うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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人類の存続

2-1

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クロードが消えて一年…何とか帝達で協力して執務をこなして来た。
如何にクロードが一人で大量の書類達を捌いていたか思い知った帝達だった。
ラウにもルナに聞いてもクロードの居場所は分からなかった。
気配は何となく感じるらしいがハッキリ分からないとの事だった。
ラウも森を、ルナも水の精霊を使って捜索したが分からず終いだった。

「ちょっと!ラファイ!!ギルドからの書類を何処にやったのよ!!」

「あっ?その辺にあるだろ?」

「無いから聞いてるのよ!!」

「リナリアよ、もう少し落ち着いたらどうじゃ?」

「ガライルが呑気なのよ!!書類には期限があるのよ!!」

「カイテルさん、この書類をお願いします。」

「分かりました。マキナさんはこれに判をお願いします。」

「分かりました。」
この一年で帝達はお互いを名前で呼ぶ様になった。
勿論、帝達だけで居る時だけだが。
帝達は日々クロードがするはずの書類達に四苦八苦していた。
会議室とは別に帝達が執務をする部屋を別に設けた。

「もう!!早くクロード様帰って下さい!!」
水帝リナリアは心の声がダダ漏れだ。
それは帝達全員が思っている事で全員が無言で頷いた。

「ラウ様達がまだクロード様を探しておる、儂らはまずは…書類達を何とかせねばな。」
ガライルも他もうんざりした。
本来帝達には任務が多く、総帝は余程のことが無いと出てこない。
故に書類や机仕事に慣れていない帝達は毎日にうんざりしていた。
しかも書類の山との格闘の合間にそれぞれ任務に出ているのだ。
帝達は疲弊していた。
部屋には響くのは溜息とペンを走らせる音だけだ。
しかし、暫くすると感じ慣れた気配がある事に帝達が気付き始めた。
皆書類から顔を上げると部屋の端にある椅子に座り書類を読んでいるクロードが居たのだ。
一年で少し伸びたサラサラの髪を耳にかける姿は見惚れる程美しかった。

「クローーーーーーードォォォオ!!」

「ラファイ、久しぶ…グフッ!!」
ラファイの拳がクロードに炸裂した。
倒れ込み咳き込むクロードに更に衝撃が続く。

「ゴホッゴホッ…ウッ!!ウエッ!ウグッ!!」
闇帝、水帝、光帝、土帝がクロードに突進し抱き着く。

「クロード様!!待って居ったぞ!!」

「これで書類から解放されますわ!!」

「お帰りなさいですーーー!!」

「クロード様!!もう書類は充分です!!」
と泣き付く帝達にクロードは苦笑いをした。

「すみません、皆さんの鬼気迫る雰囲気に声を掛けるタイミングを逃してしまいました。」
てへっと頭をかくクロードに全員が脱力した。

「一年も苦労を掛けてしまいました。すみません、ラファイもすみませんでした。」

「お前ら退け!!何時まで総帝様の上に乗ってるつもりだ?!」
ラファイはポイポイと帝達を投げる。
クロードに手を差し出しクロードを立たせた。

「話は後だ、クロードこの書類達を何とかしてくれ。」
これは帝達の願いだ。

「分かりました。私の執務室に運んで下さい。午前中には終わらせますからそのあと会議室に集合で良いですか?」
この量の書類達を午前中に終わらせると言い切ったクロードに恐ろしさを感じたがもう書類は御免なので帝達は黙って頷いた。
クロードは約束通り書類達を捌き切り、会議室に集合していた。

「さて、何処らから話しましょうか?」

「クロード、どうして居なくなった?」
ラファイは静かに怒っている。

「それは…居なくなったと言うより…気付いたら別の場所に居たと言った方が正確ですね。」

「なら何故儂らに連絡の一つもせんのじゃ?」

「うーん…俺が居た別の場所が何処だったと思いますか?」
帝達は首を傾げた。

「では言い方を変えます。この世界の大陸の数は?」

「そりゃ一つじゃろう?」

「そうですわ、一連なりの大きな不毛な大陸だけですわ。」

「俺が居たのはこの大陸の真裏の島でした。大陸と言うには小さいですが、島と言うには大きいですね。」
帝達は驚いた、まさか他の陸が存在していたなんて。

「そこでクロウに会ったんですよ。恐らく彼が俺をあそこに飛ばしのでしょうね。そこで何を見たと思いますか?」

「何を見た?勿体ぶらずに言え。」
ラファイはクロードを睨む。

「睨まないで下さいよ、ラファイ。そこで見たのは新種の魔物です、しかも知能があり国を作っている。人間程ではないにしても家の様なもの、戦いの訓練をしている魔物と色々居ました。それだけではありません。大きさが桁違いです。私達はこの世界はこの大陸が全てだと思い込んでいた。それが間違いだったんです。この国の南からシルベニア王国を越えて更に森が広がっている事は知っていますね?」

「ええ、知っていますわ。この世界に少ない恵みの森ですもの。人間は入れませんけれど…」

「あの森は俺が居た陸側まで続いています。あの桁違いな魔物達も森の端に小さな集落を作っています。この意味が分かりますね?」
帝達はまさかと言う顔をした。

「倒せば良いじゃねえか?」

「ラファイ、あの魔物に簡単に手を出してはいけません。一体俺一人でも何とかなるでしょう。しかし、集団で来られたら俺でも勝てません。戦闘力が異常なんですよあそこの魔物達は。俺は一年かけて観察しました、気配を消し俺の存在を悟られぬ様に。だから連絡しませんでした。」

「成程のぅ…して、観察した結果は?」

「結果は…陸の方は国と言った方が良い規模です。魔物達を纏める長的な魔物がいます。武力に長けた魔物は戦闘訓練の指揮を取っている様でした。ただ王と呼べる者は見つかりませんでした。俺の推測の域を出ませんが…あそこの王は恐らくクロウでしょう。」
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