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11 タチアナの真実
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人混みを掻き分けて、何とか城門から出ることに成功した。露台を振り返ると、ティナと衛兵の姿は遠目から確認出来たが、イリスの姿が見えない。
まさか追いかけてきてるんじゃ。俺は左右を見渡すと、人が少ない方へとタチアナを引っ張って行った。
「アリス! アリス、どうしたの!?」
無我夢中で逃げていると、息を切らしたタチアナが聞いてくる。
「はあっはあっ! どっちに、どっちに行こう!?」
「ちょっとアリス、落ち着いて!」
「嫌だ、逃げないと、俺はタチアナがいいんだ、タチアナが……!」
俺は混乱し切っていた。驚いた表情のイリス。俺を見て駆け寄ってきたのは、責務とティナから逃げてのうのうと暮らしている俺を責めたいんじゃないか。
お前が逃げた所為でこんな目に遭ってどうしてくれるんだ、と怒られるんじゃないか。その通りで何も言えなくなるのは分かっていたから、俺に出来るのはこの場から逃げ去ることだけだった。
万が一捕まってまた交代になってしまった場合、俺は本物のティナと結婚しなければならなくなる。嫌だ。絶対に嫌だ。
「アリス!」
突然タチアナが怒鳴ったかと思うと、俺の腕をぐいっと引っ張って横道へと入っていく。大通りから一本入った道は、白磁の地域だから治安は悪くはないのだろうが、薄暗くて少し気味が悪い。
だが、タチアナは慣れた様子で迷うことなく俺を引っ張って行った。
暫く進むと、開けた場所に出た。公園だ。家族連れや恋人同士たちが、のんびりと芝生の上に寝そべったりしている。牧歌的な光景で、俺の中を駆け巡っていた焦燥感がしわしわと萎んでいくのが分かった。
「……どこかに座って、話をしようか」
「……うん」
タチアナは、俺の手を引いたまま公園の片隅へと連れて行く。これじゃまるで子供みたいで情けなかったが、今はそうしてくれるのが嬉しくもあった。
「ここに座ろう」
「うん」
他の人から少し離れた芝生の上に、タチアナが座る。俺はその横に膝を抱えて座ると、いつの間にかスカーフがどこかへ行ってしまい剥き出しにされた、例の赤い痣を見つめた。
俺の視線に気付いているのだろう、タチアナは観念した様な笑みを浮かべる。
「……バレちゃったか。まあ、いずれバレるとは思ったけど」
あの時のティナの発言の様な、痣を恥ずかしがる様な気配はなかった。姿勢良く堂々としていて、やっぱりタチアナは格好いいな、なんて思う。
そう、タチアナはずっと格好よかった。
悪漢を追っ払う姿も格好良かったし、自分の好き嫌いをちゃんと分かってて、自分の意見をしっかりと持っていて、楽しい時は目一杯笑っているのをずっと横で見ていて、羨ましく思っていた。
痣に手を触れながら、微笑みながら語り始める。
「これはね、生まれた時からある痣なんだって。父さんも母さんも、この痣を恥じる様なことは一度も言わなくてね。『これがあれば迷子になっても必ず見つけ出せるお守りだね』なんて言われながら育たから、私もずっとそう思って育ってきたの。……アリスは、痣をどう思う?」
痣があるからといって、タチアナの中身は変わらない。
それに、これは俺にあの時のティナがタチアナだと教えてくれた、大切な印だ。だから、俺はその通りに伝えることにした。
「その痣が、俺をタチアナの元に導いてくれたと思っているよ。なのに嫌なことなんてあるもんか」
「ふふ、ありがと、アリス」
タチアナは痣から手を降ろすと、芝生の上についた俺の手にそれを重ねる。
「私の話、聞いてくれる?」
「勿論だよ。俺はタチアナのことだったら、何でも知りたい」
タチアナの指に、自分の指を絡める。タチアナは照れくさそうにまつ毛を伏せると、これまでの経緯を話し始めた。
「私のおばあちゃんは平民なんだけど、双子だったんだ。二人とも、若い頃は私にそっくりだったんだって」
話を遮らないよう、頷くに留める。
「で、おばあちゃんの妹が、当時のシュタインベルガーの当主に見初められて、妾として連れて行かれた訳」
なるほど、それではティナとタチアナが血縁かもしれないなんて思ったのは、本当に正しかったのだ。俺はこくこくと頷いてみせた。
「だから親戚に貴族、しかも公爵なんて凄い身分の人がいるんだけど、何年か前にね、その……」
タチアナが、言い淀む。何か言いづらいことでもあるのだろうか。あまり無理強いするのもどうだろう。
「あの、言いたくないことは言わなくても」
俺が遠慮がちに告げると、タチアナは急にぱっと顔を上げて真剣な表情で俺をまっすぐに射抜く様に見た。
「ううん。ええとね、アリスタ王子が曲者に襲われたことがあったの」
「……うん。知ってる」
俺はそう言うと、二の腕をちらりと見る。襲われ、大量出血した。痛くて痛くて泣いて、大丈夫だと俺の腕を綺麗な服を破って止血してくれたのは誰だったか。
私の所為だ、私の所為だと悔しそうに言っていたのは誰だっただろうか。あの時は、まだイリスはいなかった筈だ。
怪我の治りかけの頃に、俺の枕元に立って俺を見下ろしていた、それが最初に見たイリスだった記憶しかない。
また、ズキンと二の腕の傷が痛んだ。この間から、おかしい。
タチアナが続ける。
「すでに娘が王子と婚約関係にあったシュタインベルガー公爵様は、王子が狙われるなら自分の娘も狙われるんじゃないかと思ったのね。あの手この手を使って私を探し当てると、ティナ様の影武者になれと言ってきた」
なるほど、如何にもあの公爵が考えそうなことだ、といつも冷たい顔をした公爵の顔を思い浮かべた。
自分の娘の命が助かれば他の血縁の命なんてどうでもいい、と普通に思っていそうである。
「勿論、父も母も大反対した。でもね、病弱だった弟にいい療養所を提供すると言われて、私は引き受けることにしたの」
「弟……」
「うん、今は元気になって両親と一緒に織物屋をやってるよ。お金も十分貰えたし、両親も老後まで生活は安泰だし。その点では、この話があって本当によかったと思ってる。未だに父は、最初にシュタインベルガー公爵様に言われたことを怒ってるけどね」
では、シュタインベルガー公爵の申し出は悪いものではなかったのか。少なくとも今、タチアナの笑顔には憂いはない。
「なんて言われたの?」
タチアナは、暫し無言で俺の目を見つめる。どうしたんだろう。何を言われたんだろうか。そんなに酷いことを言ったんだろうか。
気になりながらも、急かすのは気が引けて黙っていると。
タチアナが、言った。
「アリスタ王子の影武者の様に立派にお役目を果たした後には、残された家族が困らない様に金を出すから安心しろってね」
「え……」
俺は、言葉を失った。
まさか追いかけてきてるんじゃ。俺は左右を見渡すと、人が少ない方へとタチアナを引っ張って行った。
「アリス! アリス、どうしたの!?」
無我夢中で逃げていると、息を切らしたタチアナが聞いてくる。
「はあっはあっ! どっちに、どっちに行こう!?」
「ちょっとアリス、落ち着いて!」
「嫌だ、逃げないと、俺はタチアナがいいんだ、タチアナが……!」
俺は混乱し切っていた。驚いた表情のイリス。俺を見て駆け寄ってきたのは、責務とティナから逃げてのうのうと暮らしている俺を責めたいんじゃないか。
お前が逃げた所為でこんな目に遭ってどうしてくれるんだ、と怒られるんじゃないか。その通りで何も言えなくなるのは分かっていたから、俺に出来るのはこの場から逃げ去ることだけだった。
万が一捕まってまた交代になってしまった場合、俺は本物のティナと結婚しなければならなくなる。嫌だ。絶対に嫌だ。
「アリス!」
突然タチアナが怒鳴ったかと思うと、俺の腕をぐいっと引っ張って横道へと入っていく。大通りから一本入った道は、白磁の地域だから治安は悪くはないのだろうが、薄暗くて少し気味が悪い。
だが、タチアナは慣れた様子で迷うことなく俺を引っ張って行った。
暫く進むと、開けた場所に出た。公園だ。家族連れや恋人同士たちが、のんびりと芝生の上に寝そべったりしている。牧歌的な光景で、俺の中を駆け巡っていた焦燥感がしわしわと萎んでいくのが分かった。
「……どこかに座って、話をしようか」
「……うん」
タチアナは、俺の手を引いたまま公園の片隅へと連れて行く。これじゃまるで子供みたいで情けなかったが、今はそうしてくれるのが嬉しくもあった。
「ここに座ろう」
「うん」
他の人から少し離れた芝生の上に、タチアナが座る。俺はその横に膝を抱えて座ると、いつの間にかスカーフがどこかへ行ってしまい剥き出しにされた、例の赤い痣を見つめた。
俺の視線に気付いているのだろう、タチアナは観念した様な笑みを浮かべる。
「……バレちゃったか。まあ、いずれバレるとは思ったけど」
あの時のティナの発言の様な、痣を恥ずかしがる様な気配はなかった。姿勢良く堂々としていて、やっぱりタチアナは格好いいな、なんて思う。
そう、タチアナはずっと格好よかった。
悪漢を追っ払う姿も格好良かったし、自分の好き嫌いをちゃんと分かってて、自分の意見をしっかりと持っていて、楽しい時は目一杯笑っているのをずっと横で見ていて、羨ましく思っていた。
痣に手を触れながら、微笑みながら語り始める。
「これはね、生まれた時からある痣なんだって。父さんも母さんも、この痣を恥じる様なことは一度も言わなくてね。『これがあれば迷子になっても必ず見つけ出せるお守りだね』なんて言われながら育たから、私もずっとそう思って育ってきたの。……アリスは、痣をどう思う?」
痣があるからといって、タチアナの中身は変わらない。
それに、これは俺にあの時のティナがタチアナだと教えてくれた、大切な印だ。だから、俺はその通りに伝えることにした。
「その痣が、俺をタチアナの元に導いてくれたと思っているよ。なのに嫌なことなんてあるもんか」
「ふふ、ありがと、アリス」
タチアナは痣から手を降ろすと、芝生の上についた俺の手にそれを重ねる。
「私の話、聞いてくれる?」
「勿論だよ。俺はタチアナのことだったら、何でも知りたい」
タチアナの指に、自分の指を絡める。タチアナは照れくさそうにまつ毛を伏せると、これまでの経緯を話し始めた。
「私のおばあちゃんは平民なんだけど、双子だったんだ。二人とも、若い頃は私にそっくりだったんだって」
話を遮らないよう、頷くに留める。
「で、おばあちゃんの妹が、当時のシュタインベルガーの当主に見初められて、妾として連れて行かれた訳」
なるほど、それではティナとタチアナが血縁かもしれないなんて思ったのは、本当に正しかったのだ。俺はこくこくと頷いてみせた。
「だから親戚に貴族、しかも公爵なんて凄い身分の人がいるんだけど、何年か前にね、その……」
タチアナが、言い淀む。何か言いづらいことでもあるのだろうか。あまり無理強いするのもどうだろう。
「あの、言いたくないことは言わなくても」
俺が遠慮がちに告げると、タチアナは急にぱっと顔を上げて真剣な表情で俺をまっすぐに射抜く様に見た。
「ううん。ええとね、アリスタ王子が曲者に襲われたことがあったの」
「……うん。知ってる」
俺はそう言うと、二の腕をちらりと見る。襲われ、大量出血した。痛くて痛くて泣いて、大丈夫だと俺の腕を綺麗な服を破って止血してくれたのは誰だったか。
私の所為だ、私の所為だと悔しそうに言っていたのは誰だっただろうか。あの時は、まだイリスはいなかった筈だ。
怪我の治りかけの頃に、俺の枕元に立って俺を見下ろしていた、それが最初に見たイリスだった記憶しかない。
また、ズキンと二の腕の傷が痛んだ。この間から、おかしい。
タチアナが続ける。
「すでに娘が王子と婚約関係にあったシュタインベルガー公爵様は、王子が狙われるなら自分の娘も狙われるんじゃないかと思ったのね。あの手この手を使って私を探し当てると、ティナ様の影武者になれと言ってきた」
なるほど、如何にもあの公爵が考えそうなことだ、といつも冷たい顔をした公爵の顔を思い浮かべた。
自分の娘の命が助かれば他の血縁の命なんてどうでもいい、と普通に思っていそうである。
「勿論、父も母も大反対した。でもね、病弱だった弟にいい療養所を提供すると言われて、私は引き受けることにしたの」
「弟……」
「うん、今は元気になって両親と一緒に織物屋をやってるよ。お金も十分貰えたし、両親も老後まで生活は安泰だし。その点では、この話があって本当によかったと思ってる。未だに父は、最初にシュタインベルガー公爵様に言われたことを怒ってるけどね」
では、シュタインベルガー公爵の申し出は悪いものではなかったのか。少なくとも今、タチアナの笑顔には憂いはない。
「なんて言われたの?」
タチアナは、暫し無言で俺の目を見つめる。どうしたんだろう。何を言われたんだろうか。そんなに酷いことを言ったんだろうか。
気になりながらも、急かすのは気が引けて黙っていると。
タチアナが、言った。
「アリスタ王子の影武者の様に立派にお役目を果たした後には、残された家族が困らない様に金を出すから安心しろってね」
「え……」
俺は、言葉を失った。
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