52 / 100
第九章 特訓開始
52.仲良しこよしはいいけれども
しおりを挟む
ヤエコ、つまり亮太の曾祖母ちゃんは亮太に大学の合格祝いに色鉛筆を贈ってくれたすぐ後に亡くなった。
その曾祖母ちゃんが、大丈夫だと言った?
そういえば、アキラは始めにそれを亮太が指摘した時に亮太は平気だと分かるから大丈夫な様なことを言っていた。でも企業秘密だと。
亮太は、恐る恐るアキラに聞いた。
「曾祖母ちゃんが、視えてる?」
多分、涼太の背後にいるのだ。アキラが深く頷いた。
「人の良さそうな笑顔で、いる」
「まじか」
亮太が驚いていると、狗神がアキラの説明に補足してきた。
「亮太、いつもいつもはっきりといらっしゃる訳でないですよ。時折亮太を助けられる際に視える程度ですから、排泄や恥ずかしい台詞などはお気になさらずとも大丈夫ですよ」
「はあ」
そういうことを聞きたい訳ではなかったのだが、まあ恥ずかしい台詞は聞かれないに越したことはない。
狗神が続けた。
「さすがに同じ部屋に暮らすとなると八岐大蛇の影響があるかと思い亮太に勾玉を貸し出しましたが、その様な心配は不要な程強力な守護でした」
「曾祖母ちゃん、そんなに凄いのか?」
狗神が深く深く頷く。
「善意とお人好しの塊、亮太そのものです」
「おい」
「褒めてるんですよ。善良過ぎて誰も亮太を騙そうなどとしませんから」
前に蛟が言っていた、にこにこ何とかだ。
「そうかー……曾祖母ちゃんが守ってくれてたんだな」
何だか力が抜けてしまい、亮太はその場にへたりと座り込んだ。時折感じた、頭を撫でたり肩をポンと叩いたりしてた手。あれはきっと曾祖母ちゃんだったのだ。
こころがほっこりと暖かくなった。土の下に眠り消えた訳ではなかったのだ。一人で居ることを心のどこかで恐れていた亮太に、こいつらを巡り合わせてくれたのだ。
「曾祖母ちゃん、ありがとな」
宙に向かって言うと、ポン、とまた頭を撫でられた気がした。よし、やる気が出てきた。
亮太は腿を両手のひらでパン! と叩くと、コウに向き直った。
「コウ、コウの鍛え方ってどうするんだ?」
同じ名前だと言いにくくて仕方ないが、コウは理解してくれるだろう。コウが腕を組み考察を語る。
「私のコウが新たな技を出せる様になったのは、亮太との関係がいいことが原因ではないかと思うんだ。どうだ、私のコウ?」
それまで亮太の胸ポケットにいて静かにしていた蛟がひょっこりと顔を覗かせた。
「あれはねー、亮太好きーって思ったら出来たの」
そう言いながら蛟が亮太を見上げる小さな顔の可愛いこと。亮太は思わず目尻が下がってしまった。
「俺もコウが好きだぞー」
「えっ」
亮太が言うと、人間のコウからそんな声が漏れた。亮太がコウを振り返ると、頬が赤くなっている。どうやら勘違いさせてしまったらしいが、でもまあコウも勿論嫌いではない。
「蛇のコウも好きだけど、人間のコウも好きだぞ」
亮太は言い直してみた。昨晩は一緒に酒を飲み、沢山話が出来てとても楽しかった。コウがいい奴なのも分かったし、これから当分は一緒に住むのだ。男同士同じ布団に寝てるのはまあ正直あれだが、特段嫌とは思わなかった。
「そ、そ、そうか」
コウが怒った様な顔をしている。どうしたのだろうか。狗神に助けを求めるが目をふっと逸らされた。アキラを見たが、窓の外を向いて肩を震わせていた。もしや笑ってるのか?
ただいい奴だと思って言ったのに、何なんだこの反応は。亮太は首を傾げた。まあいい、話を進めたかった。
「ということは、コウは褒めて育つタイプってことか?」
「そ、そういうことだな。まずは目の前に敵となる者がいなくとも蛟龍になれる様に特訓しようか。そこから、嵐の様な雨ではなく禊に向く様な柔らかい雨を呼べる様になるといいかな」
「僕、頑張るのー」
「では、家事は私とアキラ様の方で引き受けましょう。亮太とコウ様は日中は蛟との特訓に専念して下さい」
狗神の言葉に全員が頷いた。
「11月中に全ての首が退治出来ることを目標に頑張りましょう」
「分かった」
亮太が頷くと、狗神が亮太の目の前に歩み寄りきちっと座って亮太を見上げた。
「亮太、ありがとうございます」
亮太は、狗神の頭をポンポン、と笑顔で撫でた。
「当然のことだろ?」
◇
蛟が亮太に呼応して蛟龍になる練習は、外はもう蛟には寒すぎるので、コウが八咫鏡で風呂場を温めながら行なうというかなり窮屈な特訓となった。
男二人が狭い洗い場で腕をくっつけて並んで座り続ける特訓に亮太はさすがに首を傾げたくなったが、だがそうすると蛟のやる気が出るらしい。
「コウ様と亮太、仲良しが嬉しいのー」
「分かった分かった、よし、じゃあもう一回やってみよう。な?」
「んー難しいのー」
蛟が集中すると確かに少し光って変化しそうになるのだが、集中が途切れてしまうのかすぐに光が引っ込んでしまうのだ。
「切羽詰まった感が足りないんじゃねえか?」
亮太が隣で鏡を持って構えているコウに尋ねた。風呂場は鏡から出る光の所為でかなり暖かい。コウの鼻の頭が少し汗をかいていた。
「切羽詰まった感というよりも、私のコウが喜ぶ様なことの方がいいんじゃないか?」
「僕、亮太にお願いされて頼りにされて嬉しかったのー」
「ほら」
「成程なあ」
何か妙案はないものか。亮太は考えるがなかなか思い浮かばない。もうここまでの段階で、口で褒めたりするのは散々やっていた。
しかし暑い。
「ちょっと休憩するか」
「そうだな」
亮太がよっこらせと立ち上がるが、コウの動きがおかしい。何かを我慢している様な。
「コウ?」
すると、コウが苦笑いして亮太を見上げた。
「足が痺れた」
「はは、狭いからなあ。ほら、手を貸せ」
「うん」
亮太が差し出した手をコウが掴み、壁に手をつきながら痛そうにゆっくりと立ち上がった。
すると。
「うふふー! コウ様と亮太、仲良しこよしなのー!」
蛟が手を取り合った二人を見てそう言うと、水の不可思議な揺らぎの光を放ち始め、数瞬の後、変化した。
「え?」
亮太とコウは手を繋いだまま、煌めく蛟をただ呆然と見つめる。
「わーい! 出来たよー!」
「え? コウ、何で出来た?」
「え? え?」
亮太とコウがはしゃいでいる蛟に聞くと、蛇の姿よりも表情が豊かになるらしい龍の目をニッコリと細め、蛟が教えてくれた。
「お手て繋ぐの仲良しの証拠なのー」
「お手て?」
亮太はコウと繋いだままの手を見た。これがトリガーになったのか?
亮太はそうっと手を離してみる。すると、蛟ががっかりした顔をし、シュルシュルと元の白蛇の姿に戻ってしまった。
成程、草薙剣が出ていない時は変化するきっかけが消失すると元に戻ってしまうらしい。
亮太は試しに蛟に見える様にコウと手を繋いでみると、また水の煌めきが増してきて、あっさりと蛟龍に変化した。
「え? たったこれだけで?」
「亮太、これは亮太が私のコウと良好な関係を築けたからこそだろう」
亮太とコウは顔を見合わせた。特訓二日目にして出来てしまった。
「やったな、亮太」
コウが微笑んだ。興奮が亮太を襲った。
「凄いぞコウ!」
亮太は蛟の頑張りにじんとしてしまい、更にアキラ救出への第一歩が踏めたことに感無量になり。
「やったぞコウ!」
と言うと思わずコウに抱きつきコウを揺すった。
「ひゃっ」
「出来た出来た! 凄いぞ二人とも!」
「亮太、コウ様大好き? 大好き?」
蛟がキラキラと目を輝かせると、三人の周囲にみるみる内に水の壁が立ち登り始めた。
「亮太落ち着け! 見てくれ、これは……!」
「へ?」
亮太が周囲を確認すると、何と水の壁が三人をすっぽりと取り囲んでいた。
「これは、コウが……?」
亮太は感動して人差し指で壁をつつくと、反対側に指があっさりと突き抜けた。薄い水の壁なのだ。ゆらゆらと太陽の光を反射して、何とも言えないその色彩に亮太は思わず心を奪われ、コウを抱き締めていた手が緩む。
すると。
バッチャーーン!
「うわあああっ」
亮太とコウの上に大量の水が降ってきた。一瞬のことだったが、髪からぼたぼた落ちてくる水を両手で払って周りを確認すると、もう水の壁はなくなっていた。
風呂釜の方には、小さくなった蛟。
「え?」
びしょ濡れになった亮太とコウは、また顔を見合わせたのだった。
その曾祖母ちゃんが、大丈夫だと言った?
そういえば、アキラは始めにそれを亮太が指摘した時に亮太は平気だと分かるから大丈夫な様なことを言っていた。でも企業秘密だと。
亮太は、恐る恐るアキラに聞いた。
「曾祖母ちゃんが、視えてる?」
多分、涼太の背後にいるのだ。アキラが深く頷いた。
「人の良さそうな笑顔で、いる」
「まじか」
亮太が驚いていると、狗神がアキラの説明に補足してきた。
「亮太、いつもいつもはっきりといらっしゃる訳でないですよ。時折亮太を助けられる際に視える程度ですから、排泄や恥ずかしい台詞などはお気になさらずとも大丈夫ですよ」
「はあ」
そういうことを聞きたい訳ではなかったのだが、まあ恥ずかしい台詞は聞かれないに越したことはない。
狗神が続けた。
「さすがに同じ部屋に暮らすとなると八岐大蛇の影響があるかと思い亮太に勾玉を貸し出しましたが、その様な心配は不要な程強力な守護でした」
「曾祖母ちゃん、そんなに凄いのか?」
狗神が深く深く頷く。
「善意とお人好しの塊、亮太そのものです」
「おい」
「褒めてるんですよ。善良過ぎて誰も亮太を騙そうなどとしませんから」
前に蛟が言っていた、にこにこ何とかだ。
「そうかー……曾祖母ちゃんが守ってくれてたんだな」
何だか力が抜けてしまい、亮太はその場にへたりと座り込んだ。時折感じた、頭を撫でたり肩をポンと叩いたりしてた手。あれはきっと曾祖母ちゃんだったのだ。
こころがほっこりと暖かくなった。土の下に眠り消えた訳ではなかったのだ。一人で居ることを心のどこかで恐れていた亮太に、こいつらを巡り合わせてくれたのだ。
「曾祖母ちゃん、ありがとな」
宙に向かって言うと、ポン、とまた頭を撫でられた気がした。よし、やる気が出てきた。
亮太は腿を両手のひらでパン! と叩くと、コウに向き直った。
「コウ、コウの鍛え方ってどうするんだ?」
同じ名前だと言いにくくて仕方ないが、コウは理解してくれるだろう。コウが腕を組み考察を語る。
「私のコウが新たな技を出せる様になったのは、亮太との関係がいいことが原因ではないかと思うんだ。どうだ、私のコウ?」
それまで亮太の胸ポケットにいて静かにしていた蛟がひょっこりと顔を覗かせた。
「あれはねー、亮太好きーって思ったら出来たの」
そう言いながら蛟が亮太を見上げる小さな顔の可愛いこと。亮太は思わず目尻が下がってしまった。
「俺もコウが好きだぞー」
「えっ」
亮太が言うと、人間のコウからそんな声が漏れた。亮太がコウを振り返ると、頬が赤くなっている。どうやら勘違いさせてしまったらしいが、でもまあコウも勿論嫌いではない。
「蛇のコウも好きだけど、人間のコウも好きだぞ」
亮太は言い直してみた。昨晩は一緒に酒を飲み、沢山話が出来てとても楽しかった。コウがいい奴なのも分かったし、これから当分は一緒に住むのだ。男同士同じ布団に寝てるのはまあ正直あれだが、特段嫌とは思わなかった。
「そ、そ、そうか」
コウが怒った様な顔をしている。どうしたのだろうか。狗神に助けを求めるが目をふっと逸らされた。アキラを見たが、窓の外を向いて肩を震わせていた。もしや笑ってるのか?
ただいい奴だと思って言ったのに、何なんだこの反応は。亮太は首を傾げた。まあいい、話を進めたかった。
「ということは、コウは褒めて育つタイプってことか?」
「そ、そういうことだな。まずは目の前に敵となる者がいなくとも蛟龍になれる様に特訓しようか。そこから、嵐の様な雨ではなく禊に向く様な柔らかい雨を呼べる様になるといいかな」
「僕、頑張るのー」
「では、家事は私とアキラ様の方で引き受けましょう。亮太とコウ様は日中は蛟との特訓に専念して下さい」
狗神の言葉に全員が頷いた。
「11月中に全ての首が退治出来ることを目標に頑張りましょう」
「分かった」
亮太が頷くと、狗神が亮太の目の前に歩み寄りきちっと座って亮太を見上げた。
「亮太、ありがとうございます」
亮太は、狗神の頭をポンポン、と笑顔で撫でた。
「当然のことだろ?」
◇
蛟が亮太に呼応して蛟龍になる練習は、外はもう蛟には寒すぎるので、コウが八咫鏡で風呂場を温めながら行なうというかなり窮屈な特訓となった。
男二人が狭い洗い場で腕をくっつけて並んで座り続ける特訓に亮太はさすがに首を傾げたくなったが、だがそうすると蛟のやる気が出るらしい。
「コウ様と亮太、仲良しが嬉しいのー」
「分かった分かった、よし、じゃあもう一回やってみよう。な?」
「んー難しいのー」
蛟が集中すると確かに少し光って変化しそうになるのだが、集中が途切れてしまうのかすぐに光が引っ込んでしまうのだ。
「切羽詰まった感が足りないんじゃねえか?」
亮太が隣で鏡を持って構えているコウに尋ねた。風呂場は鏡から出る光の所為でかなり暖かい。コウの鼻の頭が少し汗をかいていた。
「切羽詰まった感というよりも、私のコウが喜ぶ様なことの方がいいんじゃないか?」
「僕、亮太にお願いされて頼りにされて嬉しかったのー」
「ほら」
「成程なあ」
何か妙案はないものか。亮太は考えるがなかなか思い浮かばない。もうここまでの段階で、口で褒めたりするのは散々やっていた。
しかし暑い。
「ちょっと休憩するか」
「そうだな」
亮太がよっこらせと立ち上がるが、コウの動きがおかしい。何かを我慢している様な。
「コウ?」
すると、コウが苦笑いして亮太を見上げた。
「足が痺れた」
「はは、狭いからなあ。ほら、手を貸せ」
「うん」
亮太が差し出した手をコウが掴み、壁に手をつきながら痛そうにゆっくりと立ち上がった。
すると。
「うふふー! コウ様と亮太、仲良しこよしなのー!」
蛟が手を取り合った二人を見てそう言うと、水の不可思議な揺らぎの光を放ち始め、数瞬の後、変化した。
「え?」
亮太とコウは手を繋いだまま、煌めく蛟をただ呆然と見つめる。
「わーい! 出来たよー!」
「え? コウ、何で出来た?」
「え? え?」
亮太とコウがはしゃいでいる蛟に聞くと、蛇の姿よりも表情が豊かになるらしい龍の目をニッコリと細め、蛟が教えてくれた。
「お手て繋ぐの仲良しの証拠なのー」
「お手て?」
亮太はコウと繋いだままの手を見た。これがトリガーになったのか?
亮太はそうっと手を離してみる。すると、蛟ががっかりした顔をし、シュルシュルと元の白蛇の姿に戻ってしまった。
成程、草薙剣が出ていない時は変化するきっかけが消失すると元に戻ってしまうらしい。
亮太は試しに蛟に見える様にコウと手を繋いでみると、また水の煌めきが増してきて、あっさりと蛟龍に変化した。
「え? たったこれだけで?」
「亮太、これは亮太が私のコウと良好な関係を築けたからこそだろう」
亮太とコウは顔を見合わせた。特訓二日目にして出来てしまった。
「やったな、亮太」
コウが微笑んだ。興奮が亮太を襲った。
「凄いぞコウ!」
亮太は蛟の頑張りにじんとしてしまい、更にアキラ救出への第一歩が踏めたことに感無量になり。
「やったぞコウ!」
と言うと思わずコウに抱きつきコウを揺すった。
「ひゃっ」
「出来た出来た! 凄いぞ二人とも!」
「亮太、コウ様大好き? 大好き?」
蛟がキラキラと目を輝かせると、三人の周囲にみるみる内に水の壁が立ち登り始めた。
「亮太落ち着け! 見てくれ、これは……!」
「へ?」
亮太が周囲を確認すると、何と水の壁が三人をすっぽりと取り囲んでいた。
「これは、コウが……?」
亮太は感動して人差し指で壁をつつくと、反対側に指があっさりと突き抜けた。薄い水の壁なのだ。ゆらゆらと太陽の光を反射して、何とも言えないその色彩に亮太は思わず心を奪われ、コウを抱き締めていた手が緩む。
すると。
バッチャーーン!
「うわあああっ」
亮太とコウの上に大量の水が降ってきた。一瞬のことだったが、髪からぼたぼた落ちてくる水を両手で払って周りを確認すると、もう水の壁はなくなっていた。
風呂釜の方には、小さくなった蛟。
「え?」
びしょ濡れになった亮太とコウは、また顔を見合わせたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
王命って何ですか? 虐げられ才女は理不尽な我慢をやめることにした
まるまる⭐️
恋愛
【第18回恋愛小説大賞において優秀賞を頂戴致しました。応援頂いた読者の皆様に心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました】
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる