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幼い頃の記憶
しおりを挟む「由奈!こっちにきてよ!」
どこからか私を呼ぶ声が聞こえる。聞き慣れた男の子の声だ。声のする方を振り返ると、そこには見慣れた男の子がこちらに向かって手招きをしていた。
その男の子の名前は奏楽(そら)と言う。
私は奏楽の方へ急いで駆け寄った。すると、奏楽は私の手を引っ張ってどこかへ連れていこうとする。そのキラキラした奏楽の目は今でも鮮明に覚えている。とても無邪気な子供の目を。
浜辺の砂に足を取られながら、あまりにも広大な海の側を2人かけていった。奏楽があまりにも強く引っ張るもので、私は無我夢中で走った。
しばらく走ったところで、急に奏楽が私の方に振り返る。
チュッ…
海の音に負けないぐらいの音が響いた。
唐突に。本当に唐突に私は奏楽にキスをされた。
私は唖然と立ち尽くしていた。
まだ5歳ということもあり、この行為の意味も、奏楽の想いも、私はまだよくわからなかった。
ただこの「キス」という行為は、幼い私にも「好きな人だけにすること」ということだけはわかった。
だんだん心臓が高鳴ってきた。好きな人にするキスを私にしたってことは私のことが好きなのかなとかなんとか考えているうちに、また手を引っ張られた。今度はさっきよりも強めに。だんだん奏楽が男らしく見えてきた。
これが私の恋の始まり。
ここからの記憶は曖昧でよく思い出せない
そして物語はここから始まる
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