45 / 125
惑星エルリス
1-44
しおりを挟むエデンに着くと王女は闇帝に任せて、俺は父さんと母さんを連れて執務室に戻った。
執務室に入るなり母さんに詰め寄られる。
「クロード!あんなの母さん聞いてないわよ?」
「父さんも吃驚したぞ?前から決めてあったのか?」
「はい、こうなるだろうと事前に帝達が協力を申し出てくれたんです。」
「はぁ…セリーヌには申し訳ないけど、王女の事は仕方ないわね。」
「父さんも良かったんですか?戦友だったのでしょう?」
「構わない、アイツは王位に就いてから奢ってしまった、それの顛末だ。アイツも理解して今頃後悔している頃だろうよ。」
「王女はどうする気なのよ?まさか極刑は無いでしょう?」
「本来なら極刑ですよ?でも今回は俺の両親の友の子供を考慮します。あの我儘が治らなければシロへは戻れませんけど、婚期を逃す前に更生出来れば良いですね?」
後は闇帝がどうするかでまた変わって来ますけど。
「なら私達は帰るわ、疲れちゃったわよ。」
「すみませんでした。」
「あぁ、また帰って来い。アリアがお前に会いたくて騒いでいるからな。」
「分かりました。近いうちに帰ります。」
両親をエデンの魔法陣まで見送るとまた執務室に戻り、書類に目を通す。
「まさか、城に行っている間にこんなに書類が溜まっているとは思いませんでした…」
クロードは書類の山を倒しながら机に突っ伏した。
このままお昼寝してしまおうかと悩んでいるとラファイが入って来た。
「どうした?珍しいな、お前がそんなになってるなんて。」
そう言うラファイの手にはまた書類が握られていた。
「ラファイまで俺に書類を持って来るんですね?」
「仕事だからな。それより良いのか?」
「何がですか?」
「カイテルの部屋にルナ様が入って行ったぞ?大丈夫なのか?」
「それは…」
ダイジョバナイdeath。
俺は急いで闇帝の部屋に向かった。
「カイテル、失礼します!」
目の前の光景に目を疑った。
「る、ルナ?何をしているんですか?」
「あらぁ、クロードいらしゃーい。見たらわかるでしょぉ?躾よん、躾。」
躾ですか?
チラとカイテルを見ると顔を反らした。
分かりますよ、ルナに逆らえなかったんですね?
「お座り!!お~す~わ~り~よっ!!全く、犬にしても駄目駄目じゃない、この王女!」
「いや、犬にしたら駄目ですよ…躾は人間として躾なければ意味が無いんですよ?」
「あら、そうなのぉ?早く言って頂戴よぉ。無駄な時間使っちゃったじゃなぁい?」
「ルナ、王女を元に戻して下さい。カイテルはまた王女を閉じ込めて置いて下さい。ルナはやり過ぎですよ、反省して下さい。それまでおやつは抜きです。」
「嘘ぉぉぉお!!いやぁぁぁあ!!それだけは許してぇー!!」
「駄目です、反省しなさい!私は執務に戻ります!!全く山の様に書類が来ているのに…」
ルナは絶望的な顔で床に崩れ落ちた。
精霊の常識は分かりませんが、人間は人間として扱わなければいけません。
例え罪を犯した人間でもです。
最低限の人権は尊重すべきだと私は思っています。
「王女については私が追って沙汰を出します。それまではカイテルに任せます。」
俺は執務室に篭もり何とか書類を捌ききった。
部屋に行くと既にラウがベットで丸くなっていました。
「ラウ、ルナは一緒じゃないんですか?」
『うむ、他の帝達の所でおやつにありつこうとして全滅したとフラフラ森に向かって行った。泉にでも引き篭るのだろう、放っておけ。』
「そうですか。」
他の帝達にもルナにはおやつ禁止と通達しておいたんです。
「もう寝ましょうか、今日は疲れました。」
『うむ、ゆっくり休むと良い。』
「はい、おやすみなさいラウ…」
俺は直ぐに眠りに落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる