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第三章 デートでリベンジ!
第十話
バレンタインの悪夢から……数ヶ月が過ぎた。
王子の仕打ちに悲しむアミーラを目の当たりにしたためか、どうしてもすぐに王子攻略! アミーラヒロイン化計画! と気持ちを切り替えることができなくて、時ばかりが過ぎていた。
ただ相変わらず放課後に図書室でお話をしたり、昼食を共にして……最初はどこか悲しい顔をしていた彼女にも、次第に以前と同じような笑顔が戻ってくるようになった。
彼女の心の傷が少しずつ癒えていくにつれて、私もしっかりと気合を入れなければと、立ち直りはじめていた。
アミーラの不幸を回避しようとしていたんだろう! 彼女を助けられるのは自分だけ! と一喝して、私は新たな計画をアミーラに告げようと考えていた。
ゲーム内でバレンタインの次にあったのは……デートイベント。
現状だと起こすことすら難しいイベントかもしれないが、ゲーム内のヒロインとのイベントはできるだけ起こしたい……何としても成功させなければ!
そう意気込んだ放課後、いつもの図書室の扉を開けた。
「アミーラ! 王子様と街へお出かけをしてみてはどうかな!」
入室と同時に突拍子もないことを言い出した私に、目を丸くするアミーラは……バレンタインでのことを思い出したのか、すぐに伏し目がちになってしまった。
「でも……私は……」
珍しく歯切れが悪く言いよどむアミーラ。
そりゃそうだ、この前あんなひどい仕打ちを受けたばかり……数ヶ月で多少の傷が言えたと言っても、あれ以来、アミーラは王子様と挨拶することすらままならず会話を交わしていなかった。
今まで王子様は無視こそするけど、アミーラを拒絶することはなかったから……婚約者だから嫌われてはいないと思っていたアミーラの心の傷は深いだろう。
私にも苦い思い出が広がってチクッと胸が痛むが、ここで諦めるわけにはいかないと彼女の説得を試みる。
「バレンタインでのことは……私の配慮が足りていなかったわ。私のせいであんなことになって2人の仲が悪くなったのではないかと、ずっと気になっていたの」
私がそう言うと、アミーラは微笑んでくれた。
「あなたのせいじゃないわ。それに、仲が悪くなるなんて……」
アミーラの表情は微笑みからだんだん曇っていき、何かを言いかけたが言うことができずに口をつぐんでいた。
あんなに自信に満ちあふれていたアミーラのオーラが、小さくしぼんでいくのを感じる。
私としてはあんなツンドラ王子なんてこっちから捨ててやれ! と言いたいところだが、アミーラの初恋の人を悪く言うことはできない……アミーラはあんな奴でも、本当に愛しているのだから。
愛しているからこそ幼い頃からずっと婚約者を目指して努力して、婚約者になってからも王子様が恥ずかしくないように……彼と良い関係を築けるように努力しているのだ。
だから彼女を幸せにしたいのならば、その先にあるのはあの王子様とのハッピーエンドしかない。
ここで私が踏ん張らなければ!
暗い顔をするアミーラに、私はあえてパッと明るい顔をして彼女に話しかける。
「でもバレンタインデーのあの日、アミーラと街を散策するのは本当に楽しかった! 出店で珍しいお菓子を食べたり、雑貨屋さんで小物を見たり……街がすごくキラキラして見えたの」
あんなことがあった、こんなことがあったと楽しそうに話す私に……アミーラも思い出してきたのか、少しだけ顔に微笑みが戻ってきた。
「だからね……今度は王子と出かけてみたら、二人共楽しめるんじゃないかなと思ったの」
私がそう言うと、アミーラは少し目線を下げながら何かを考えだしていた。
正直言って私も自信があるとは言えない……でもやらなければならない! と心の内側でぐっと何かをこらえてアミーラをまっすぐ見つめていると、顔を上げた彼女と目があった。
その表情は暗い顔ではなく、バレンタイン前のような意思の強さと乙女心を感じさせる顔をしていた。
「そうね。婚約者として……私もエスネイニ様ともっと仲良くなりたいわ」
ニコッと笑った彼女の顔を見て、私はひとまずホッと胸をなでおろす。
まずはアミーラの説得は成功したようだ。
問題はあのツンドラ王子……アミーラがデートに行きましょうと誘っても、あの男は来ないと答える可能性が高い。
だが前回の失敗をもとに改めて計画を練り直した私には、デートイベント成功に向けてちょっとした秘策があった。
王子の仕打ちに悲しむアミーラを目の当たりにしたためか、どうしてもすぐに王子攻略! アミーラヒロイン化計画! と気持ちを切り替えることができなくて、時ばかりが過ぎていた。
ただ相変わらず放課後に図書室でお話をしたり、昼食を共にして……最初はどこか悲しい顔をしていた彼女にも、次第に以前と同じような笑顔が戻ってくるようになった。
彼女の心の傷が少しずつ癒えていくにつれて、私もしっかりと気合を入れなければと、立ち直りはじめていた。
アミーラの不幸を回避しようとしていたんだろう! 彼女を助けられるのは自分だけ! と一喝して、私は新たな計画をアミーラに告げようと考えていた。
ゲーム内でバレンタインの次にあったのは……デートイベント。
現状だと起こすことすら難しいイベントかもしれないが、ゲーム内のヒロインとのイベントはできるだけ起こしたい……何としても成功させなければ!
そう意気込んだ放課後、いつもの図書室の扉を開けた。
「アミーラ! 王子様と街へお出かけをしてみてはどうかな!」
入室と同時に突拍子もないことを言い出した私に、目を丸くするアミーラは……バレンタインでのことを思い出したのか、すぐに伏し目がちになってしまった。
「でも……私は……」
珍しく歯切れが悪く言いよどむアミーラ。
そりゃそうだ、この前あんなひどい仕打ちを受けたばかり……数ヶ月で多少の傷が言えたと言っても、あれ以来、アミーラは王子様と挨拶することすらままならず会話を交わしていなかった。
今まで王子様は無視こそするけど、アミーラを拒絶することはなかったから……婚約者だから嫌われてはいないと思っていたアミーラの心の傷は深いだろう。
私にも苦い思い出が広がってチクッと胸が痛むが、ここで諦めるわけにはいかないと彼女の説得を試みる。
「バレンタインでのことは……私の配慮が足りていなかったわ。私のせいであんなことになって2人の仲が悪くなったのではないかと、ずっと気になっていたの」
私がそう言うと、アミーラは微笑んでくれた。
「あなたのせいじゃないわ。それに、仲が悪くなるなんて……」
アミーラの表情は微笑みからだんだん曇っていき、何かを言いかけたが言うことができずに口をつぐんでいた。
あんなに自信に満ちあふれていたアミーラのオーラが、小さくしぼんでいくのを感じる。
私としてはあんなツンドラ王子なんてこっちから捨ててやれ! と言いたいところだが、アミーラの初恋の人を悪く言うことはできない……アミーラはあんな奴でも、本当に愛しているのだから。
愛しているからこそ幼い頃からずっと婚約者を目指して努力して、婚約者になってからも王子様が恥ずかしくないように……彼と良い関係を築けるように努力しているのだ。
だから彼女を幸せにしたいのならば、その先にあるのはあの王子様とのハッピーエンドしかない。
ここで私が踏ん張らなければ!
暗い顔をするアミーラに、私はあえてパッと明るい顔をして彼女に話しかける。
「でもバレンタインデーのあの日、アミーラと街を散策するのは本当に楽しかった! 出店で珍しいお菓子を食べたり、雑貨屋さんで小物を見たり……街がすごくキラキラして見えたの」
あんなことがあった、こんなことがあったと楽しそうに話す私に……アミーラも思い出してきたのか、少しだけ顔に微笑みが戻ってきた。
「だからね……今度は王子と出かけてみたら、二人共楽しめるんじゃないかなと思ったの」
私がそう言うと、アミーラは少し目線を下げながら何かを考えだしていた。
正直言って私も自信があるとは言えない……でもやらなければならない! と心の内側でぐっと何かをこらえてアミーラをまっすぐ見つめていると、顔を上げた彼女と目があった。
その表情は暗い顔ではなく、バレンタイン前のような意思の強さと乙女心を感じさせる顔をしていた。
「そうね。婚約者として……私もエスネイニ様ともっと仲良くなりたいわ」
ニコッと笑った彼女の顔を見て、私はひとまずホッと胸をなでおろす。
まずはアミーラの説得は成功したようだ。
問題はあのツンドラ王子……アミーラがデートに行きましょうと誘っても、あの男は来ないと答える可能性が高い。
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