オルレアンの乙女はギャルですが何か問題でも?

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第一話 聖女、渋谷に降臨

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「おいジャンナ、マジ卍じゃん! 今日のメイク、過去一で盛れてるって!」
賑やかなカフェの喧騒を突き抜けて、リサの甲高い声が飛んできた。向かいに座るミナがスマホを構えながら頷く。
「わかるー! そのつけま、どこの? 神ってるわー!」
ジャンナことジャンヌは、二人に満面の笑顔を返した。
「まじか! ありがとー! これ、新しく出たやつ。発色もラメもヤバくない?」
そう言って、彼女は目をパチクリとさせて見せる。長く豊かなつけまつげは、彼女の大きな瞳をさらに強調し、金色の瞳の奥に、ほんのわずかに中世の騎士が持つような凛とした光を宿していた。
三人の周囲には、流行の最先端を行く若者たちがひしめき、SNSの通知音や話し声、カフェのBGMがごちゃ混ぜになって響いている。ジャンナは、そんな空間がたまらなく好きだった。
前世では、常に神の声と重い使命に耳を傾け、甲冑の重みに耐え、戦場の喧騒の中で生きていた。周囲には、祈り、叫び、そして血と泥の匂いが満ちていた。それに比べれば、この賑やかで、どこか軽薄にも見える現代の日常は、彼女にとって最高の安らぎだった。
ジャンナは、過去の記憶を思い出すたびに、心の奥底が冷えるような感覚に襲われる。
祖国を救え。神の御心に従え。
そう囁く、頭の中に響き渡る声。彼女はそれに忠実に従い、信じ、そして利用され、裏切られた。神の声を聞く少女は、いつしか「魔女」として糾弾され、火刑台へと送られた。
そんな悲劇的な人生に、もう二度と戻りたくない。
それが、彼女が「ジャンナ」としてギャルになった理由だった。
派手なメイク、金髪、短いスカート。これらは全て、過去の自分を否定し、新しい自分を生きるための鎧なのだ。神の声なんて聞こえない。頭に響くのは、大好きなアーティストのメロディと、友達の楽しそうな笑い声だけ。これでいいんだ。私は、自由なんだ。
「そういえばさ、ジャンナ、来週の土曜、ライブ行かなくない?」
ミナがスマホの画面をジャンナに見せてきた。そこには、人気アーティストのライブ情報が映し出されている。
「行く行く! マジ行きたい! でも、その日バイト入ってるかも…」
ジャンナはアルバイトのシフトを確認するため、スマホを開く。画面の端に表示された、一件の未読通知。それは、クラスのグループLINEからだった。
『明日、歴史の授業でジャンヌ・ダルクの発表あるってよ。やべー、全然準備してないんだけど…』
『私もー! 誰か詳しいやついない?』
その文字を見た瞬間、ジャンナの胸に、チクリと痛みが走った。過去の記憶が、再び彼女の脳裏に蘇る。燃え盛る炎、嘲笑う群衆、そして…
「ジャンナ? どうしたの? 顔色悪いよ?」
リサが心配そうに覗き込んでくる。ジャンナは慌てて笑顔を作った。
「え、ううん、なんでもない! ちょっと、熱中症かも! やべぇ、マジ水分補給しなきゃ!」
そう言って、彼女はペットボトルの水を一気に飲み干した。喉を通る冷たい水が、胸のざわめきを少しだけ落ち着かせてくれる。
次の日の放課後、ジャンナは学校の図書室に向かっていた。歴史の授業で発表された、ジャンヌ・ダルクに関する資料を読まなければならない。自分の過去と向き合うのは辛い。でも、もし発表で自分の知らないことが語られたら、無意識に反応してしまいそうで怖かった。
図書室は静かで、ジャンナは奥の方の席に座り、歴史の教科書と資料を広げた。
「ふぅ…」
深呼吸をして、ページをめくる。そこには、彼女の知る、そして知らない「ジャンヌ・ダルク」が記されていた。
オルレアンの乙女。神の声を聴き、フランス軍を勝利に導いた聖女。だが、最終的には異端審問にかけられ、火刑に処された。
教科書の文字が、彼女の脳裏に鮮明な映像を呼び覚ます。
ああ、こんなこと、もう忘れたはずなのに。
その時、ジャンナの横に、カツカツと足音が近づいてきた。顔を上げると、そこに立っていたのは、同じクラスの田中だった。
「やっぱり、ジャンナちゃんも来てたんだね」
田中は、分厚いメガネを指で押し上げながら、にこやかに言った。彼の腕には、彼女が読んでいるものと同じような歴史書が何冊も抱えられている。
「田中くん…」
「ジャンヌ・ダルクの発表、気になってさ。僕は歴史オタクだから、こういうの、燃えるんだ」
田中はそう言って、ジャンナの隣に座った。彼は、彼女の抱える秘密を知らない。ただの、歴史が好きな男子高校生だ。その無邪気さが、ジャンナの心を少しだけ和らげた。
「ジャンナちゃんも、興味あったんだね」
「え、うん…まぁ、なんとなく…」
ジャンナはそう言って、目を逸らした。田中は、そんな彼女の様子に気づくことなく、熱心に語り始めた。
「ジャンヌ・ダルクって、本当にすごい人だよね。10代の女の子が、たった一人で国を救ったんだから」
「一人じゃなかったよ」
ジャンナは思わず、そう口にしていた。田中は驚いたように、目を丸くする。
「え? どうして、そう思うの?」
「だって、…私には、たくさんの仲間がいたから」
ジャンナは、慌てて言葉を濁した。「あ、いや、なんか、そんな感じがするっていうか…」
田中は、不思議そうに首を傾げたが、すぐに笑顔に戻った。
「そっか。確かに、彼女一人じゃ、何もできなかったかもしれないね。たくさんの兵士や、彼女を信じた人々がいたからこそ、奇跡を起こせたんだ」
「うん…」
ジャンナは、田中の言葉に、胸の奥が温かくなるのを感じた。ああ、そうだった。私は一人じゃなかった。オルレアンの街を解放した時、私を信じてくれた人々がいた。勝利を分かち合った仲間たちがいた。
でも、それだけじゃない。あの火刑台で、私を嘲笑った人々もいた。
「どうしたの? ジャンナちゃん。また、顔色悪いよ?」
田中の心配そうな声に、ジャンナは我に返った。
「ううん、なんでもない。ちょっと、暑いだけ」
そう言って、彼女は図書室を飛び出した。冷たい風が、熱くなった頬を撫でる。ジャンナは、自分の心の奥底に、まだ前世の記憶という根深い傷が残っていることを思い知らされた。
翌日、ジャンナはいつものようにギャル仲間とカラオケにいた。しかし、彼女の心はどこか上の空だった。
「ジャンナ、どうしたの? 元気ないじゃん」
リサが心配そうに、隣に座り込んできた。
「うん…ちょっと、悩みがあって…」
「なに? 彼氏? それとも、バイトのシフト?」
「違うんだけど…」
ジャンナは、どこから話せばいいのか分からなかった。まさか、「実は私、ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりで…」なんて言えるはずがない。
「なんかさ、私、昔のことが忘れられなくて…」
「昔? 彼氏と別れたとか?」
「違う! そういうんじゃないの…」
ジャンナは、うまく言葉にできず、もどかしさを感じた。リサは、そんなジャンナの様子を見て、優しく微笑んだ。
「ジャンナは、昔のこと、すごい辛かったんだね」
「え…?」
「なんか、そんな感じがする。でもさ、大丈夫だよ。私たちは、今のジャンナが大好きだから。もし辛いことがあったら、いつでも私たちに話してね」
リサの言葉が、ジャンナの心を震わせた。この子たちは、私の過去を知らない。それでも、今の私を受け入れて、好きだと言ってくれる。
「ありがとう、リサ…」
ジャンナは、思わずリサに抱きついた。リサは、驚きながらも優しく抱きしめ返してくれた。
その日の夜、ジャンナは自分の部屋で、一人になっていた。スマホを手に取り、画面を眺める。SNSの通知はたくさん来ている。友達からのメッセージ、新着のニュース、お気に入りのアーティストの投稿。
彼女は、それらを眺めながら、ふと、あることを思いついた。
「そうだ…」
ジャンナは、スマホの検索窓に「ジャンヌ・ダルク」と入力した。すると、たくさんの情報が画面に表示される。
「…私、本当に、こんなにたくさんのことをしたんだ…」
彼女は、自分の知る前世の記憶と、ネットに書かれている情報とを照らし合わせる。戦争の歴史、彼女を支えた人々、そして彼女を糾弾した人々。
その時、一通のメッセージが、彼女のスマホに届いた。送信者は、田中だった。
『ジャンナちゃん、明日、もし良かったら、放課後、また図書室で話さない? ジャンヌ・ダルクのこと、もっと詳しく知りたいから』
ジャンナは、一瞬ためらった。自分の過去と、これ以上向き合いたくない。そう思っていたはずなのに。
「…田中くんなら、もしかしたら、私のことを理解してくれるかもしれない」
そう思うと、胸の鼓動が早くなるのを感じた。
「いや、違う。そんなこと、ありえない。私は、もうあの頃の私じゃない」
ジャンナは、そう自分に言い聞かせる。しかし、スマホを手に取る手が震えていた。
「…でも、もし、あの時、私を理解してくれる人がいたら…」
彼女は、そう呟き、田中にメッセージを返した。
『うん、いいよ。明日、放課後、図書室でね』
送信ボタンを押すと、ジャンナの胸の中に、新しい風が吹き込んだような気がした。それは、過去への反発から生まれた「自由」とは違う、もっと穏やかで、温かい感情だった。
翌日、ジャンナは放課後、図書室に向かった。田中は、すでに席に座っていて、彼女の姿を見つけると、にこやかに手を振った。
「ジャンナちゃん、来てくれて嬉しいよ」
「うん…」
ジャンナは、田中の隣に座った。彼は、分厚い歴史書を開きながら、ジャンヌ・ダルクについて語り始めた。
「ジャンヌ・ダルクは、本当にすごい人だったんだ。神の声を聞いて、フランス軍を勝利に導いて…」
「…でも、最後は、火刑に処されたんでしょ?」
ジャンナは、そう呟いた。田中は、少し寂しそうな表情を浮かべた。
「うん…そうだね。でも、彼女は、最後まで自分の信念を貫いた。それが、僕が彼女を尊敬する理由なんだ」
ジャンナは、田中の言葉に、胸が熱くなるのを感じた。彼は、彼女の過去を知らない。それでも、彼女の生き方を、彼女の信念を、肯定してくれている。
「田中くんはさ、もし、ジャンヌ・ダルクが今も生きてたら、どんな人になってたと思う?」
ジャンナは、勇気を出して、そう尋ねた。田中は、少し考え込んでから、答えた。
「うーん…難しい質問だね。でも、きっと、彼女は、自分の信念を貫く、強い人になってたんじゃないかな。もちろん、現代の文化とかにも馴染んで…」
彼は、ジャンナの顔をじっと見つめた。「…もしかしたら、ジャンナちゃんみたいに、明るくて、周りを笑顔にするような、素敵な女の子になってたかもしれないね」
その言葉に、ジャンナの心臓が、大きく跳ね上がった。
「え…?」
「だって、ジャンナちゃん、すごく優しいし、友達思いだし。なんか、ジャンヌ・ダルクのイメージと、重なるんだよね」
田中の言葉は、ジャンナの心の奥底に、静かに染み込んでいく。
「…ありがとう」
ジャンナは、そう言うのが精一杯だった。田中は、そんな彼女の様子に気づくことなく、笑顔で話し続ける。
「…僕、ジャンナちゃんともっと話してみたい。ジャンナちゃんのことを、もっと知りたい」
その言葉は、まるで、前世で聞いた「神の声」のように、ジャンナの心に強く響いた。
「…私で、よければ」
ジャンナは、そう言って、小さく微笑んだ。彼女の心の中に、新しい扉が開いたような気がした。過去の呪縛から解放され、自分だけの人生を歩む。その道が、今、ようやく見え始めたのだ。
しかし、彼女の日常は、まだ波乱に満ちていた。その日の夜、ジャンナのスマホに、一通のメッセージが届いた。それは、彼女の知らないアカウントからのものだった。
『見つけたよ、聖女。お前の魂は、まだ、神の御心から離れてはいない』
メッセージを見たジャンナは、思わずスマホを落としそうになった。その文字は、彼女の心の奥底に、再び恐怖と不安を呼び覚ました。
「…どうして、私のことを…」
画面には、彼女の顔写真が添付されていた。それは、今日、田中と一緒に図書室にいるところを、誰かが隠し撮りしたものだった。
ジャンナは、その写真を見て、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
「…まさか、あの時の…」
彼女の脳裏に、火刑台で自分を糾弾した、異端審問官の顔が蘇る。
ジャンナは、スマホを握りしめ、震える手で、そのメッセージを削除した。
「もう、あの頃の私じゃない。私は、ただの、普通のギャルだ」
そう自分に言い聞かせながらも、彼女の心は、再び過去の影に囚われていた。
新しい人生、新しい恋。そして、過去からの脅威。
ジャンナの、波乱に満ちた現代での物語は、まだ始まったばかりだった。
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