33 / 136
幼少期㉓
しおりを挟む
「う、うわぁぁぁぁぁ!」
グチャ!
「きゃぁあ!」
シュッ!
左手には握りつぶされた男の頭部、右手には血塗れた剣
とても美しいその男は、狂気の笑みを浮かべ、血がベトリとついたその剣を舌で舐めた
「ひゃァァァ! クっハハ……。はぁぅっひゃは!」
真っ暗なある一室に、男の狂った笑い声が響く
そして、首のない死体が2つ
片方は白の服をまとった女性、もう片方は10歳位の子供
バタバタバタと足音がなる
「こっちだ! 奥様のお部屋からだ!」
武装した5人の男が駆け足で向かってきたようだ
男はそれを足音だけで察知することの出来る強者だ
「ふひゃ~、主には2人だけと言われたが、襲ってきた奴は殺していいとも言われたんだよなぁ……」
バタン!
銀色のフルプレートの鎧に剣を構えた男が勢いよく扉を開ける
ヒュゥゥと窓からカーテンを揺らしながら風邪が吹き込む
男は血なまぐさい臭いに顔を歪めた
「な、何者だ!」
「さぁ? 名乗るとするならば……<デスト>とでも名乗っておきましょう」
男の舐めた態度に騎士達はイライラとした様子で舌打ちをする
「お、おい……そこに転がってるのは」
「ふふ、楽しかったよ」
「クソがァァァァァァァ!」
笑顔でそういう男に騎士が全力で襲いかかる
ーーー辺りは明るくなり小鳥のさえずりが聞こえてくる
部屋で寝ている複数の人にことりが止まる
たが反応はない
ーーーそして
首もなかったーーー
<hr>
一方、アルトは領地に帰るべく父様と馬車に揺られていた
「アルト、お前は前に商売をしたいと言ってたな」
道中で父様が言った
「はい、店を開きたいと思っています」
「ならばその白金貨500枚、全てそっちに当てたらどうだ?」
なんとも嬉しい提案だ
俺はお金を陛下から頂いた時点で父様に半分ほどそちらに回していいか聞く予定だったのだ
それがどうだ、父様からの提案でしかも半分でなく全額使っていいと言われた
とても嬉しいことだ
「い、良いのですか! 是非、是非そうさせて下さい!」
「その金はお前が作った金だからな。やりたい事に全て使うといい」
そう言って俺の頭を撫でた父様のゴツゴツした手にさ何故か俺は嬉しくなった
その後は特にこれといった会話は無く、ゆらゆらと馬車に揺られながら家に向かって進んで行った
その頃、辺境伯地では
「どうなっているんだ! クソ!」
ドンッ! と机を叩く大きな音が、会議室に鳴り響いた
「お、落ち着いてください団長! 」
「こんな時に落ち着けるか!」
団長と呼ばれた男は、落ち着けと言った男の胸ぐらを掴んで叫ぶ
「団長!」
その声に男は手を離す
「団長、貴方がそうなれば俺たちは終わりです……」
「わ、悪かった。」
団長は椅子に腰掛け、頭を抱える
「な、何故なんだ……我々が居ながら何故こうなった、こんなの……閣下に合わせる顔がない」
街中では何人もの衛兵が、昨晩の犯人を見つけるべく、街の見回りをしている
街の外では、いつも以上に街に入る審査が厳しくなり、商人たちが苛立ちを見せている
門兵は何があったか分からないように、その苛立ちを咎める為に苦労している
バタン!
会議室のドアが勢いよく開けられた
「報告! 先程、閣下とアルト様がお帰りになられた。今馬車にてこちらに向かわれている」
その報告を受けて団長は立ち上がる
「よし、この屋敷の警戒レベルを最大限に引きあげ、何としてでも閣下とアルト様には傷一つ付けさせるな!」
「「「はっ!」」」
敬礼をした男達の声には覚悟が見られ、行動にも、緊張が見られる
ブルル!
馬の鼻の音がなり、閣下とアルトの帰宅が分かった
団長たちはすぐさま屋敷の門に向かう
<hr>
「なんだなんだ、少し騒がしいぞ」
馬車からおりた父様は屋敷の騒がしさに違和感を覚える
俺もだ。街を通っているあいだ、いつもとは比較にならない量の兵たちが見回りをしていた。それに門がいつもより混雑していた
「閣下、アルト様!」
「フェイ、何故お前がここに?」
この領地の騎士隊長のフェイが出迎えることは基本的にはない。
騎士団の最高責任者とも言える彼は、日々仕事に明け暮れているはずだ
「閣下、アルト様。緊急でお話が……
この場でよろしいでしょうか?」
片膝をつき頭を下げるフェイ
「お前がそこまで緊急とな、良いだろう。何があった?」
フェイは頭を上げた
「さ、昨晩の夜、何者かの襲撃により我が兵の特別部隊が全滅」
「何!」
父様は声を荒らげた
俺も驚いている
特別部隊は、一人一人が高戦力を所持している強者の集まりだ
俺と父様がいない間の屋敷の護衛任務を下していた
「それと……」
「なんだ、申せ」
フェイと周りにいた執事やメイド、他の兵士達が涙を流す
「それと……メリス様、ファル様が……」
「メリスとファルがどうした?」
「メリス様とファル様が……その襲撃者の手によって……殺害されました」
グチャ!
「きゃぁあ!」
シュッ!
左手には握りつぶされた男の頭部、右手には血塗れた剣
とても美しいその男は、狂気の笑みを浮かべ、血がベトリとついたその剣を舌で舐めた
「ひゃァァァ! クっハハ……。はぁぅっひゃは!」
真っ暗なある一室に、男の狂った笑い声が響く
そして、首のない死体が2つ
片方は白の服をまとった女性、もう片方は10歳位の子供
バタバタバタと足音がなる
「こっちだ! 奥様のお部屋からだ!」
武装した5人の男が駆け足で向かってきたようだ
男はそれを足音だけで察知することの出来る強者だ
「ふひゃ~、主には2人だけと言われたが、襲ってきた奴は殺していいとも言われたんだよなぁ……」
バタン!
銀色のフルプレートの鎧に剣を構えた男が勢いよく扉を開ける
ヒュゥゥと窓からカーテンを揺らしながら風邪が吹き込む
男は血なまぐさい臭いに顔を歪めた
「な、何者だ!」
「さぁ? 名乗るとするならば……<デスト>とでも名乗っておきましょう」
男の舐めた態度に騎士達はイライラとした様子で舌打ちをする
「お、おい……そこに転がってるのは」
「ふふ、楽しかったよ」
「クソがァァァァァァァ!」
笑顔でそういう男に騎士が全力で襲いかかる
ーーー辺りは明るくなり小鳥のさえずりが聞こえてくる
部屋で寝ている複数の人にことりが止まる
たが反応はない
ーーーそして
首もなかったーーー
<hr>
一方、アルトは領地に帰るべく父様と馬車に揺られていた
「アルト、お前は前に商売をしたいと言ってたな」
道中で父様が言った
「はい、店を開きたいと思っています」
「ならばその白金貨500枚、全てそっちに当てたらどうだ?」
なんとも嬉しい提案だ
俺はお金を陛下から頂いた時点で父様に半分ほどそちらに回していいか聞く予定だったのだ
それがどうだ、父様からの提案でしかも半分でなく全額使っていいと言われた
とても嬉しいことだ
「い、良いのですか! 是非、是非そうさせて下さい!」
「その金はお前が作った金だからな。やりたい事に全て使うといい」
そう言って俺の頭を撫でた父様のゴツゴツした手にさ何故か俺は嬉しくなった
その後は特にこれといった会話は無く、ゆらゆらと馬車に揺られながら家に向かって進んで行った
その頃、辺境伯地では
「どうなっているんだ! クソ!」
ドンッ! と机を叩く大きな音が、会議室に鳴り響いた
「お、落ち着いてください団長! 」
「こんな時に落ち着けるか!」
団長と呼ばれた男は、落ち着けと言った男の胸ぐらを掴んで叫ぶ
「団長!」
その声に男は手を離す
「団長、貴方がそうなれば俺たちは終わりです……」
「わ、悪かった。」
団長は椅子に腰掛け、頭を抱える
「な、何故なんだ……我々が居ながら何故こうなった、こんなの……閣下に合わせる顔がない」
街中では何人もの衛兵が、昨晩の犯人を見つけるべく、街の見回りをしている
街の外では、いつも以上に街に入る審査が厳しくなり、商人たちが苛立ちを見せている
門兵は何があったか分からないように、その苛立ちを咎める為に苦労している
バタン!
会議室のドアが勢いよく開けられた
「報告! 先程、閣下とアルト様がお帰りになられた。今馬車にてこちらに向かわれている」
その報告を受けて団長は立ち上がる
「よし、この屋敷の警戒レベルを最大限に引きあげ、何としてでも閣下とアルト様には傷一つ付けさせるな!」
「「「はっ!」」」
敬礼をした男達の声には覚悟が見られ、行動にも、緊張が見られる
ブルル!
馬の鼻の音がなり、閣下とアルトの帰宅が分かった
団長たちはすぐさま屋敷の門に向かう
<hr>
「なんだなんだ、少し騒がしいぞ」
馬車からおりた父様は屋敷の騒がしさに違和感を覚える
俺もだ。街を通っているあいだ、いつもとは比較にならない量の兵たちが見回りをしていた。それに門がいつもより混雑していた
「閣下、アルト様!」
「フェイ、何故お前がここに?」
この領地の騎士隊長のフェイが出迎えることは基本的にはない。
騎士団の最高責任者とも言える彼は、日々仕事に明け暮れているはずだ
「閣下、アルト様。緊急でお話が……
この場でよろしいでしょうか?」
片膝をつき頭を下げるフェイ
「お前がそこまで緊急とな、良いだろう。何があった?」
フェイは頭を上げた
「さ、昨晩の夜、何者かの襲撃により我が兵の特別部隊が全滅」
「何!」
父様は声を荒らげた
俺も驚いている
特別部隊は、一人一人が高戦力を所持している強者の集まりだ
俺と父様がいない間の屋敷の護衛任務を下していた
「それと……」
「なんだ、申せ」
フェイと周りにいた執事やメイド、他の兵士達が涙を流す
「それと……メリス様、ファル様が……」
「メリスとファルがどうした?」
「メリス様とファル様が……その襲撃者の手によって……殺害されました」
45
あなたにおすすめの小説
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜
難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」
高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。
だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや——
「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」
「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」
剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める!
魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」
魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」
神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」
次々と編み出される新技術に、世界は驚愕!
やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め——
「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」
最強の頭脳戦が今、幕を開ける——!
これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語!
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる