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第1章 卒業後の進路
トス攻撃改
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「……ボイヤー、お前ファイヤーボールをトスできる?」
ツカミヤツデを見ながら、タフィは唐突にそんなことを口にした。
「え? ファイヤーボールをトス?」
ボイヤーは言っている意味が理解できなかった。
「そう。一番火力が弱いやつでいいからさ」
「えっと……何がしたいんですか?」
「何がしたいって、ファイヤーボールを打ち当ててやるんだよ」
弱火のファイヤーボールを打つことで、攻撃力だけを上昇させ、火が燃え移ってしまうリスクを回避する。それがタフィの考えだった。
「あぁ……なるほど」
ボイヤーはなんとなくタフィの意図を察した。
「で、トスできんの?」
「たぶん、できると思います」
「よし、じゃあやろう」
タフィは葉っぱの攻撃範囲に注意しながら立ち位置を決めると、ツカミヤツデに向かってバットを構えた。
「じゃ、いきますよ、それっ」
ボイヤーは手のひらの上にファイヤーボールを作り出すと、タフィに向かってトスを上げる。
タフィはしっかりと狙いを定め、それをスパーンと打ち返した。
「よしっ」
タフィが放った打球は、狙いどおり柄の部分を直撃。巨大な葉っぱはドサッと地面に落ちた。
「ナイスバッティング」
カリンは小さく拍手をしながらタフィの攻撃を褒めた。
「待ってろ、俺が全部落としてやるから。ボイヤー、どんどん投げてこい」
「はい」
ちょこまかと動き回っていた盗賊たちに比べれば、葉っぱに当てることなど造作もないことで、タフィは的当てでも楽しむかのように次々と葉っぱを落としていく。
「おっし、ラストだ」
最後に残った1枚もあっさりと落とす。9球で9枚を落とすという、パーフェクトな内容だ。
「完璧だな」
タフィは得意げにボイヤーとカリンの顔を見た。
「さすが兄やん」
「やるじゃない」
「だろ」
タフィは満足げな笑みを浮かべながら、エルフツリーへ向かって歩き出した。
だが、エルフツリーに近づいていくにつれて、その表情が徐々に曇り始める。
「……なんか臭くねぇか?」
腐った肉のような悪臭が漂ってきていたのだ。
「そうね、なんか腐った肉みたいな……あ、もしかしてこれラフレシアの臭い?」
「臭いはそれっぽいです」
悪臭はどんどんと強烈になっていき、鼻をつまんでいないと耐えられないような状況になりつつあった。
しかも、エルフツリーまではまだ10メートル以上の距離がある。
「きっつ。ボイヤー、ラフレシアってこんなに臭うもんなの?」
タフィは若干涙目になっている。
「いえ、普通のはもちろん、ミヤーンさんが言ってたクサリシアでも、こんなに強烈じゃないはずです」
「え、じゃあこれラフレシアのせいじゃねぇの?」
「いや……臭いはラフレシアっぽいんですよ」
「けど、花なんてねぇじゃん」
タフィの言うとおり、眼前にはエルフツリーの大木があるだけで、ラフレシアの姿は確認できていなかった。
「もしかしたら木の裏に咲いてるのかも。僕ちょっと見てきます」
ボイヤーは確認するため、木の反対側が見える位置へと移動した。
「あ、やっぱり咲いてた。兄やーん、カリン姉さーん、こっちに咲いてましたよ」
ラフレシアの姿を確認したボイヤーは、すぐに2人を呼んだ。
「あ、あれがそうか。マジで花だけなんだな」
「なんか気色悪い見た目ね」
ラフレシアの花は木の根元あたりにドンと咲いており、その直径はおよそ1.5メートル。くすんだ紫色の花びらはぼってりと厚い肉質で、一面に白い斑点がある。花の中心部には壺状のへこみがあり、どこか不気味な雰囲気を醸し出していた。
「あれなんですけど、ラフレシアには違いないと思うんですが、僕の知らない種類なんです」
「本当? じゃあアレ新種なの?」
「さぁ? それはなんとも言えないです。僕もラフレシアのすべてを知ってるわけじゃないんで……。とりあえずああいう色をして、こんなに悪臭を放つラフレシアなんて初めてです」
「そんなもんどっちでもいいよ。それより、さっさとあのくせぇ花を始末しちまうぞ」
「始末って、あんたもしかして、さっきみたいにファイヤーボールを打つき?」
「そうだよ。一撃で吹っ飛ばしてやるから」
タフィは自信満々だったが、カリンは若干心配だった。
「大丈夫? あの木に当てたらアウトだからね」
花と木の幹とは50センチほどしか離れておらず、また真上には青々とした葉っぱが茂っていた。
「大丈夫だよ、さっきだって完璧だったろ」
「そうだけどさ、これはさっきよりも精度が求められるのよ」
「大丈夫ですよカリン姉さん。兄やんなら絶対外しません」
ボイヤーもタフィの打撃に絶対の自信を抱いていた。
「なんでそんな自信持てるの?」
「だって兄やん、フリーバッティングだと簡単に打球をポールに当てますからね」
球場にもよるが、ホームベースからファウルポールまでの距離は約100メートルで、狙って打球を当てるのは至難の業であった。
「へぇ~、タフィそんなことできるの」
「そんなの朝飯前よ。ベースだって当てようと思えばどこでも当てられるぜ」
「なら大丈夫か」
カリンの心配は払拭された。
「ボイヤー、今度は吹っ飛ばすから、さっきよりファイヤーボールはでかくしてな」
「はい」
「じゃ、やるぞ」
タフィは鼻をつまんでいた手を離すと、臭いを嗅がないように鼻で息するのを我慢しながらバットを構えた。
「いきますよぉ、それっ」
ボイヤーは左手で鼻を押さえつつ、タフィに向かってファイヤーボールをトスした。
タフィは打球が上がらないよう、ファイヤーボールの上を叩くようにして打ち返す。
打球は地を這うように猛スピードで飛んでいき、ボゴンッという衝撃音とともにラフレシアの花を豪快に吹っ飛ばした。
ラフレシアは多少花びらを散らしつつも一応原形を保っていたが、飛ばされた先がツカミヤツデのそばだったので、花はそのままヤツデの葉っぱに包み込まれてしまった。
もちろん、エルフツリーには全くダメージを与えていない。
「な、完璧だったろ」
「恐れ入りました」
カリンはタフィに向かって冗談っぽく頭を下げた。
「ボイヤー、ちょっと風で臭い飛ばして」
「はい」
ボイヤーはタフィの指示にうなずくと、何度か翼を羽ばたかせて、漂っていたラフレシアの悪臭を吹き飛ばした。
「さぁて、これで障害は一通り排除したわけだが、さすがにこれで何もなしってことはねぇよな」
多分に願望も含まれていたが、タフィはこのエルフツリーに何かしら包丁が絡んでいるものと確信していた。
「そうね。何もなかったら、ここまで手の込んだ嫌がらせはしないわよね」
「そうですね……」
カリンもそれなりに期待を抱いていたが、ボイヤーは「シンプルに珍しい木だから守っているだけかもしれない」とも考えていた。
期待と不安が入り混じるなか、異変が生じたのは、木陰に入ろうとした瞬間だった。
ツカミヤツデを見ながら、タフィは唐突にそんなことを口にした。
「え? ファイヤーボールをトス?」
ボイヤーは言っている意味が理解できなかった。
「そう。一番火力が弱いやつでいいからさ」
「えっと……何がしたいんですか?」
「何がしたいって、ファイヤーボールを打ち当ててやるんだよ」
弱火のファイヤーボールを打つことで、攻撃力だけを上昇させ、火が燃え移ってしまうリスクを回避する。それがタフィの考えだった。
「あぁ……なるほど」
ボイヤーはなんとなくタフィの意図を察した。
「で、トスできんの?」
「たぶん、できると思います」
「よし、じゃあやろう」
タフィは葉っぱの攻撃範囲に注意しながら立ち位置を決めると、ツカミヤツデに向かってバットを構えた。
「じゃ、いきますよ、それっ」
ボイヤーは手のひらの上にファイヤーボールを作り出すと、タフィに向かってトスを上げる。
タフィはしっかりと狙いを定め、それをスパーンと打ち返した。
「よしっ」
タフィが放った打球は、狙いどおり柄の部分を直撃。巨大な葉っぱはドサッと地面に落ちた。
「ナイスバッティング」
カリンは小さく拍手をしながらタフィの攻撃を褒めた。
「待ってろ、俺が全部落としてやるから。ボイヤー、どんどん投げてこい」
「はい」
ちょこまかと動き回っていた盗賊たちに比べれば、葉っぱに当てることなど造作もないことで、タフィは的当てでも楽しむかのように次々と葉っぱを落としていく。
「おっし、ラストだ」
最後に残った1枚もあっさりと落とす。9球で9枚を落とすという、パーフェクトな内容だ。
「完璧だな」
タフィは得意げにボイヤーとカリンの顔を見た。
「さすが兄やん」
「やるじゃない」
「だろ」
タフィは満足げな笑みを浮かべながら、エルフツリーへ向かって歩き出した。
だが、エルフツリーに近づいていくにつれて、その表情が徐々に曇り始める。
「……なんか臭くねぇか?」
腐った肉のような悪臭が漂ってきていたのだ。
「そうね、なんか腐った肉みたいな……あ、もしかしてこれラフレシアの臭い?」
「臭いはそれっぽいです」
悪臭はどんどんと強烈になっていき、鼻をつまんでいないと耐えられないような状況になりつつあった。
しかも、エルフツリーまではまだ10メートル以上の距離がある。
「きっつ。ボイヤー、ラフレシアってこんなに臭うもんなの?」
タフィは若干涙目になっている。
「いえ、普通のはもちろん、ミヤーンさんが言ってたクサリシアでも、こんなに強烈じゃないはずです」
「え、じゃあこれラフレシアのせいじゃねぇの?」
「いや……臭いはラフレシアっぽいんですよ」
「けど、花なんてねぇじゃん」
タフィの言うとおり、眼前にはエルフツリーの大木があるだけで、ラフレシアの姿は確認できていなかった。
「もしかしたら木の裏に咲いてるのかも。僕ちょっと見てきます」
ボイヤーは確認するため、木の反対側が見える位置へと移動した。
「あ、やっぱり咲いてた。兄やーん、カリン姉さーん、こっちに咲いてましたよ」
ラフレシアの姿を確認したボイヤーは、すぐに2人を呼んだ。
「あ、あれがそうか。マジで花だけなんだな」
「なんか気色悪い見た目ね」
ラフレシアの花は木の根元あたりにドンと咲いており、その直径はおよそ1.5メートル。くすんだ紫色の花びらはぼってりと厚い肉質で、一面に白い斑点がある。花の中心部には壺状のへこみがあり、どこか不気味な雰囲気を醸し出していた。
「あれなんですけど、ラフレシアには違いないと思うんですが、僕の知らない種類なんです」
「本当? じゃあアレ新種なの?」
「さぁ? それはなんとも言えないです。僕もラフレシアのすべてを知ってるわけじゃないんで……。とりあえずああいう色をして、こんなに悪臭を放つラフレシアなんて初めてです」
「そんなもんどっちでもいいよ。それより、さっさとあのくせぇ花を始末しちまうぞ」
「始末って、あんたもしかして、さっきみたいにファイヤーボールを打つき?」
「そうだよ。一撃で吹っ飛ばしてやるから」
タフィは自信満々だったが、カリンは若干心配だった。
「大丈夫? あの木に当てたらアウトだからね」
花と木の幹とは50センチほどしか離れておらず、また真上には青々とした葉っぱが茂っていた。
「大丈夫だよ、さっきだって完璧だったろ」
「そうだけどさ、これはさっきよりも精度が求められるのよ」
「大丈夫ですよカリン姉さん。兄やんなら絶対外しません」
ボイヤーもタフィの打撃に絶対の自信を抱いていた。
「なんでそんな自信持てるの?」
「だって兄やん、フリーバッティングだと簡単に打球をポールに当てますからね」
球場にもよるが、ホームベースからファウルポールまでの距離は約100メートルで、狙って打球を当てるのは至難の業であった。
「へぇ~、タフィそんなことできるの」
「そんなの朝飯前よ。ベースだって当てようと思えばどこでも当てられるぜ」
「なら大丈夫か」
カリンの心配は払拭された。
「ボイヤー、今度は吹っ飛ばすから、さっきよりファイヤーボールはでかくしてな」
「はい」
「じゃ、やるぞ」
タフィは鼻をつまんでいた手を離すと、臭いを嗅がないように鼻で息するのを我慢しながらバットを構えた。
「いきますよぉ、それっ」
ボイヤーは左手で鼻を押さえつつ、タフィに向かってファイヤーボールをトスした。
タフィは打球が上がらないよう、ファイヤーボールの上を叩くようにして打ち返す。
打球は地を這うように猛スピードで飛んでいき、ボゴンッという衝撃音とともにラフレシアの花を豪快に吹っ飛ばした。
ラフレシアは多少花びらを散らしつつも一応原形を保っていたが、飛ばされた先がツカミヤツデのそばだったので、花はそのままヤツデの葉っぱに包み込まれてしまった。
もちろん、エルフツリーには全くダメージを与えていない。
「な、完璧だったろ」
「恐れ入りました」
カリンはタフィに向かって冗談っぽく頭を下げた。
「ボイヤー、ちょっと風で臭い飛ばして」
「はい」
ボイヤーはタフィの指示にうなずくと、何度か翼を羽ばたかせて、漂っていたラフレシアの悪臭を吹き飛ばした。
「さぁて、これで障害は一通り排除したわけだが、さすがにこれで何もなしってことはねぇよな」
多分に願望も含まれていたが、タフィはこのエルフツリーに何かしら包丁が絡んでいるものと確信していた。
「そうね。何もなかったら、ここまで手の込んだ嫌がらせはしないわよね」
「そうですね……」
カリンもそれなりに期待を抱いていたが、ボイヤーは「シンプルに珍しい木だから守っているだけかもしれない」とも考えていた。
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