57 / 125
惑星エルリス
1-56
しおりを挟むラファイは森で会ったクロウ=オブ=クロードの事を帝達に話した。
「クロウが言っていた土産と言うのが風帝の事だったんだ。」
帝達は顔を顰めた。
「でも風帝とて弱くありませんわよ?帝なのですから、風魔法に関しては彼の右に出る者は居ないのですもの。」
「だからだ、俺達を風帝の様に出来る力を持った者が居るという事だ。」
「なら総帝様なら…倒せる…」
「闇帝、総帝様ならやるだろうでもそれじゃ駄目なんだよ。」
「そうじゃ、現に今総帝様は動けんそんな時にそのクロウとやらが攻めて来てみぃ?この帝宮とて一環の終わりじゃよ?儂らが力を付けんといかんのじゃよ。」
「でも…どうやって…」
「闇帝よ、儂は何も個人で強くなれとは言っとらん。儂らは一人ではないのだぞ?そうよのぉ、少し昔の話をしようかのぅ?」
そう言って土帝は遠い昔を思うような顔をした。
あれはレジンスト歴2354年だった、儂はこの年に土帝に就任したのじゃ。
その代の総帝様は酷い者だった。
自分の力に酔い、儂ら帝達を己の駒としか見て居らなんだ。
その総帝様の代に魔物が徒党を組みこの帝宮に攻めて来たんじゃ。
結果は惨敗じゃった、総帝様は自分の力を示したくて敵に突っ込み、我等帝は総帝様を守る為に居る。
儂らも総帝様に続くしか無かった、一人先走った総帝様は敵大将に呆気なく殺られ儂ら帝も次々と命を落とした。
敵が去った後は酷いもんじゃ。
何とか命を取り留めたのは儂と闇帝だけじゃったのだから。
しかし、闇帝は二度と起き上がれない身体になってしまった。
「それから何代も総帝様を見て来たが…今回はちと違う総帝様じゃの。儂らを仲間として見て下さって居る。儂は忘れまいよ…あの魔物の大将の名を…奴はクロウ、クロウ=オブ=クロードじゃった。」
「何だと?!」
声を荒らげるラファイ。
「ならばまた魔物がここに攻めて来るって事ですの?!」
「うむ…しかし、前回はクロウは総帝様には接触して居らぬ筈じゃ。何の前触れも無く攻めて来たのじゃからな。今回の奴の行動は解せぬ。」
「だか、準備をするに越したことはないだろう土帝?」
「そうじゃのぅ…」
帝達は知らなかった、こうして話し合いをしている間に自室で眠っている筈のクロードの姿が消えて居る事に。
クロード失踪に帝達は慌て帝の総力を持って捜索網が敷かれたがクロードが見つかる事は無かった。
クロード失踪は帝宮のみで留め、極秘とされた。
クロードが生きている証拠があったからだ。
クロードの両親よウィリアムとナディアが持っているバングルの総帝の紋章は消えていなかった。
総帝が死ねばその紋章も消えてしまう、だからクロードは生きている。
ラファイは執務の合間を見てはクロードを探していた。
それから一年、クロードは帰る事は無かった。
_______________________________________
次章『人類存続』
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる