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7 私はそれが何かを知らずにやりました。R18
しおりを挟む今日も牢屋への道を急ぐ・・・・その前にグリードの部屋に寄ってココ花を置いていく。
グリードも最近少しだけ元気を取り戻したように・・・・見えなくもない。
シクシク泣いてるのはいつもだが、机の上のココ花を見つけると少し嬉しそうな顔をするようになった。
多分私が置いていることには気付いている。
でも私に話しかけることはしない。
私からも自ら存在を教えるようなことはしない。
お互い存在は認識しつつも交流することはない。
特に理由はないけど、それでこれまでやってきたし、私たちにはそれくらいの距離感が丁度いい。
ココ花の蜜を吸ったあと、グリードは必ず「もう少し頑張ろ」と呟く。
それを聞くたびに私は、「グリード頑張れ。」と返事をする。聞こえなくても言わずにはいられない。
グリードを諦めきれなかった王女も、虐めに屈しないグリードの態度に漸(ようや)く婚約者探しを再開させたらしい。
超がつくほどの贅沢好きで性格の悪い、そこそこ歳のいった王女を嫁に貰おうと考える貴族がいるかどうかは不明だけど。
牢に行くと、今日は黒さんの様子がいつもと違っていた。
傷は増えてないが、いつもより遥かに苦しそうで心配になってしまう。
荒い息を漏らしながら大量に汗をかいている。
顔も赤いし、熱があるのかもしれない。
肩に手を置くと、「触るなっ!」と怒鳴られた。
いつも淡々と話す黒さんのその剣幕に、ビクリと体が震える。
「ハァ、ハァ、怒鳴って悪かった。でも、今日は帰れ。」
帰れと言われても、こんな苦しそうな黒さんをほってなんか帰れない。
何か私にできることがあればいいが、触るなと言われてしまえば何もできない。
・・・・・・・・どうしよう。ココ花効くかな?
黒さんの唇にココ花をちょんちょんと当ててみる。
いつものように口を開いての合図だ。
「花は効かないんだ。ハァッ、一晩耐えれば、多少マシになる、大丈夫だからっ、お前は帰れ」
ココ花が効かないなんて・・・・大抵何にでも効くのに。
全然大丈夫じゃなさそうな様子にとても帰る気になんてならなかった。
何かできること・・・・とあたふたしていると、ふと黒さんのいつもと違う箇所に気づく。
・・・・なんか膨らんでる。
ブレーの中心部が不自然に膨らんでいる。
なんだろう・・・・これ。これのせいで黒さんは苦しいのかな。
恐る恐るチョンっと突いてみると、「ゔっ」と黒さんが呻いた。
やっぱりこれのせいで黒さんは苦しいんだ。
ブレーを引き下ろそうとすると「やめろっ、バカっ」
と抵抗された。
助けようとしてるのにバカとは心外である。
疎い抵抗を躱(かわ)し、太腿までブレーをずり下げると、その光景に思わず息を飲んだ。
・・・・・・・・何これ。
赤黒く変色した肉の棒みたいなのがお姫様が棲む塔のように直立している。
いや、男性に付いてるアレについてはさすがに私も知っている。
子供の頃、誤ってグリードのを見たことがあるから。
でもグリードのはこんなんじゃなかった。
子供と大人の違いなのかな。
それとも個人差があるもの?
根元のところにはギチギチに金属製のリングのようなものが嵌められていて、血を止めている様に見えた。
よく分からないが、痛そうではある。
ネジで止められているため、外そうと思えば外せるけど、、、外していいんだよね・・・・?
肉の棒に触れない様、注意しながらネジを反対に巻いていくと、少しずつリングが緩んでくる。
緩めているのに、なぜか黒さんの呼吸が苦しそうに早く浅くなっていく。
皮膚に食い込まないレベルまで緩めた瞬間、肉の棒からピュッと何か飛び出してきて、顔に当たった。
ドロドロしていて、何だか生臭い。
でも、それを出した後は黒さんの呼吸が多少マシになった気がする。
まだ荒いことには変わりないが。
「ハァッ、ハァッ、ヤバいな。全然収まんねぇ。
大丈夫か?どっかにかかったか?」
顔です。顔にかかりました。答えられないけど。
タオルで顔を拭い、再度肉の棒と対峙する。
血が通ったためか先ほどより血色はいい。
その代わり先っぽから汁みたいのがたらたらと溢れ落ちている。
「ハァッ、そこまでやったなら最後まで責任持て。頼む。擦ってくれ。」
擦れって言われても・・・・
人差し指ですりすり擦ってみる。
合ってるかな?黒さんを見ると目は瞑っているが微妙な表情。合ってないみたい。
「握って、掌全体で擦るんだ。優しくな、絶対強く握るな。男のここはデリケートなんだ。」
言われた通り、掌で優しく包む様に握る。
うわっ、皮膚だから弾力はあるけど中の方がすごく硬い。
初めての感触だ。恐る恐る上下にゆっくり擦ると黒さんは熱の篭った息を吐いた。相変わらず目は瞑っている。
「はぁー、いい感じだ。もう少しだけ強く握ってくれ。そう、それくらいだ。徐々に早く擦って。」
言われた通り、少しだけ握りを強め、段々と手の動きを早くしていく。
先端から出ている汁のせいで手が滑る。
グジュグジュという音と「ハッ、ハッ」という黒さんの浅い呼吸音がやけに耳に残った。
絶対に目を開けない黒さんが悩ましげに眉を歪めており、これで本当に合ってます?と心配になってしまうくらいだ。
「っ、クッ。」
いきなり肉の棒が膨らんだかと思うと、またもやドロドロした液体を吐き出した。
そしてまた顔にかかった。
出る時はもっと前もって教えてほしい。
でもこれを出すと、「ハァー」と満足げに息を吐くので、黒さんはもしかしてこれが体内に溜まっていて苦しいのかもしれない。
「もう一度頼む。」
それを5回繰り返したくらいで、漸く手を離すことを許された。
ベタベタになった手と黒さんの肉の棒を綺麗にタオルで拭き取る。
それにしても不思議な棒だ。血管が皮膚の中から浮き出ていて切ったらすごい血がでちゃいそう。などと恐ろしい想像をしてしまい身震いする。
それなのに先っぽは熟れたすももみたいにぷりっとしていて食べたら美味しそうだな。なんて思う。
ちっちゃな切れ込みみたいなのが入っているからきっとここから液体が排出されているのだろう。
「おい、まじまじ見るな。鼻息当たってるのバレてるぞ。」
おっと。近くで観察していたのがバレてしまった。
「痛くない程度にリングのネジ巻いてくれるか?緩んでると奴らにバレる。」
再びあの金属でできたリングを肉の棒に通し、ゆっくりと指でネジを摘む。
黒さんの表情を見ながら痛くないか慎重にネジを巻いていった。
「はーー、助かった。ありがとな。薬もだいぶ抜けたみたいだ。これなら問題なく耐えられると思う。」
コツン
一回音を出し、返事をした。
今日はいつもよりだいぶ時間が掛かってしまった。
時計を見ると、見回りの時間までもうすぐだ。
それから私は急いで鍵を返しに鍵小屋へと向かった。
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