なんせ、ペアの周りに異性が彷徨くだけで嫉妬して殺意を抱くマンドラゴラの中のマンドラゴラ、キング・マンドラゴラだ。切れ方が半端ない。本気で殺しに来ることがあるのをウドさんは身を以て理解しているから、恐怖もひとしおだろう。
「美空に手を出すな!」
「ノオオオ!」
物凄い展開に暫し唖然としていたけど、ふと見るとマンドラゴラの根っこの塊が横に落ちているじゃないか。私はそーっと気配を消しながら転がる二人の横を通り過ぎると、塊をパッと掴んで元あった場所へと急いで運ぶ。ハヤク、ハヤク。声達が私を急かした。
大きくぽっかりと開いてしまった穴へ、根っこを突っ込む。すると、下の方の根がスルスルと地面に向かって伸びていくのが見えた。間に合った、間に合った! 嬉しくなって、吾郎くんの方を笑顔で振り返る。
「吾郎くん! 間に合っ……」
立ち上がった瞬間、足許がずるりと崩れ落ちていく感覚が襲った。顔を上げた吾郎くんが、泣きそうな顔で何かを叫んでいる。ウドさんの大きく見開かれた目が、最後に見えた。
「美空!」
「美空サン! オーノー!」
大丈夫だよ、間に合ったよ。もう平気なんだから――。そう伝えたかったのに、何も言う前に、視界から二人の姿が消えてしまった。いや、消えたのは私の方だ。落ちているのは私の方だ。
空と崖が、視界一杯に広がっていた。
人身御供達は皆、この空を見たのだろうか。死を望まれて自ら身を投げるなんて、誰がしたいものか。さぞや怖かっただろう。悔しかっただろう。この空を見て、心が痛くなった。
美空、美空と繰り返し叫ぶ吾郎くんの声が遠のく。ごめん、最初から突き放さなければよかった。もっと素直になって、私も初めから吾郎くんが大好きだよとちゃんと伝えてあげればよかった。
後悔しても、時は戻せはしない。せめて吾郎くんが枯れない様に、私は聖域と共になろう。かつての人身御供達と同様に、聖域に願うのだ。吾郎くんを生かして下さいと。そして聖域に溶けて、吾郎くんの糧となろう。そうすればきっと、後は山崎さんが面倒を見てくれる。それが、せめてもの救いだ。
――ミソラ――。
先程まで聞こえていた植物達の声の中に、はっきりと私の名を呼ぶ声がある。
「えっ」
懐かしすぎる声だった。涙がブワッと溢れ、空を映していた視界が滲む。そろそろ地面にぶつかる衝撃が訪れるかと構えていたけど、それが一向に訪れない。そう思った瞬間、背中に柔らかい何かが当たり、私はそのまま空に跳ね上がった。そして再び落ちる。今度は見た。崖の中腹に、細い根で細かく編み込まれたネット状のものが張り巡らされているのを。
ボヨン、ボヨン、とトランポリンの様に何度かその上で跳ねていたけど、やがてそれも止む。
一体何が起こったのか。ネット状の根の上で、恐る恐る目を開けた。私は、生きている。それだけは分かった。
再び、私を呼ぶ懐かしい声がする。
「美空」
「あ……」
崖の中から飛び出している、ネットと繋がっている根っこがむくむくと盛り上がると、見る間に人の姿を形成していった。細い、折れそうなシルエット。私を見守る、優しい微笑み。あの姿は、間違いない。大好きだった、あの人の姿だ。
「美空、怪我はないかい?」
ボタボタと、今度は歓喜の涙が溢れる。会いたかった。ずっと会いたかった。
「――お父さん……!」
根で編み込まれた土色をした父の姿が、そこにあった。横向きに投げ出されていた身体を起こすと、ネットの上に四つん這いになる。とりあえず、隙間から落ちることはなさそうだ。私は無我夢中で揺れるネットの上を這い、父の元へと向かう。会いたいけど叶わないとずっと思っていたその人が、私の命を救ってくれた。
「お父さん、お父さああああんっ!」
ひし、と父に抱きつく。根っこで出来ているからか、柔らかさはない。それに、父には辛うじて身体の形と顔があるだけだ。だから抱き締め返してはもらえなかったけど、優しい声色は思い出の中の父そのものだった。形なんて、何でもいい。その声が、ずっと聞きたかった。
「美空、よかった」
にこりと笑う父の姿に、私の涙腺は完全に崩壊する。そして思った。会いたかった人の声は、こんなにも胸を締め付けるものなのかと。吾郎くんが私の声を聞いた時は、こんな気持ちになったのだろうか。会いたかった、ずっと会いたかったと、そう思ってくれたんだろうか。
「お父さん! 助けてくれてありがとう……!」
豪快に鼻水も垂らしながら父に縋っていると、父がふふ、と笑った。
「助けたのは、彼だよ」
「え?」
父が、上空をゆっくりと見上げる。父の目線を追うと、そこにいたのは、大きな木の幹にぐるぐる巻きにされて情けない顔をしているウドさんと、根の階段を作りながら駆け下りてくる吾郎くんの姿だった。
「吾郎くん……」
吾郎くんは、子供の様に泣いている。今すぐ駆け寄って、抱き締めてあげたかった。父は、吾郎くんに優しい眼差しを向けながら囁く様に喋る。なんせ根で出来ているので、生身の人間ほどはうまく声が出せないのかもしれない。
「彼が、美空を助けてと僕に頼んだんだ。勿論、皆の助けがないと僕だけでは無理だったけどね」
「皆……」
今度は足許を見る父の目線を、再び追った。私が乗っている根の網に、まるで水面を泳いでいるかの様に、時折人の顔や身体が象られては消えていく。この聖域に身を捧げた沢山の命だ。根の編地の中に、古びた布の切れ端も見える。誰のか分からないそれは、かつては綺麗な赤色をしていたのだろうと思わせた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる