うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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夜会前日、クロードはオズワルド公爵家に帰って来ていた。
愛し子の少女はオズワルド公爵家に養子に入る事になった様だ。
名前はアリア=ヴィー=オズワルド。

「お帰りなさい!お兄ちゃん!」
ピンクの可愛らしいドレスを着たアリアが飛び付いてきた。

「ただいま。」

「こら、アリア!お兄ちゃんじゃくてお兄様でしょ!」
ナディアがアリアを追い掛けて来て注意をした。
淑女教育がもう始まっているらしい。
叱られたアリアは俺から離れるとドレスの端をつまみ上げ淑女の礼ととった。

「お帰りなさいませ、お兄様。」

「うん、ただいまアリア。凄い上手ですね!」
褒められたアリアはハニカんだ。
そんなアリアを抱き上げて屋敷の奥に向かう。

「ただいま、父さん。」

「お帰りクロード、どうだ!アリアは可愛いだろう!」

「もう親バカですか?アリアが嫁ぐ時はどうするのですか?」
ウィリアムは真っ青になった。

「誰にも嫁にはやらん!クラディスもだ!!」

「お兄様、クラディス姉様は近頃ご自分でお散歩なされるの!!私も一緒に行くのよ!!」
興奮しながらアリアが教えてくれた。
度々クラディスに会いに来ていたクロードはその少しの変化がとても嬉しかった。

「アリア、兄様は忙しくて中々屋敷に帰って来れない。クラディスを頼みますよアリア。」

「はい!私クラディス姉様を守ります!!」
頼もしいアリアの頭を撫でると気持ちよさそうに目を細めた。

「そうです、父さん。帝は全員出席しますが帝とは伏せて下さいね。」

「分かっているよ、クロードの事も秘密なのだから。」

「それと…俺の女避けにルナが一緒に出席します。勿論俺がエスコートします。」

「何だか一悶着ありそうな予感がするんだが…まぁ良いだろ。」
ウィリアムはそう言いながらも不安を拭えないでいた。

「アリアはお兄様のお誕生日出ちゃ駄目なの?」

「アリアはまだ小さいからね。しっかり寝ないと大きくなれませんよ?それに後日時間を作るので皆でディナーにしましょう。」

「本当?!お兄様!!」

「約束しますよ。」

「お兄様大好き!!アリア大きくなったらお兄様のお嫁さんになる!!」

「ちょっとアリア!!そこはパパのお嫁さんになる!って言う所だー!!」
ウィリアムがオヨオヨと泣き真似をした。

「うーん…アリア、パパも大好きだけどお兄様はもっと大好きなのぉ!」

「ありがとうアリア、私もアリアは大切な妹ですよ。さぁ、父さんの所に行ってあげて下さい。拗ねてますからギュッてしてあげるんですよ?」

「はーい!」
アリアを降ろすとトテトテとウィリアムに突進して行った。
すかさずウィリアムがアリアを抱き上げる。

「所でラファイはどうした?一緒じゃないのか?」
クロードは苦笑いをした。

「ラファイはまだ夜会に出る覚悟が決まって無いようで、後から来ますよ。」

「全くラファイは一応王子なのに夜会や舞踏会が苦手とは難儀だな。」

「俺も嫌ですよ?」
クロードが一人称を帰るのは心を許した者のまえだけだ。

「そんな事知ってる。今回俺だって夜会など開くつもりは無かったんだ。クロードは嫌がるだろうと分かっていたからな。」

「じゃあ何で開くんですか?」
ウンザリしながらウィリアムを見ると不機嫌なような何か難しい顔をした。

「いやな…ミハイル公爵家から手紙が来たんだよ。嫡男の誕生日の夜会は何時かってな。不思議なのはミハイル公爵家はお前に会った事も無いだろう?何故クロードの誕生日を知っていたか謎なんだ。同じ公爵家から言われたら開かない訳にも行かんだろ?」

「ミハイル公爵家ですか?名前しか知りませんね。」
クロードもウィリアムも気付いていないが、クロードが一度学園に入った時同じクラスにミハイル公爵家の長女が居たのだ。
皆様は覚えて居るだろうか…ミレイユ=ベル=ミハイルを。

「明日は大きな夜会になる。頑張ってくれ。」

「何かあれば帝達と俺は逃げますからね。」

「そうならないように努力しよう。」
クロードはクラディスの部屋に向かった。



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苦手な方は飛ばして下さい。
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