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プロローグ
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僕には……
誰かに『神崎要』という与えられた名前と齢18であることぐらいしか記憶がない。
母に聞いても妹のしずくに聞いても何故かはぐらかされる。
父はいない。父のことを聞いていても悲しい顔をするからいつしか聞かなくなった。
僕は高校に通っていてもうすぐ進学か就職かいい加減決めないといけないという時期であった。だけど僕は少し悩んでいた。今まで何も疑わず普通に過ごしていたけど正直本当に母なのか妹なのかわからないままお世話になりっぱなしでいいのかと。母はやりたいことやってもいいと言ってくれたが…。僕はそれでも少し悩んでいた。
そんなある日、母がそのことに気がついたのか気晴らしに明日は休日なので少しだけ公園に行こうと誘ってくれた。僕は断るのはなんだか悪い気がした。だから明日行くことになった。お弁当持っていこうと母は嬉しそうだった。もちろん妹も行くと言った。
その日の夢は相変わらず僕と同じ顔の人が桜の木の前で立っていた。人というより天使と悪魔を足して割る2 をしたような感じだ。僕と同じく黒髪で右目が黄色で左目が赤のオッドアイ。天使と悪魔の羽を対を成すように広げていた。
僕は正直この人の事を漠然と怖いと感じている。何が関わるのはやめたほうがいいと心のどこかで感じていた。
でも、夢に出てくるのだから関わるしかないのだけど。
「待ってた。」
彼はそう言った。
「どうしたの?」
僕は聞いた。
「公園には行かないほうがいい。」
彼は真っ直ぐな目で僕を見つめていた。
「嫌な予感がするんだ。」
「嫌な予感…??」
「そう。嫌な予感。僕と君に関わることの。」
「それって僕と君が同一人物って言うことの?」
ここ最近彼が出る夢ばかり見ているけれど僕は君、君は僕って言葉をよく繰り返していた。案の定彼は頷いた。
「そう。行ってしまったら元には戻れなくなる…そんな気がしてならないんだ。」
「それはもしかして記憶を取り戻すこと?」
「まぁ…そういう事かな。君が君で無くなるかもしれない。真実を知りたいなら別だけど…。」
真実か…。もしかしたら真実を知ったとき自分の宿命とかやらねばならぬ事がある……のかもしれないし、ないのかもしれない。こう考えるのはアニメや漫画の見すぎかもしれないけど。
「でも…お母さんが誘ってくれたのに行かないだなんて…。」
「確かに…それもそうだね。でも、信じすぎるのもだめだよ。……って誰かが言ってたっけ。忘れちゃったけど。」
信じすぎるのもだめか…。少しは疑えって呆れながら誰かが言ってた……ような気がするけどきっとアニメや漫画であろう。
「さて…夢から覚める時間だね。せめて言わせて。大げさかもしれない。だけど生きて―」
僕は唐突の眠気に目を閉じる。最後に聞こえたのは彼の優しく強い声だった。
誰かに『神崎要』という与えられた名前と齢18であることぐらいしか記憶がない。
母に聞いても妹のしずくに聞いても何故かはぐらかされる。
父はいない。父のことを聞いていても悲しい顔をするからいつしか聞かなくなった。
僕は高校に通っていてもうすぐ進学か就職かいい加減決めないといけないという時期であった。だけど僕は少し悩んでいた。今まで何も疑わず普通に過ごしていたけど正直本当に母なのか妹なのかわからないままお世話になりっぱなしでいいのかと。母はやりたいことやってもいいと言ってくれたが…。僕はそれでも少し悩んでいた。
そんなある日、母がそのことに気がついたのか気晴らしに明日は休日なので少しだけ公園に行こうと誘ってくれた。僕は断るのはなんだか悪い気がした。だから明日行くことになった。お弁当持っていこうと母は嬉しそうだった。もちろん妹も行くと言った。
その日の夢は相変わらず僕と同じ顔の人が桜の木の前で立っていた。人というより天使と悪魔を足して割る2 をしたような感じだ。僕と同じく黒髪で右目が黄色で左目が赤のオッドアイ。天使と悪魔の羽を対を成すように広げていた。
僕は正直この人の事を漠然と怖いと感じている。何が関わるのはやめたほうがいいと心のどこかで感じていた。
でも、夢に出てくるのだから関わるしかないのだけど。
「待ってた。」
彼はそう言った。
「どうしたの?」
僕は聞いた。
「公園には行かないほうがいい。」
彼は真っ直ぐな目で僕を見つめていた。
「嫌な予感がするんだ。」
「嫌な予感…??」
「そう。嫌な予感。僕と君に関わることの。」
「それって僕と君が同一人物って言うことの?」
ここ最近彼が出る夢ばかり見ているけれど僕は君、君は僕って言葉をよく繰り返していた。案の定彼は頷いた。
「そう。行ってしまったら元には戻れなくなる…そんな気がしてならないんだ。」
「それはもしかして記憶を取り戻すこと?」
「まぁ…そういう事かな。君が君で無くなるかもしれない。真実を知りたいなら別だけど…。」
真実か…。もしかしたら真実を知ったとき自分の宿命とかやらねばならぬ事がある……のかもしれないし、ないのかもしれない。こう考えるのはアニメや漫画の見すぎかもしれないけど。
「でも…お母さんが誘ってくれたのに行かないだなんて…。」
「確かに…それもそうだね。でも、信じすぎるのもだめだよ。……って誰かが言ってたっけ。忘れちゃったけど。」
信じすぎるのもだめか…。少しは疑えって呆れながら誰かが言ってた……ような気がするけどきっとアニメや漫画であろう。
「さて…夢から覚める時間だね。せめて言わせて。大げさかもしれない。だけど生きて―」
僕は唐突の眠気に目を閉じる。最後に聞こえたのは彼の優しく強い声だった。
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