うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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クロードの産みの母親のクロエは王都に来ていた。
街の人に聞きながらエデンに繋がる魔法陣まで辿り着いたのだった。
しかし、魔法陣を見張る近衛兵に止められた。
クロエはエデンに入るには特別な許可書が必要な事を知らなかった。
総帝のクロードならバングル。
焔帝のラファイなら指輪。
エデンに別邸を持つ王族や貴族、商いをする商人などもそれに準じた許可書を所持している。

「待ってよ!!私は総帝様の母親なのよ!!ここを通しなさい!!」
クロエの言い分に近衛兵は眉を顰めた。
クロエの片腕ずつ拘束していた近衛兵二人は顔を見合わせた。

「総帝様のご両親は違うよな?」

「あぁ、何度もここを通っているが。総帝様のご両親はナディア様とウィリアム様だろ?」
ならこの女は何者なのだろう?
二人は首を傾げた。

「何で通してくれないのよ!!私は本当に総帝様の母親よ!!」

「ならば総帝様の紋章が入った許可書を提示して下さい。総帝様の許可書が無いとエデンへは入れませんよ?」

「何ですって!!なら総帝様をここに呼んで頂戴!!直ぐに許可がおりるわ!!」
近衛兵は狼狽えた、この女恐れ多くも総帝様を呼び付けろと叫ぶ女。
不敬も甚だしい。
少し離れた場所にナディアとウィリアムを確認した近衛兵は内心頭を抱えた。
何故このタイミングで…

「早く総帝様を呼びなさいよ!!母親が来たと言えば直ぐに来てくれるわよ!!」
その大声にナディアが気付いてしまった。
近衛兵は出来る限りナディア達から自称総帝様の母親を遠ざけた。

「兎に角、ここを通すわけには行きません。あまり騒ぐと牢に入れますよ!」
チラとナディア達を見ると電電雷魚に向かって何やら叫んでいる。
きっと総帝様と話をしているんだろう。
その後直ぐに総帝様と焔帝様が現れた。
周囲はちょっとした騒ぎになり、急に現れた総帝様に近づこうとする女を押さえ込んだ。
総帝様がこっちを見た気がしたが、気の所為だったのか総帝様はナディア様達を連れて直ぐに消えてしまった。
この女はどうしよう。
近衛兵達は頭を悩ませた。

「取り敢えず牢に入れ、総帝様に報告を入れるしかないな…」
牢に入れてもまだ総帝様に会わせろと叫ぶ女に近衛兵達はげんなりした。

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