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魔法は初めてで危険だった。
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「まだ眠い……」
先程寝直してから何時間経ったのだろうか。
明るい日差しが部屋に差し込み、少し開いていた窓から新鮮な空気が流れ込む。
都会住まいの俺からすれば、これほどに綺麗な空気は初めてだ。
ーーゴーン
眠い目を擦っていたら、突如鐘が1度だけなった。
「今は7時くらいか? 」
時計では無く、鐘がなるだけなのでしっかりと数えていないとこのように時間がわからなくなる。
だが、それでも問題なく回っているのは殆どのの市民が時間を気にすることがさほど無いからだろう。
それに、時間を気にするような人達は1つは時計を確保できるほどの財力があるのだ。
高価といえど、その程度である。
「朝食は8時からと言っていたし……1度食堂に顔を出してみるか」
俺はクローゼットに用意されていた服に着替えると、まだ眠たく、だるい身体に鞭を打ち食堂へと向かった。
「あら、救世主様おはようございます」
「あぁ、おはよう」
食堂にいたメイドが軽く頭を下げ挨拶をする。
実物のメイドなんて見たことも無いソウは、少し感心していた。
「何か御用で? 」
「あ、いや食事はまだかなと」
「えぇ、先程七刻の鐘が鳴ったので、あと1時間ほどありますが……早めますか? 」
「いや、時間がわからなかったから来ただけだ。また一時間後に来よう」
左様ですかと、またお辞儀をして仕事に戻って行った。
「さて、1時間暇ができたな」
魔法……練習してみるか。
俺は人目がつかないようにと自分の部屋で行う事に決め、初めての魔法に心が高鳴って足早に部屋に戻った。
「先ずは……何をやればいいんだ? 」
色々とライトノベルを読んできたが、どちらかと言うと異世界物のテンプレよりもラブコメ等が多かったため、あまり詳しくない。
かと言って全く読んだ訳では無いのだが。
「魔法のイメージって言ったら、火を出したり水を出したりだよな……」
こんな感じで
俺は手のひらから火が出るのをただひたすらに想像した。
身体から何かを感じることも無く、ただひたすらに。
その想像を繰り返す事、早5分。
ソウは既に飽きていた。
「ダメだ、使い方がわからん」
ソウは大の字になってベッドの上に寝転がる。
「なんか、火よ出てこい! とかで出て……って、うわぁ! 」
先程までは全く上手く行かなかった魔法が発動した。仰向けになっていたソウの手のひらには、ソフトボール程度の大きさの火の玉が熱を放ちながら燃えている。
「やっべ……消えろ! 消えろ! 」
ジュウと言う音と共に、火は完全に消え去った。
最悪王宮が全焼していたかもしれないと、完全に不安になったソウは魔法の練習をやめてしまった。
先程寝直してから何時間経ったのだろうか。
明るい日差しが部屋に差し込み、少し開いていた窓から新鮮な空気が流れ込む。
都会住まいの俺からすれば、これほどに綺麗な空気は初めてだ。
ーーゴーン
眠い目を擦っていたら、突如鐘が1度だけなった。
「今は7時くらいか? 」
時計では無く、鐘がなるだけなのでしっかりと数えていないとこのように時間がわからなくなる。
だが、それでも問題なく回っているのは殆どのの市民が時間を気にすることがさほど無いからだろう。
それに、時間を気にするような人達は1つは時計を確保できるほどの財力があるのだ。
高価といえど、その程度である。
「朝食は8時からと言っていたし……1度食堂に顔を出してみるか」
俺はクローゼットに用意されていた服に着替えると、まだ眠たく、だるい身体に鞭を打ち食堂へと向かった。
「あら、救世主様おはようございます」
「あぁ、おはよう」
食堂にいたメイドが軽く頭を下げ挨拶をする。
実物のメイドなんて見たことも無いソウは、少し感心していた。
「何か御用で? 」
「あ、いや食事はまだかなと」
「えぇ、先程七刻の鐘が鳴ったので、あと1時間ほどありますが……早めますか? 」
「いや、時間がわからなかったから来ただけだ。また一時間後に来よう」
左様ですかと、またお辞儀をして仕事に戻って行った。
「さて、1時間暇ができたな」
魔法……練習してみるか。
俺は人目がつかないようにと自分の部屋で行う事に決め、初めての魔法に心が高鳴って足早に部屋に戻った。
「先ずは……何をやればいいんだ? 」
色々とライトノベルを読んできたが、どちらかと言うと異世界物のテンプレよりもラブコメ等が多かったため、あまり詳しくない。
かと言って全く読んだ訳では無いのだが。
「魔法のイメージって言ったら、火を出したり水を出したりだよな……」
こんな感じで
俺は手のひらから火が出るのをただひたすらに想像した。
身体から何かを感じることも無く、ただひたすらに。
その想像を繰り返す事、早5分。
ソウは既に飽きていた。
「ダメだ、使い方がわからん」
ソウは大の字になってベッドの上に寝転がる。
「なんか、火よ出てこい! とかで出て……って、うわぁ! 」
先程までは全く上手く行かなかった魔法が発動した。仰向けになっていたソウの手のひらには、ソフトボール程度の大きさの火の玉が熱を放ちながら燃えている。
「やっべ……消えろ! 消えろ! 」
ジュウと言う音と共に、火は完全に消え去った。
最悪王宮が全焼していたかもしれないと、完全に不安になったソウは魔法の練習をやめてしまった。
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