うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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クロードの執務室ではまだ怒りが治まらないナディアが叫んでいた。
それを宥めるウィリアムに、それを疲れた顔で見ているクロードとラファイ。

「ナディアさん、さっきの女ですけど…俺の母親なのは間違いないんですよ。産みの母親です。」

「何ですって!!今更クロードに何の用があるって言うのよ!!」

「あー…それは、妹のクラディスの事で産みの両親に会いに行ったんです総帝として。」

「そしたらあの母親、総帝の両親ならエデンに住めるし優遇されて当たり前だと宣った。胸糞な女だったよ。」
ラファイは心底クロエが嫌いな様だ。

「はっ?図々しいにも程があるじゃない!自分で捨てておいてクロードが総帝と分かったら掌返したの?信じられない!!」

「まぁまぁ、ナディア。今は間違いなくクロードは俺達の息子なんだ。養子縁組もしている、産みの母親が何を言って来ても法的にクロードは俺達の息子に変わりない。妹も俺達の娘にして良いんだろうクロード。」

「はい、出来ればお願いします。」

「そうよ!!私達の娘に会わせて頂戴!」
興奮気味に言うナディアにクロードは暗い顔をした。

「妹のクラディスは何も瞳に映しません。言葉も話しません。ただ生きている人形の様になってしまいました。」
クロードはクラディス発見の経緯を話して聞かせた。
話が進むとナディアとウィリアムの顔はどんどん怒りに染まっていった。

「そんな事があったのね…」

「許せねえな…」
ナディアは涙を流し、ウィリアムは怒りに震えて居た。

「会うのは構いません。話し掛けてあげて下さい。」
ナディア達はクロードの案内でクラディスの部屋へ向かった。

「ここです。」
大きな扉を開くと窓際に座るクラディスが居た。

「クロードに良く似ているのね。」

「はい、瞳の色は違いますが。そのせいでクラディスは…」
悲しい顔をするクロードにウィリアムが肩に手を置いた。

「クロードが責任を感じる必要はねえ。悪いのはお前らを売った両親だ。」

「産みの両親は離縁したそうです。だからあの人はここに来たのでしょう。俺を利用する為に。」

「大丈夫だ、俺達がそんな事はさせない。」

「はい。」
ナディアは窓から外を眺めるクラディスの傍に跪いて何かクラディスに話し掛けていた。
それでもやっぱり何の反応も見せないクラディスにナディアは眉を下げた。

「クロード、クラディスの食事はどうしているの?」

「毎回俺が食べさせています。余り食べませんが、何とか半分程は食べさせています。」

「執務の合間に大変じゃない?」

「クラディスの為です、幾らでも時間は作りますよ。」

「そう…ねえ、クロードが嫌じゃなければクラディスを私達に預けてみない?私は専業主婦だし、常にクラディスを見てあげれるわ。」
確かにクロードは食事の面倒を見るのがやっとだった。
散歩に連れて行きたいが執務の合間にそんな時間は無かったのだ。

「クラディスを宜しくお願いします。俺も時間が空けば会いに行きます。」

「分かったわ。クラディスの養子縁組の手続きもしておくわね。」

「はい。お願いします。」

「そうと決まれば、クロード!この大量の荷物と私達を家まで運んで頂戴。」
ナディアとウィリアムがクラディスにと大量に持ってきた荷物が山になっている。

「分かりました。」
クロードはラファイを伴いウィリアムの屋敷に転移した。

「お帰りなさいませ。旦那様、奥様…おや坊っちゃま達まで、これは珍しい事でございますね?」
燕尾服を来た初老の執事チャールズが急に玄関に現れたクロード達を驚くことも無く出迎えた。

「また凄い荷物でございますね?さぁお前達、荷物を運んで差し上げて下さい。」
チャールズが言うとメイド達が次々に荷物を運んで行く。

「チャールズ、この子はクラディス。クロードの実の妹よ。この子も私達の娘にするから宜しく頼むわね。」

「おやおや!それは喜ばしい事でございますね!お嬢様が出来るのですね?メイド達の腕が鳴りますな。坊っちゃま方は屋敷に居られませんし。」

「おい、チャールズ。もう坊っちゃまは辞めてくれ。」

「おや、私からすれば坊っちゃまは今でも坊っちゃまでございますよ?」
ホッホッホッと笑うチャールズをラファイは睨んだ。
ウィリアムの家は由緒正しき公爵家なのだ。
ナディアを妻に迎えるに当たって一悶着あったらしく、クロードを養子に迎え更にはクロードが総帝に就いた事により鎮圧された。
少なからず否、かなりウィリアムもナディアもクロードには感謝している。

「チャールズ、クラディスの部屋を用意してやってくれ。内装や家具は一新してくれ。幾ら掛かっても構わない。」

「承知致しました、旦那様。」
チャールズは数名のメイドを連れて去って行った。

「ではクラディスを宜しくお願いします。俺達はまだ執務がありますから戻ります。」

「もう行ってしまうの?」

「すみません。産みの母親の事で近衛兵が困っている様なのでそちらも片付けなければなりませんから。」

「なら仕方ないな。クロード、お前は総帝以前にこの公爵家の嫡男だ。堂々と言ってやれ。」

「そうよ!あんな女早く追い出して頂戴!」

「はい、分かりました。行こうラファイ。」

「あぁ。」
二人はエデンに転移した。
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