うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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「えっ?誕生日の夜会ですか?」
クロードはナディアと電電雷魚で話していた。
クロードの執務室では闇帝カイテルがソファーでお茶を飲んでいた。
これももう見慣れた光景です。
向かいには土帝がクッキーを摘んでこちらの話に耳を傾けているのが分かりました。

「でも私の誕生日はもうとっくに過ぎましたよ?」

「だって貴方あの時は任務で忙しくてそれ所じゃ無かったじゃない?オズワルド公爵家の長男が成人を迎えた誕生日なのよ?何もしない訳にはいかないのよ。」
この世界では男は15が成人となる、女性は決まって居ないが早ければ12歳とかで嫁ぐ者も居る。

「それは分かりますが、私は夜会や舞踏会は嫌い何ですよ。」

「そんなの百も承知なのよ!もう招待状も作ったしちゃんと出て頂戴よ!ラファイにも伝えてあの子も逃げてしまうでしょ?帝様達も呼ぶと良いわ、じゃあね!」
電電雷魚は何時も通り去って行った。

「はぁ…」

「夜会ですかな?」

「はい、私の誕生日の夜会だそうです。」

「総帝様は夜会が…嫌いですか?」

「カイテルも得意な様には見えませんよ。帝も参加らしいですし、どうしますか土帝も闇帝も。」

「儂は酒が飲めるなら行くわい。公爵家の夜会じゃ、良い酒がでるじゃろうて。」
土帝はウキウキしながら言った。

「僕は…」

「カイテル、来ないとナディアさんがきっと迎えに来ますよ?」

「うっ!行き…ます。」
闇帝カイテルは顔色を悪くさせた。

「後は、ラファイと水帝、風帝、光帝ですね。」
クロードは念話を送った。

“総帝です。来週私の家で夜会が開かれます。皆さん参加をお願いします。”
念話を終えると直ぐに飛び込む様にラファイがやって来た。

「どう言う事だ!!」

「俺の誕生日だそうです。」

「総帝様のお誕生日の夜会に出席出来るなんて光栄ですわ!」
水帝は喜んでいる。

「僕は夜会とか苦手なんだけど、総帝様の誕生日じゃ仕方ないよね。」
男性陣は土帝のみが行く気満々と言った所だ。

「わわわ私は!ドレスとかは…持って居ないのであの…その…えーと…」

「あらぁ、それなら私が見繕ってあげるわよ!心配無くてよ光帝?」
水帝は光帝の肩を掴みノリノリだった。
それに光帝は白目を剥いた。
光帝は庶民出身で夜会や舞踏会など出た事が無いのだ。
勿論ドレスや装飾品など皆無だった。

「なら、急がなきゃね!!」
水帝はサッサと仕立て屋を呼んで帝達の採寸が始まったのだった。
それはもう大騒ぎだった。
俺達男性陣は寸法を直して貰うだけで出来合いの物で済ませだが、女性陣はそうはいかない。
一週間後の夜会に間に合わせる為、てんやわんやだ。

「光帝はやっぱり明るい色が良いわ!そうそう!そんな感じ。ネックレスはシンプルな物を、あぁ光帝の瞳の色に合わせてね!」
水帝はテキパキと指示を飛ばして行く。

「凄いですね、水帝。」
風帝はキビキビ動く水帝を見ながら呟いた。

「いや、風帝よ…あっちも凄いわい。」
土帝が指差す先には人間サイズになったルナがクロードに自分用のドレスを選ばせている。
そのドレスを選ぶ姿は何処から見てもラブラブカップルだ。
ルナがグイグイ行っているが、若干クロードが引いている感じだ。

「でもさ、何でルナ様までドレス選ぶの?」

「ルナ様が言うには女避けだそうだ。」
成程…と風帝は呟いた。
夜会などの社交界は言わば年頃の男女のお見合いの場みたいなものだ。
クロードやラファイは獲物を狙う女豹と化した令嬢達の恰好の餌食だろう。

「儂は闇帝にも女避けが必要じゃと思うんじゃがな?」

「えっ?僕…ですか?」
急に振られた闇帝カイテルは驚いた。

「そこは大丈夫ですわよ。私が闇帝の女避けになりますわ。風帝には光帝がつきますけど、そちらは光帝の男避けですからお願いしますわ。」

「何で僕なのさ水帝!」

「あのか弱い光帝が男をあしらえると思いまして?出来るわけないですわ。だから風帝に守って頂きたいのよ、貴方も顔は良いのだし釣り合うわ。」
この中で顔が良いと言われても微妙な風帝だった。
風帝も美男子だが、クロードやラファイ、カイテルの前では風帝の美貌も普通になってしまう。

「分かったよ。しっかり光帝を守ってあげる。」

「ありがとう助かるわ!」
水帝はまた戻って行った。

「誰も儂の心配はしてくれんのじゃな。」

「土帝は酔い潰れない様に監視しててあげるよ!」
そんな風に風帝に言われ土帝は密かに凹んだのだった。

「あ~ん!クロード何処行くのよぉ?!」

「あんな破廉恥なドレスはいけません!」

「もう!何処が破廉恥なのよぅ!!」
ルナが着ているドレスは胸元がこれでもかとガバッと開いたドレスだった。
ルナの豊満な胸が惜しげも無く晒されている。

「見てぇ~。」

「嫌です。」

「触っても良いのよ~ん?」

「結構です!!」
ツカツカと逃げてくるクロード。

「ありゃ何じゃ?ただのバカップルじゃの?」
土帝は呆れた顔で見ていた。
かなり時間は掛かったが衣装の準備は何とかなった。

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