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人類の存続
2-15
しおりを挟む翌朝起きると、二人でお風呂に入り食事を摂った。
お風呂でまた楓に発情したクロードに求められ楓がヘロヘロになったのは言うまでもない。
そこへ来客がやって来た。
「お父様…」
「楓や、巫女を降りるのか?」
「はい、私はこのクロードを愛してしまいました。巫女として失格ですわ。」
「そうか…」
壮年の男性、楓の父はクロードを見た。
「私はカルジュナ星の教皇が一人、バジル=カルジュナ。父として…不束な娘ですが宜しくお願いします。」
そう言って頭を下げた。
「私は惑星エルリス、ドラスタ王国オズワルド公爵家の長男クロード=ルイ=オズワルドです。総帝と言う役職を頂いております。こちらこそ娘さんを頂くのです。宜しくお願いします。」
クロードも頭を下げた。
「公爵家に総帝様ですか…」
「ご存知なのですか?」
「私共の星は他の星についても調べています。総帝様の名は有名です。楓、お前が嫁ごうとしている家は大変有名な家柄だ。精進しなさい。」
楓は返事をしながらも首を傾げる。
そんな楓に父バジルは説明した。
「えっ?クロードあの星で一番偉いの?!」
楓は心底驚いている。
「はい、まぁそうなりますね。」
てへっと笑うクロードに楓は呆れた。
「私凄い人に嫁ぐのね?」
「楓は私が守ります。大丈夫ですよ。」
「楓、次の巫女選出に7日程かかる。それまでは楓には此処に居て貰わねばならない。」
「分かりました。」
「私も一度帰ります。執務が溜まっているでしょうし、他の帝達がきっとカンカンですから。また会いにきますよ、楓。」
楓の額に口付けるとクロードはバジルに挨拶をして転移して行った。
「愛されて居るのだな?」
「はい、お父様。親不孝な私を許さないで下さい。」
カルジュナでは巫女になる事はとても名誉な事なのだ、楓はそれを蹴った。
「何を言う、父親としては娘を巫女にするのは複雑なのだ。今はただの父親だ、楓が幸せならそれで良い。ただ…孫は抱きたいな。」
楓はカッと赤くなった。
「クロードに頼めば可能だと思います。」
「そうか、一度それについては話し合わなければな?婿殿に伝えておいてくれ。」
「はい、お父様。」
そう言うとバジルは去っていった。
楓は地球を見ながら自分の腹に手を当てた。
まだクロードの感触が残っている。
そんな感触も愛しく感じる楓はまた地球を見守るのだった。
エデンへ帰ったクロードを待っていたのは書類の山とカンカンに怒ったラファイだった。
「何処に行くか位言ってから行けねえのか!!お前は総帝なんだぞ?!周りの心配を考えろ!!」
「すみません、そんなに怒らないでくださいラファイ。」
怒られているのにクロードは頗る機嫌がよろしい。
「お前…何かあっただろ?吐け。」
「先に両親に知らせたかったんですが、俺結婚します。」
時が止まった。
書類を届けに来た水帝と闇帝の手から書類がバサバサと落ちる。
「「「はぁ?!」」」
「だから結婚します。」
「だだだだだ誰とですの?」
「楓と言う女性です。詳しくは両親と話してから報告しますよ。」
大層機嫌の良いクロードは書類の山に取り掛かった。
未だに三人は時が止まったまま動けないでいた。
あの難攻不落の総帝様を落とした女、どんな女が来るのだろうと不安もあるが水帝と闇帝は素直にショックだった。
まさか先を越されるとは思ってもみなかった。
総帝様結婚の話は電光石火で帝達に伝わった。
公爵家長男の結婚だ、それは盛大な結婚式になるだろう。
ラファイにはもう一つ不安な事があった。
あのミハイル公爵家の娘だ。
あの娘、闇帝の拷問に耐えたのだ。
オズワルド公爵家接近禁止と総帝様の素性に関して話せないように闇帝が魔法をかけたが、あの娘変な事を考えなければ良いがとラファイは思っていた。
そんたラファイの心配を他所にクロードは鼻歌まで歌いながら凄い速さで書類を捌いていた。
その頃、帝達はあの総帝様を落とした花嫁について話していた。
「どう思います?あの総帝様を落とした花嫁。」
「儂は綺麗で可愛い花嫁希望じゃ!」
「土帝!貴方の花嫁じゃなくてよ!」
土帝はただの希望じゃわいとブツブツ愚痴る。
「き、きっと総帝様の花嫁様です綺麗な人に決まってます!!」
鼻息荒く光帝が力説する。
「僕も…そうだと思います。綺麗な人でないと総帝様と釣り合わない気がしますし。」
「えー!とんでもなく気の強い花嫁だったらどうするのさ?それか物凄く独占欲が強いとか?」
「風帝、それでは私達帝の任務にも影響が出てしまいますわ!」
花嫁について憶測が更に憶測を呼ぶ。
実際はクロードの方が独占欲は強いだろう。
本当なら一時も離れたくないと思っているのだから。
いち早く書類を捌いて楓に会いに行きたいのが本音なのだ。
執務を終えるとクロードはオズワルド公爵家に帰った。
勿論楓について話をする為だ。
オズワルド公爵家応接室にはウィリアムとナディアが待っていた。
「ただいま帰りました。」
「お帰りクロード。」
「クロード!詳しく話なさい!」
ナディアは興奮気味だ。
まだまだクロードの結婚など先の話だと思っていた。
クロードが選んだ花嫁なら余り反対はしたくないが、姑になるナディアにとっては色々と複雑だった。
「はい、楓=カルジュナと結婚します。彼女は巫女だった、だから結婚など出来なかったのです。」
「出来なかった?」
ナディアが怪訝な顔をした。
「はい、結婚するには巫女で無くなる必要がありました。」
「クロード…貴方まさか!!」
「はい、巫女で無くなるには純潔を喪う必要がありました。婚前交渉ですが、ちゃんと責任は取ります。」
ナディアもウィリアムも難しい顔をするが、自分達にも身に覚えがある為何も言えない。
「彼女のお父様に会いました。結婚は許して貰いました。まだ話し合う必要がありますが母さんと父さんを向こうに連れて行けるかまだ分かりません。もう少し待って下さい。」
「でもね、クロード。公爵家の長男の結婚となると中々難しいのよ?私の時なんて凄い大変だったんだから!ねえ、ウィリアム?」
「あぁ、まぁね。ナディアは庶民だったからね。」
「それなら大丈夫ですよ?楓はカルジュナの王族ですから。」
「何ですって?!」
「これまた凄い花嫁さんだな?他の星に親族が出来るのか…いいな、ロマンがある!」
「もう、ウィリアムったら!クロード貴方が選んだ花嫁なら私達は反対しないわ。でも一度ちゃんと会わせて頂戴。あちらの家族にもきちんと挨拶しなくてはならないし。」
「分かりました。楓と相談してみます。」
そう言って足早にクロードは出て行った。
「あれはきっと花嫁に会いに行ったな。」
「クロードったらべた惚れなのね?少し寂しいわね。」
「大丈夫だよ、クロードはうちの跡継ぎだからね。離れることは無いよ。」
二人は寄り添った。
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2-11挿絵追加しました。
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