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大進行⑥
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無事3人を説得できたアルトは1人で街に向かっていた
途中ウルフ等の魔物に遭遇したが、魔王の部下からくすねた剣で一閃し何事も無かったかのように進んで行った
朝洞窟を出発して、太陽が丁度真上に来る頃、アルトは街の前にたどり着いた。
「いよいよ……か」
大きく息を吸い込み、大きく吐く。
深い深呼吸を3度ほどした後、右手を街にかざす
「其の記憶よ 彼方深淵の闇へと封印せし いずれ還る その日までー忘却の彼方ー」
闇属性Zランク魔法、忘却の彼方
詠唱が終わり、魔法名を唱えると街全体を白銀の魔法陣が覆う
その美しく、繊細な魔方陣に街の人々は目を奪われた
忘却の彼方は詠唱から発動まで凡そ5秒ほどかかる。
アルトは右手を前に出し、目を瞑っている
兄の事、母の事、父の事、アルト専属の侍女のミルの事
5年間、記憶が戻ってから数ヶ月間の事が、鮮明に頭に流れ込む
その中にはミナトとしての活動がバレた時のことや、洗礼に行った時や、プレゼントを渡したことなど
そしてこの街からは、''アルト''という人間が消えたのであった
「俺は、いずれここに戻ってくる。罪神を倒し、皆の記憶が元に戻った時、笑顔で……
それまで、待っていてくれ」
目に涙を浮かび、その涙が頬を伝う。
それでもアルトは涙を拭うことをせずに、右手をかざし、ただひたすらに街を眺めていた
♢
今のアルトではやはり魔法ランクZの魔法を放てばそれなりに体力は消耗する
あの後、少しふらついた足取りで木陰に移動し本を読んで休息を取っていたのだが、気がついたら眠ってしまっていた
木々の間から差し込む太陽はアルトを照らし、小さな鳥が肩に止まる
「うぅ……んぅ」
目を覚ました俺はぼやける視界を何度か瞬きをしてピントを合わせベージがわからなくなってしまった本を手に取る
真上にあった太陽は少し西に傾いている
「そろそろ帰らなきゃな」
本をアイテムボックスにしまう
「だれ……か……」
3人の元へと帰ろうと立ち上がった時、微かだが女性の声が聞こえた
「どこだ?」
意識を集中させ自身の魔力を波紋のように広げる
今は叡智のスキルも何も無い。これは、魔力を広げ、相手の魔力を感知する''魔力探知''と呼ばれる技術である
魔力探知は部類上無属性魔法に当たるが、実際は魔法ではなく単なる小技だ。
その証拠に魔法陣は展開されず、詠唱も存在しない
この技は、その人の魔力の質によって、得られる情報が異なる。アルトの場合は魔力のみで1度あった人ならば区別がつくし、誰なのかもわかる
「この魔力は……昨日の夜の」
魔力の配置が不自然だ、まるで彼女達を取り囲っているような……
不味いな、と感じたアルトはもうほとんど無い体力を使って魔力を足に纏い、木の上を高速で飛び移りながら移動した
アルトが感じ取った魔力の場所までは、そう遠くはなかっ。アルトの超人的なスピードでは、数十秒の事である。
「間に合えばいいが……」
先程ウルフを倒した時に使った剣を手に持ち、戦闘態勢に入る
草木が無くなり、少し開いた場所に彼女達はいた。
黒と白の馬車に背を向け、それを護るように剣を構える部分鎧を付けたの騎士が8名、それ等を取り囲うように20名ほどの薄汚い服を着た恐らく盗賊であろう者達が剣を向けている
数人の盗賊が1人の騎士を襲っている。数の不利から数名の騎士が事切れているようだ。
「無事か!」
木から飛び下り、後ろから剣で騎士のことを刺そうとしていた盗賊を蹴り飛ばし着地する
「貴様は誰だ!」
馬車に1番近い場所を護っていた、ほかの騎士とは違い全身鎧の男が声を荒らげる
「俺は、アルト! クリー……いや、通りすがりの旅人だ」
危うく前の肩書きを名乗りそうになった。
ただ、5歳の旅人と言うのは些か不安で頼りなく、不審でもあったようだ
「おい! ちびっ子、危ないから離れろ!」
「いや、大丈夫だ! 助太刀する」
有無を言わさないスピードで盗賊たちに近寄る。
急に目の前に現れたアルトに盗賊のひとりはバランスを崩す。それを好機と見てアルトはその盗賊の顔を蹴る。
その盗賊は数メートル飛んだ後、木にぶつかり意識を失う
「おい! そのガキなかなかやるぞ! 気ィ閉めていけ!」
眼帯を付けた一際ごつい男が剣を上にあげて言うと、他のものが雄叫びをあげる
「オラァ! 死ねぇ」
一人の男が剣を振りかぶりアルトを切かかる
それを避け男の首を跳ねようと剣を横に一薙する……
ことは出来なかった
アルトの剣は盗賊の男の首の数ミリ手前で止まる
「ふんっ、怖気づいたか?」
盗賊の男がアルトの腹を蹴り、距離を取る
「うぁっ!」
もろに食らったアルトであるが、直ぐに体制を立て直し、空中で一回転して着地する
「何故だ……殺すと考えると……手が震える」
そう、アルトの剣を持つその手は小刻みに震えており、額からは冷や汗が垂れていた
ーーーーーーーーーーーーーーーー
小説のイラスト欲しいなぁ……
途中ウルフ等の魔物に遭遇したが、魔王の部下からくすねた剣で一閃し何事も無かったかのように進んで行った
朝洞窟を出発して、太陽が丁度真上に来る頃、アルトは街の前にたどり着いた。
「いよいよ……か」
大きく息を吸い込み、大きく吐く。
深い深呼吸を3度ほどした後、右手を街にかざす
「其の記憶よ 彼方深淵の闇へと封印せし いずれ還る その日までー忘却の彼方ー」
闇属性Zランク魔法、忘却の彼方
詠唱が終わり、魔法名を唱えると街全体を白銀の魔法陣が覆う
その美しく、繊細な魔方陣に街の人々は目を奪われた
忘却の彼方は詠唱から発動まで凡そ5秒ほどかかる。
アルトは右手を前に出し、目を瞑っている
兄の事、母の事、父の事、アルト専属の侍女のミルの事
5年間、記憶が戻ってから数ヶ月間の事が、鮮明に頭に流れ込む
その中にはミナトとしての活動がバレた時のことや、洗礼に行った時や、プレゼントを渡したことなど
そしてこの街からは、''アルト''という人間が消えたのであった
「俺は、いずれここに戻ってくる。罪神を倒し、皆の記憶が元に戻った時、笑顔で……
それまで、待っていてくれ」
目に涙を浮かび、その涙が頬を伝う。
それでもアルトは涙を拭うことをせずに、右手をかざし、ただひたすらに街を眺めていた
♢
今のアルトではやはり魔法ランクZの魔法を放てばそれなりに体力は消耗する
あの後、少しふらついた足取りで木陰に移動し本を読んで休息を取っていたのだが、気がついたら眠ってしまっていた
木々の間から差し込む太陽はアルトを照らし、小さな鳥が肩に止まる
「うぅ……んぅ」
目を覚ました俺はぼやける視界を何度か瞬きをしてピントを合わせベージがわからなくなってしまった本を手に取る
真上にあった太陽は少し西に傾いている
「そろそろ帰らなきゃな」
本をアイテムボックスにしまう
「だれ……か……」
3人の元へと帰ろうと立ち上がった時、微かだが女性の声が聞こえた
「どこだ?」
意識を集中させ自身の魔力を波紋のように広げる
今は叡智のスキルも何も無い。これは、魔力を広げ、相手の魔力を感知する''魔力探知''と呼ばれる技術である
魔力探知は部類上無属性魔法に当たるが、実際は魔法ではなく単なる小技だ。
その証拠に魔法陣は展開されず、詠唱も存在しない
この技は、その人の魔力の質によって、得られる情報が異なる。アルトの場合は魔力のみで1度あった人ならば区別がつくし、誰なのかもわかる
「この魔力は……昨日の夜の」
魔力の配置が不自然だ、まるで彼女達を取り囲っているような……
不味いな、と感じたアルトはもうほとんど無い体力を使って魔力を足に纏い、木の上を高速で飛び移りながら移動した
アルトが感じ取った魔力の場所までは、そう遠くはなかっ。アルトの超人的なスピードでは、数十秒の事である。
「間に合えばいいが……」
先程ウルフを倒した時に使った剣を手に持ち、戦闘態勢に入る
草木が無くなり、少し開いた場所に彼女達はいた。
黒と白の馬車に背を向け、それを護るように剣を構える部分鎧を付けたの騎士が8名、それ等を取り囲うように20名ほどの薄汚い服を着た恐らく盗賊であろう者達が剣を向けている
数人の盗賊が1人の騎士を襲っている。数の不利から数名の騎士が事切れているようだ。
「無事か!」
木から飛び下り、後ろから剣で騎士のことを刺そうとしていた盗賊を蹴り飛ばし着地する
「貴様は誰だ!」
馬車に1番近い場所を護っていた、ほかの騎士とは違い全身鎧の男が声を荒らげる
「俺は、アルト! クリー……いや、通りすがりの旅人だ」
危うく前の肩書きを名乗りそうになった。
ただ、5歳の旅人と言うのは些か不安で頼りなく、不審でもあったようだ
「おい! ちびっ子、危ないから離れろ!」
「いや、大丈夫だ! 助太刀する」
有無を言わさないスピードで盗賊たちに近寄る。
急に目の前に現れたアルトに盗賊のひとりはバランスを崩す。それを好機と見てアルトはその盗賊の顔を蹴る。
その盗賊は数メートル飛んだ後、木にぶつかり意識を失う
「おい! そのガキなかなかやるぞ! 気ィ閉めていけ!」
眼帯を付けた一際ごつい男が剣を上にあげて言うと、他のものが雄叫びをあげる
「オラァ! 死ねぇ」
一人の男が剣を振りかぶりアルトを切かかる
それを避け男の首を跳ねようと剣を横に一薙する……
ことは出来なかった
アルトの剣は盗賊の男の首の数ミリ手前で止まる
「ふんっ、怖気づいたか?」
盗賊の男がアルトの腹を蹴り、距離を取る
「うぁっ!」
もろに食らったアルトであるが、直ぐに体制を立て直し、空中で一回転して着地する
「何故だ……殺すと考えると……手が震える」
そう、アルトの剣を持つその手は小刻みに震えており、額からは冷や汗が垂れていた
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小説のイラスト欲しいなぁ……
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