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序章 転移
第24話 OLサツキ、苦戦する
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サツキは説明が下手くそだ。いや、言い方が間違っていた。
会話が苦手だ。
つい相手の顔色を窺ってしまう。相手が少しでも嫌な顔をすると、話したくても頭が真っ白になってしまい何も言えなくなる。お局様に嫌味を言われても、社長の愛人にガキだと笑われても、社長夫人にとろいと笑われても、へらへらと笑い返すしか出来なかった。
社長が明らかにわざとすれ違い様にサツキの胸を腕で触っても、何事もなかったかの様な顔をされて結局はいつも泣き寝入り。営業や外部から来た人達はサツキを同情的な目で見てくれていたが、営業なだけあって会社に殆どいない。
社宅のアパートの隣に住む山岸祐介は時折庇う様な素振りを見せたが、どうもあのスーツは大人の男くさくて畏怖の念が先に立つ。サツキの父はサツキと大して背丈の変わらないこじんまりとしたおじさんなので、自分よりも背の高い男性は苦手だった。
アールとユラは、きっとリアムの背が高いからだろう、あまり怖くはなかった。それに馬鹿っぽかったし。だがあの女性達へのデレっぷりを見ていると、これもサツキがリアムという男性の身体に憑依しているからに違いない。サツキがサツキのままの身体で目の前に現れたら、きっと彼等の態度は変わる。
だけどウルスラだけは信用出来た。
ウルスラはどうも元々リアムに好意を抱いていた様だし、アールとユラが阿呆っぽいのもちゃんと分かっている。その上でイケメンパーティーを組むという思い切りの良さも持った、素直ないい女性だ。
恐らく話の大半は理解出来ていないだろうが、椅子に座り足を組み、ついでに腕も組んでうんうんと頷いていた。
「あの、今の説明で分かった?」
「サツキは女の子で、こことは別の世界から来た。来る時に死にそうになって、その時に『男になりたい』って思った、て訳ね」
「うん、そう! 凄いウルスラ!」
「やだサツキってば」
照れくさそうにウルスラが笑った。
「実は私、その、男の人が苦手で」
「え? そうなの? アール達とは普通に話してたじゃない」
サツキはもじもじと人差し指同士をくねくねさせる。
「その、あの、私、む、む」
「何? 頑張れサツキ! 言っちゃえ!」
ウルスラが応援してくれたので、勇気を出した。
「胸が凄い大きかったの!」
言ってしまった。そして、ウルスラの目が点になっていた。しまった、話の持って行き方が間違っていたかもしれない。かあ、と顔が赤くなって涙が滲む。折角頑張れって言ってくれたのに。
「さ、サツキ、ちゃんと聞いてるから泣かないで」
「う……ごめん」
ぐず、と鼻水を啜ると、サツキは勇気を振り絞って続けた。
「……皆、男の人って胸しか見なくて、恥ずかしいし怖いし、恋人も居たことないし、だからこのリアムさんの身体もよく分からないし……」
潤んだ瞳で、ウルスラを見つめた。
「ウルスラ、助けて」
ウルスラが、唾をごくりと呑み込んだのが分かった。
会話が苦手だ。
つい相手の顔色を窺ってしまう。相手が少しでも嫌な顔をすると、話したくても頭が真っ白になってしまい何も言えなくなる。お局様に嫌味を言われても、社長の愛人にガキだと笑われても、社長夫人にとろいと笑われても、へらへらと笑い返すしか出来なかった。
社長が明らかにわざとすれ違い様にサツキの胸を腕で触っても、何事もなかったかの様な顔をされて結局はいつも泣き寝入り。営業や外部から来た人達はサツキを同情的な目で見てくれていたが、営業なだけあって会社に殆どいない。
社宅のアパートの隣に住む山岸祐介は時折庇う様な素振りを見せたが、どうもあのスーツは大人の男くさくて畏怖の念が先に立つ。サツキの父はサツキと大して背丈の変わらないこじんまりとしたおじさんなので、自分よりも背の高い男性は苦手だった。
アールとユラは、きっとリアムの背が高いからだろう、あまり怖くはなかった。それに馬鹿っぽかったし。だがあの女性達へのデレっぷりを見ていると、これもサツキがリアムという男性の身体に憑依しているからに違いない。サツキがサツキのままの身体で目の前に現れたら、きっと彼等の態度は変わる。
だけどウルスラだけは信用出来た。
ウルスラはどうも元々リアムに好意を抱いていた様だし、アールとユラが阿呆っぽいのもちゃんと分かっている。その上でイケメンパーティーを組むという思い切りの良さも持った、素直ないい女性だ。
恐らく話の大半は理解出来ていないだろうが、椅子に座り足を組み、ついでに腕も組んでうんうんと頷いていた。
「あの、今の説明で分かった?」
「サツキは女の子で、こことは別の世界から来た。来る時に死にそうになって、その時に『男になりたい』って思った、て訳ね」
「うん、そう! 凄いウルスラ!」
「やだサツキってば」
照れくさそうにウルスラが笑った。
「実は私、その、男の人が苦手で」
「え? そうなの? アール達とは普通に話してたじゃない」
サツキはもじもじと人差し指同士をくねくねさせる。
「その、あの、私、む、む」
「何? 頑張れサツキ! 言っちゃえ!」
ウルスラが応援してくれたので、勇気を出した。
「胸が凄い大きかったの!」
言ってしまった。そして、ウルスラの目が点になっていた。しまった、話の持って行き方が間違っていたかもしれない。かあ、と顔が赤くなって涙が滲む。折角頑張れって言ってくれたのに。
「さ、サツキ、ちゃんと聞いてるから泣かないで」
「う……ごめん」
ぐず、と鼻水を啜ると、サツキは勇気を振り絞って続けた。
「……皆、男の人って胸しか見なくて、恥ずかしいし怖いし、恋人も居たことないし、だからこのリアムさんの身体もよく分からないし……」
潤んだ瞳で、ウルスラを見つめた。
「ウルスラ、助けて」
ウルスラが、唾をごくりと呑み込んだのが分かった。
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