上 下
71 / 93
幕末妖怪の章

樟葉の気持ち

しおりを挟む


僕は樟葉、鴉天狗の長の一人息子だ。
僕の日課は夜に空の散歩に出掛ける事だった。
この日、木の天辺に座る女の子を見つけた。
切なそうに空を眺める女の子を放って置けなかった。

「どうしたの?迷子?」
気付けば声を掛けていた。
僕の声に振り向いた少女に息を飲んだ。
見た事も無いほど綺麗な女の子だったから。
少女は雛妃と言う名らしい。
雛妃の背中の羽から龍族だと直ぐに分かった。
何故龍族の姫が一人でこんな所に居るのか、護衛は何処に行ったのかと辺りの気配を探ったがそれらしき気配は無かった。
雛妃は本当に迷子だったらしく、これまでの事を話してくれた。
龍の姫が家出なんて今頃大騒ぎだろう。
少し前まで人間として暮らしていたと言う雛妃。
まだ妖怪の世界に慣れないのだろう。
僕も雛妃を屋敷に閉じ込めたいと思うのは間違って居ないと思う。
龍族の姫は色々な事情でとても短命だと聞く。
そんな雛妃を守る為に屋敷から出さないのは得策だ。
でも雛妃は納得していない様だった。
僕は雛妃を僕の屋敷に連れて行った。
まだ雛妃と一緒に居たかったんだ。
妖怪は種族によっては愛だの恋には気薄だ。
例外なく僕の種族もそうだ、でもこの気持ちを恋だと言うなら僕は雛妃に一目惚れしてしまったのかもしれない。
雛妃を部屋に案内して暫く経つともう夜中になっていた。
隣の部屋からはまだ雛妃が起きている気配がする。
僕は雛妃の部屋に転移した。

「眠れないの?」

「わっ!!吃驚した!急に現れないでよ!」
プリプリと怒る雛妃はとても可愛かった。

「これなら眠れる?」

「わっ!きゃっ!」
僕は雛妃を抱き締めると一緒に布団に入り灯りを消した。

「ちょっ…樟葉!これは…」

「シっ!吉爺が来てしまうよ?」
雛妃はこんな所を見られたくないのか直ぐに黙った。
僕は後ろから雛妃を抱き締めた。

「目を瞑って、直ぐに眠れるよ。」
雛妃は逆に眠れないと内心焦っていた。
心臓がやけに煩く、樟葉に聞こえないか冷や冷やしていた。

「雛妃はいい匂いがする。落ち着く…」
樟葉も漏れなく雛妃の妖気に惹かれている様だった。
暫くすると樟葉の手が良からぬ動きを始めた。

「あっ!ちょっ樟葉!」
振り向くと樟葉の目には明らかに欲情が見えた。
樟葉の手は雛妃の胸を優しく解しながらたまに頂点をキュッと摘む。
雛妃は口を押さえ羞恥に耐えていた。
僕は雛妃の妖気に堪らず、欲情するのが分かった。
雛妃の胸はとても柔らかく、更に僕を煽ってくる。
顔を真っ赤にして耐えている雛妃も可愛かった。
僕は雛妃の浴衣を捲り、雛妃の足の間に僕の足を挟んだ。
ピクっと反応した雛妃だったけど口を押さえるのに必死らしい。

「雛妃、可愛い…」
耳元で囁けばまたピクっと反応する。
僕は広げた雛妃の筋を指でなぞった。

「んん…」
あぁ、雛妃の声がもっと聞きたい。
雛妃のそこはもう湿っていて簡単に僕の指を飲み込んでしまった。
ゆっくりと沈めて雛妃の弱い所を探る。
一箇所で雛妃の背中が仰け反った、

「ここが良いの?」
僕は集中的にそこを攻めた。
雛妃は直ぐに痙攣するとぐったりした。
達した様だった。
僕は堪らず自身を取り出すと雛妃の足の間に挟んだ。
一度達した雛妃のそこは律動するとスルスルと滑る様に僕のそれを包んだ。
雛妃の筋に擦り合わせる様に動くと雛妃は小さく声を上げた。
更に律動を早めて雛妃の敏感な蕾に僕を擦り付けると雛妃はまた直ぐに達してしまった。
このまま入れてしまおうか?何度も思った。
でも無理矢理は嫌だった。
だって僕の初恋だからね、大切にしたい。
僕が達する頃には雛妃は気を失ってしまっていた。
僕は雛妃の額に口付けると自分の部屋に戻った。
龍族の姫だからじゃない、僕は雛妃だから惹かれたんだと思う。
さて、これからどうしようか?
雛妃を帰したくない。
しおりを挟む

処理中です...